デンカ ポートフォリオ変革に伴い大船工場稼働停止
~Toyokalon 事業の製造拠点集約と Y フィルムおよびカラリヤン事業撤退~
デンカ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:今井 俊夫)は、9日の取締役会にて経営計画「Mission2030」に基づくポートフォリオ変革の一環として、2026 年 3 月末を目途に大船工場(神奈川県鎌倉市)の稼働停止を決議したと発表した。
当該工場の主力製品である「Toyokalon®」については、シンガポール子会社の Denka Advantech Pte.Ltd. South Plant(以下「DAPL」という)に事業を集約し、「カラリヤン® Y フィルム」および「カラリヤン®テープ」については、事業撤退する予定。
1.経緯
当該工場は 1949 年に旧東洋化学株式会社として塩ビ樹脂加工製品の製造を開始後、1952 年には世界に先駆けて塩ビ繊維の工業化に成功し、現在はファッション用ウィッグの原糸として「Toyokalon®」を製造している。また、1976 年にはポリエチレン横延伸フィルム「カラリヤン® Y フィルム」および同フィルムを複合した包装用粘着テープ「カラリヤン®テープ」の製造を行うなど、押出成型加工技術と粘着塗工技術を礎にこれまでさまざまな樹脂加工製品を製造してきた。
しかし「Toyokalon®」は、販売面ではトレンドシフトによる需要構造の変化に加え、コロナ禍以降、主要販売地域であるアフリカ経済の停滞により需要が低下しており、コスト面においても原料価格高騰や固定費の増加により、厳しい収益状況にある。また、主に包装材として使用されている「カラリヤン®テープ」においては簡易包装化の影響により販売数量が減少しており、今後の事業の維持・成長が見込まれず、同テープの原料の一部でもある「カラリヤン® Y フィルム」についても単独による事業継続が困難との結論に至った。
2.今後の予定
「Toyokalon®」は製造・販売・研究を DAPL へ順次移管し、2026 年 3 月末までに当該工場での生産を停止する予定です。DAPL では構造改革によるコストの削減および新製品へのシフトで収益の向上を図るとともに、ラストフロンティアであるアフリカ市場への前線拠点として機能を強化することで、高収益事業への転換を進め、「カラリヤン® Y フィルム」「カラリヤン®テープ」については、2026年 3 月末までに当該工場での生産を停止する予定。
工場内設備、工場用地および営業権等については、今後の予定は未定。売却も含め有効活用を検討し、当該工場の従業員については、雇用維持を最優先とし、同社グループ内での配置転換を進めていく。
3.大船工場概要
(1) 工場名 デンカ大船工場
(2) 所在地 神奈川県鎌倉市台2-13-1
(3) 操業開始 1949年11月
(4) 工場長 西村 英明
(5) 従業員数
(臨時雇用者含む) 137名(2024年8月31日現在)
(6) 事業内容 ファッションウィッグ用合成繊維、包装用粘着テープ、機能性フィルムの開発と製造
4.業績の影響
業績に与える影響については現在精査中で、確定次第速やかに開示するという。
(IR universe rr)
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