新着情報

2025/06/16   東京製鐵 2025...
2025/06/16   中国の研究者、塩湖...
2025/06/16   東邦亜鉛、豪Abr...
2025/06/16   動き出す「金属盗対...
2025/06/16   中国経済、5月は不...
2025/06/16   三菱ケミカル 三菱...
2025/06/16   アルミ合金&スクラ...
2025/06/16   レアメタル千夜一夜...
2025/06/16   レアメタル千夜一夜...
2025/06/16   元鉄鋼マンのつぶや...
2025/06/16   豪Livium社 ...
2025/06/16   政府系科学機関CS...
2025/06/16   環境大臣政務官が、...
2025/06/16   アーバンエナジーの...
2025/06/16   電子部品輸出入Re...
2025/06/16   光ファイバ輸出レポ...
2025/06/16   産業用電子機器輸出...
2025/06/16   LME Weekl...
2025/06/16   東京製鐵の鉄スクラ...
2025/06/15   非鉄各社26/3期...

週刊バッテリートピックス 「産能研がインジウムフリー電池」「COP29開催」など

 2024年11月11日~11月17日のバッテリー業界では、電池の技術開発が活発だった。カナデビアの宇宙向け全固体電池の性能向上や、産総研のインジウムフリー電池の開発が目を引いた。一方、海外では国連気候変動会議(COP29)が開催中。ただ、足元では欧州の関連企業の経営悪化が目立つほか、トランプ次期政権の政策転換への警戒も高まっている。

 

<国内>

●カナデビア、薄型の全固体電池を開発 宇宙向け

 

 

 カナデビア(旧日立造船)は11月14日、自社ホームページ上で、「厚さを従来の4分の1に抑えた全固体電池を開発した」と発表した。

 体積当たりのエネルギー密度を2倍以上に高め、電池容量が1アンペア時の製品で厚さを3ミリメートルに薄型化した。同社は既存の電池で国立研究開発法人の宇宙航空研究機構(JAXA)と共同実証を行ってきた経緯があり、薄型化により宇宙分野などでの利用が期待されるとした。

 

プレスリリース:FY2024-83.pdf

 

●産総研、インジウムフリーの薄膜太陽電池を開発

 産業技術総合研究所(産総研、AIST)は11月13日、ホームページ上で、「インジウムを含まない薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させる技術を開発した」と発表した。

 研究対象としたのは、複数の太陽電池を組み合わせることで吸収する光の波長を分担させ、従来の単接合型太陽電池よりも高効率化を図った「タンデム型太陽電池」。銅・インジウム・セレンの化合物「CuInSe2」を用いて製造されるが、希少鉱物を使用するため高価になりがちだった。今回はこの希少鉱物のうちインジウムを含まなくても高性能を維持できる技術を開発。高性能と低価格を実現できる道筋として期待されるという。

 

 

プレスリリース:産総研:タンデム型太陽電池のトップセルとして有望な光吸収層を開発

 

●マクニカ、横浜大桟橋でペロブスカイト太陽電池の実証実験

 マクニカ(本社 : 神奈川県横浜市)は11月13日、自社ホームページ上で、「ペロブスカイト太陽電池の実証実験を横浜市の大さん橋デッキ上で始めた」と発表した。

 港湾など苛烈条件下での電池の実用化を実験する。環境省の支援のもと、マクニカが主導でペクセル・テクノロジーズ(本社:神奈川県横浜市)、麗光(本社:京都府京都市)の3社で実施する。実験期間は11月12日-2025年1月31日。

 

プレスリリース:ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、苛烈環境下での大規模実証開始 - サーキュラーエコノミー事業 - マクニカ

 

●政府、電池材料の供給支援へ 補正予算で助成金・共同報道

 政府がガリウムや黒鉛(グラファイト)供給源の多角化に関する民間支援を強化する方針を固めたもようだ。11月11日の共同通信が伝えた。11月中に決める経済対策に盛り込んだ上で、2022年度予算で設けた基金の積み増しを想定し、2024年度補正予算で助成金を確保する。

 

関連記事:政府、ガリウムや黒鉛の調達で民間支援を強化へ 共同報道 価格下支え要因に? | MIRU

 

<海外>

●世界の蓄電容量、2030年までに6倍増へ COP29

 

 

 アゼルバイジャンの首都バクーで開かれている国連気候変動会議(COP29)で11月15日、約30カ国が、蓄電池などによる世界の蓄電容量を2030年までに6倍にする宣言に賛同した。COP29の会期は11月11日-22日。

 

●スウェーデンのスカニア、電池調達元の拡大急ぐ ノースボルト経営悪化で

 ロイター通信の11月15日報道によると、スウェーデンのトラック大手スカニア(Scania)が車載電池の調達元の拡大を急いでいるようだ。同社の車載電池の調達元は同じ北欧勢のノースボルトが主だが、ノースボルトは9月に大規模リストラを発表するなど業績が悪化している。スカニアはやはり業績悪化に苦しむドイツのフォルクスワーゲン(VW)の系列企業でもある。

 

関連記事:電池の北欧ノースボルト、従業員の2割をリストラへ EV失速で事業全面見直し | MIRU

 

スイス太陽電池のマイヤーが倒産危機 米顧客から取引打ち切り通知、IRAで

 

 

 スイスの太陽電池メーカーであるマイヤー・ブルガー・テクノロジー(Meyer Burger technology)は11月15日、自社ホームページ上で、「最大顧客の米D. E. ショー・リニューアブル・インベストメンツ (DESRI、デスリ)から取引打ち切りの告知を受け取った。会社は存続できないかもしれない」との警告を発表した。

 両社はマイヤーの米国工場からデスリに向け太陽光モジュールを供給する契約を2022年から5年間の期間で結んでいた。しかし、米国のインフレ抑制法(IRA)で米国産の基準が厳格化し、マイヤーは米国工場の一部について建設を断念。マイヤーの計画変更がデスリの調達破棄に結び付いたとみられる。マイヤーは中国企業との競争激化も打撃となって業績が悪化し、2023年秋から大規模リストラや経営陣の刷新に取り組んでいる最中だった。

 

プレスリリース:Meyer Burger receives notice of termination from its largest customer, DESRI

 

●韓国識者「企業は米国事業をEV電池から多角化を」 第二次トランプに恐々

 

 

 韓国の経営者団体である韓国経済人協会(FKI)は11月12日、ホームページ上で、同協会が11月11日に開いたシンポジウムの内容を発表した。

 識者ら4人を招いたパネルディスカッションでは米国の第二次トランプ政権への韓国の対し方を論じ、米IRA変更の可能性などが話し合われた。参加者からは「韓国企業の米国事業は、EVバッテリー以外にもエネルギー保存装置(ESS)などの多角化を盛り込んだ再編が必要だ」(金鐘勲・元通商交渉本部長)などの意見があった。

 

プレスリリース: The Federation of Korean Industries

 

●ヴァ―レ、インドネシアの電池向けニッケル生産で中国GEMと提携

 ブラジル資源大手のヴァ―レ傘下のヴァ―レインドネシア(PTVI)は11月11日、自社ホームページ上で、「中国バッテリーリサイクルの格林美集団(GEM) と、インドネシアのスラウェシ島での車載電池材料向けニッケル工場建設で提携する」と発表した。

 

関連記事:インドネシアMHP、中国勢との協力深まる ヴァ―レと格林美が提携、華友コバルトに続き | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る