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マルマエ(6264) 25/8Q1決算メモ ネガティブからニュートラルへ変更

25/8期60%増収、営利16億円予想は半導体受注急回復で増額期待、26/8期も収益上伸へ

株価1630円(12/30) 時価総額212億円  発行済株13053千株 

PER(25/8期DO予16.2X) PBR(2.7X)配当(25/8期DO予)40円  配当利回り2.5%

 

要約

・25/8Q1は71.1%増収4.44億円営業黒字、受注2.29倍と半導体製造装置急回復で黒字転換

・25/8期60%増収、営利16億円予想に変更ないが、半導体受注急回復で収益増額期待

・中計で26/8期売上高120億円、営利36億円目標は新規ユーザーの動向がカギ握る

 

 

25/8Q1は71.1%増収4.44億円営業黒字、受注2.29倍と半導体製造装置急回復で黒字転換

 

 半導体・FPD製造装置の真空部品や各種高精度部品を中心に事業展開。主力ユーザーは東京エレクトロン(TEL)宮城、東京エレクトロン(TEL)テクノロジーソリューション、日本発条の3社で2/3を占める。 25/8Q1決算が12/27に開示され、同日説明資料が添付された。25/8Q1は売上高19.11億円(同期比71.1%増)、営業利益4.44億円(同4.66億円改善し黒字転落)、受注21.25億円(同2.29倍)、受注残19.53億円(同2.1倍)と急回復した。

 

 セグメント別では半導体分野が売上高15.17億円(97.2%増)、受注高18.25億円(2.9倍)、受注残12.04億円(2.28倍)となった。半導体生産の回復から同社の納入比率の高いとみられるエッチング装置関連消耗品が在庫調整完了、受注が計画に対し上振れ、TEL宮城エッチング装置の生産も回復し稼働率向上から黒字に。FPD分野は売上高3.02億円(同0.2%減)、受注2.89.億円(同4.2%増)、受注残7.27億円(同78.2%増)に。G8OLED向けで受注回復、売上は低水準横這い。PV他では売上高0.40億円(同11.1%減)、受注0.10億円(同64.3%減)とPV向けが低迷継続。

 

 利益面では増収効果、稼働率向上などで黒字転換。売上総利益率は固定費負担比率減で20.8ポイント改善し33.9%となり、販管費比率も4.5ポイント低下し10.6%となり、営業利益率が25.3ポイント改善し23.3%となった。

 

25/8期60%増収、営利16億円予想に変更ないが、半導体受注急回復で収益増額期待

 

 25/8期会社予想は売上高76億円(60.0%増)、営利16億円(10.3倍)予想を変更せず。半導体分野で61.58億円(73.1%増)を見込む。同社は新規ユーザー拡大を推進、上期から寄与している。FPDは12.24億円(21.4%増)予想と、引き続きOLED向けの拡大を見込む。PVその他は中国PV市場の低迷から2.18億円(19.1%増)と慎重な見方。

 

 利益面ではコスト要因として製造原価での償却費8.68億円(7.0%増)、労務費16.08億円(24.0%増)を見込むが、増収効果による稼働率アップ、半導体向けの拡大によるMIX良化などから大幅増益を見込む。

 

 現状、半導体製造装置においてはAIに関連してAIロジック、HBM関連など、全体としては回復が進み東京エレクトロンの上方修正などが寄与する模様。同社収益も上期の収益について上振れ余地が出てきた模様で、25/8期については増産投資と人員採用前倒しを実行するも利益率維持が可能とのことで増額修正の期待が出てきた。

 

中計で26/8期売上高120億円、営利36億円目標は新規ユーザーの動向がカギ握る

 

 同社は中計目標として26/8期に売上高120億円、営利36億円目標に置き、事業別では半導体事業の拡大を柱に半導体で26/8期102億円(既存60億円、新規42億円)、FPD他で18億円予想とした。

 

 計画の柱は先端半導体向けで新規顧客の取り込みにある。同社は新規ユーザーの開示を控えているが、同社の位置する九州地区はTSMCの熊本新工場JASMの他、九州シリコンアイランドといわれるがごとく数多くの半導体製造企業が立地、この中に新規ユーザーが含まれているとみられる。

 

 なお九州における半導体関連設備投資はJASMだけで第1、第2工場合計で200億ドルとされている。熊本第1工場の量産が当初計画の通り2024年12月より開始、28/22nmならびに16/12nmプロセスのロジック半導体の製造を担う工場で、ソニーセミコンダクタソリューションズやデンソーへの半導体供給なども行っていく予定。投資額は約1兆2900億円とされる。隣接地に第2工場の建設も計画されており、2025年第1四半期に着工予定で、40nmプロセスならびに6/7nmプロセスを担当する模様で、投資額1.5兆円近くにのぼるとみられる。このため、同社の半導体事業はいよいよ回復から本格拡大に向かうとみられる。

 

 株価は3/28の大幅減額修正を受けて下落、市場暴落時の8/5には1280円まで下落、その後多少戻り、10/11本決算で25/8期大幅回復見通しで一時的に上昇したが、現在は1600円前後で推移している。現状、25/8期会社予想EPS84.16円に対しPER19.4倍はプライム機械平均PER16.2倍に対し若干割高。但し25/8期上方修正期待が出てきたことからネガティブからニュートラルに引き上げたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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