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独BASF、チリのリチウム開発も断念か インドネシアに続き、EV失速で「バッテリー死の谷」

 ドイツの総合化学大手BASFがチリのリチウム採掘資産への投資を断念した模様だ。同社は6月下旬、仏資源大手エラメットと共同で計画していたインドネシアのニッケル・コバルト精錬複合施設1(SonicBayProject)への投資を断念したばかり。電気自動車(EV)販売の失速による影響を受け、業界では「EVバッテリー関連は死の谷」との悲鳴も上がる。

 

■カナダ企業との協業は「結局、実現しませんでした」

 

 

 7月3日の米ブルームバーグ通信が、BASFからブルームバーグに充てたメールの内容として伝えた。報道によると、BASFはチリでリチウム採掘を手掛けるカナダ企業のウェルスマテリアルズと合弁交渉を行っていたが、断念したという。メールには「結局、BASFとウェルスマテリアルズの協業は実現しませんでした」と書かれていたとされる。

 元の交渉には、ウェルスマテリアルズがチリで生産契約を獲得した場合の資金調達計画が含まれていたもようだ。BASはチリにFリチウムをバッテリーの正極に変える工場を建設することを検討していたとも伝わる。

 BASFは2020年にエラメットと始めたインドネシアのウェダベイでのSonicBayProjectへの共同投資計画を断念したばかり。エラメットの関係者は「2年前と比べても今は(バッテリーを取り巻く)風景が異なる」と語っていた。

 

関連記事:エラメット インドネシアSonicBayプロジェクトは中止に BASFとの共同出資は行わず | MIRU (iru-miru.com)

 

 車載電池では、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の普及など、材料の変容も急速に進む。これまで主要材料とされてきた炭酸リチウムは価格低迷から抜け出せずにいる。

 

過去3年間の炭酸リチウム価格の推移(99.5% china)(RMB/mt)

 

■パナエナジーも目標見直し 車載電池は赤字転落

 バッテリー事業を見直しているのはBASFやエラメットだけではない。パナソニックホールディングス傘下で車載電池事業を手掛けるパナソニックエナジーも6月初旬、2030年度に売上高を3兆円超にする目標を見直すと発表した。2024年3月期決算で、車載電池部門の目標が未達であったことを受けた措置だ。

 同社の同期は米国を含む車載電池部門が米インフレ抑制策(IRA)の補助金効果などを除くと実質187億円の赤字となり、前の期の107億円の黒字から赤字転落していた。

 

■1-5月の車載電池使用量は23%増

 EVそのものの失速に伴い、EVバッテリーの使用量も伸び鈍化が際立つ。韓国調査会社のSNEリサーチが7月3日に発表した2024年1-5月のEV、PHEV、HVバッテリーの総使用量は285.4ギガワット時(GWh)で、前年同期比23.0%増えた。伸び率は1-4月の21.8%増からはやや拡大したが、2023年通年の38.6%増や2017-2023年の51%増などに比べると、失速は否めない。

 

世界の1-5月のEVバッテリー使用量

(出所:SNE reserch)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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