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大栄環境(9336)24/3期WEB説明会 ややポジティブ継続

25/3期関西インフラ案件等寄与で7.5%増収4.4%営利増予想も増額期待で連続最高益へ

株価3025円(8/29) 時価総額3025億円    発行済株99892千株      

PER(24/3期DO予:20.8X)PBR(3.46X) 配当25/3予42円   配当利回り:1.4%

 

要約

・25/3Q1は9.9%増収12.9%営利増と関西中心にインフラ開発案件寄与で好調持続

・25/3期廃棄物受入量拡大、M&A効果などで7.5%増収4.4%営利増予想も増額期待

・100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」を実践

 

 

25/3Q1は9.9%増収12.9%営利増と関西中心にインフラ開発案件寄与で好調持続

 

 1972年創業の一般・産業廃棄物の収集運搬、処理、リサイクル大手で最終処分場の保有で強味を持つ。25/3Q1は売上高193.53億円(9.9%増)、営業利益50.96億円(12.9%増)、経常利益53.69億円(13.1%増)と順調に収益拡大が継続した。

 

 事業別に環境関連事業が売上高186.91億円(同9.2%増)、営利51.68億円(12.8%増)。主力事業の廃棄物資源循環が売上高165.59億円(7.4%増)と、関西地区のインフラ開発案件を継続して受注、廃棄物受入が55.8万トン(0.8%増)と横ばいを確保した。一方、土壌汚染関連は売上高7.91億円(32.9%減)となった。汚染土壌受入量は6.7万トン(29.8%減)と、前年同期に受注したインフラ開発に伴う汚染土壌処理案件の終了による反動減が影響した。その他の環境関連は売上高13.39億円(2.6倍)と、栄和リサイクルの解体工事受注、三木バイオマスファクトリー、伊賀メタン発酵施設などのエネルギー販売が寄与した。 

 

 その他事業は売上高6.61億円(37.1%増)、営業損失0.43億円(0.15億円悪化)となった。売上高はアルミペレットがアルミ市況高騰で販売単価が上昇し売上が嵩上げ、利益面ではアルミ缶原料の高騰による仕入高の増加による減価高、スポーツ地域振興におけるアイナックフットボールクラブの会場使用料計上などで赤字拡大に。

 

 全体の営業利益の増減要因分析では、増収効果17.48億円、エネルギーコスト、資機材コスト削減効果2.66億円(修繕の内製化等によるコスト削減など)の増益要因に対し、償却増、人件費増、栄和リサイクルの外注費増など7.54億円コスト増があり、全体では2ケタ増益を確保した。

 

 説明会においてはQ1の進捗率について、もともと25/3期は25/3H1に対し、25/3H2に収益の偏りがある前提で、現状はQ1について社内計画比で若干上振れて推移、また経常利益は為替の円安影響で上振れ幅が営利より大きいとのこと。
 

25/3期廃棄物受入量拡大、M&A効果などで7.5%増収4.4%営利増予想も増額期待

 

 25/3期会社予想に変更はなく、売上高785億円(7.5%増)、営利205億円(4.4%増)経常利益207億円(0.9%増)予想を据え置いた。セグメント別では環境関連事業が759億円(6.9%増)、営利208億円(3.7%増)予想。関西エリアでインフラ案件の大型開発工事の継続等で廃棄物受入増加が堅調に推移、加えて共同土木と栄和リサイクルのシナジー効果で関東エリアでも受入増加で受入量を225万トン(2.3%増)と見込む。また今後もスーパーゼネコンの受注残高が豊富にあることから、26/3~27/3期に向けても受入量の拡大が続くとしている。土壌浄化は売上高46億円(1.1%減)と、廃棄物受入量の拡大に伴い高付加価値指向の中で最終処分場の受入を抑制、売上横ばい計画。その他環境事業は46億円(45.6%増)と栄和リサイクルの取込みが寄与する。

 

 営利の増減要因では増収効果で54億円プラス、人件費、エネルギーコスト高、加えて栄和リサイクルの外注費等の増加28億円などで微増益に止まるとしている。

 

 業績予想について25/3Q1が計画比若干上振れて推移しているとのことで、インフラ開発案件の継続受注で受入量・売上が期初計画通りに推移しているとのこと。昨年度も計画に対し上振れ着地しているが、25/3期についてもインフラ開発案件の継続受注しており、関西万博も下期に向けピークとなるなどが見込まれ、多少の上振れが期待される。また7/1に関東地区の千葉県浦安市で一般廃棄収集運搬及び産業廃棄物収集運搬の浦安清運(23/6期売上高5.83億円)、一般廃棄物再資源化事業を行うアイア(24/3期売上高0.12億円)のM&Aを実行、特設的な収益寄与は軽微も、エリア拡大、自治体との関係強化によるシナジー効果が期待される。さらにプラスチック資源循環では5/30に三重県津市と再商品化実施者として参画する認定を取得、4自治体目の獲得となった。なお再プラ対応では、設備投資計画として新たにプラスチック再資源化施設投資30億円を追加、26/3期末完成を目指す。このような様々な事業拡大施策の実行もあり、25/3期収益も会社計画に対し上振れが期待される。
 

100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」を実践


 同社は100年企業に向け、新たな価値を社会に届ける環境創造企業への進化実行を標榜し、既存事業拡大、公民連携拡大、事業エリア拡大のため、M&A、カーボンニュートラルに向けた新事業取込みなどを実行しており、中長期的にも収益拡大が続こう。

 

 

 株価は順調な収益拡大を受け、上昇を続けている。25/3期会社予想EPS138.14円に対しPER21.9倍は、ダイセキの21.2倍とほぼ拮抗、TREの17.4倍より若干割高となっている。今後25/3期の収益について中間決算発表時点で25/3期収益見直しの可能性を示唆、収益の上振れが見込まれ、26/3期以降も安定した収益の伸びが続くとみられることから、ややポジティブ継続としたい。

 

*ダイセキ(9793)とTRF(9247)との比較

 

 

(H.Mirai)

 

 

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