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レアアース市場近況2025#1 小動き、中国需要弱くさえないムード、トランプ懸念

 2024年12月下旬~2025年1月上旬のレアアース市況は小動き。中国の需要の弱さが意識され、さえないムードとなっている。トランプ次期米大統領がレアアース資源の多いグリーンランドの買収に言及するなど、米国の動きへの警戒も漂う。

 

■中国指数、需要が弱く水準切り下げ

 中国のレアアース業界団体である中国稀土協会が1月2日に発表した2024年12月のレアアース価格の平均値は166.1と、11月の172.4から下落した。月の最高値は12月2日の169.7、最安値は12月20日の161.9で、最高値でも170には届かなかった。下値は支えられているとはいえ、水準は170台から160台へと切り下がった。

 

中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)

 

 背景にあるのはやはり需要の鈍さだ。特に電気自動車(EV)向け車載電池の材料として注目が高いネオジムなどの軽希土類は、EVの中国内外での販売鈍化が響いた。中国国家統計局が1月9日に発表した中国の2024年の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%の上昇と小幅な上昇にとどまった。このうち自動車などを含む「交通工具」は5.1%値下がりした。

 

中国の項目別CPI

(出所:中国国家統計局)

 

 2025年に入っても需要の鈍さは続く。上海有色網(SMM)は1月10日付のレポートで、2月上旬の春節(旧正月)連休を前に供給が細りがちにもかかわらず、「磁石メーカーが高値での原材料購入に消極的だ」と指摘した。また、1月は、中国のレアアース価格のベンチマークとなる中国北方稀土(集団)高科技が、製品価格を発表しなかった。このため、中国では市場の需要の強弱が価格に反映しやすくもなっている。

 

■ネオジム値下がり、ランタンは過去最安値圏で一段安

 国際市場でもさえないムードが広がる。軽希土類の代表格である金属ネオジムは1月9日に仲値$68.75/Kgに小幅に値下がりした。12月中旬から保っていた$69台を維持できなくなり、8月末以来の安値となった。

 

金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

 小幅安は金属ジスプロシウムと金属ランタンも同じだ。金属ジスプロシウムは12月19日に仲値$285/Kgに下げた。2019年5月以来の安値水準。金属ランタンは12月5日に仲値$3.2/Kgに下落し、過去20年間での最安値圏で推移する。

 

金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

 

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)

 

■テルビウムは小幅高

 唯一、金属テルビウムは1月9日に仲値$970/Kgと小幅に上げた。ただ、12月中旬以来の高値に戻しただけで、微調整の範囲内と言える。

 

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

<Topic>

●1月9-12日

 

石破首相とアンワル首相

 

 マレーシアを訪問中の石破茂内閣総理大臣は1月10日、同国のアンワル・イブラヒ ム・マレーシア首相と会談し、レアアース開発の強化などで合意した。

 

外務省プレスリリース: 日・マレーシア首脳会談|外務省

石破首相によるマレーシア国営通信への寄稿文: 令和7年1月9日 マレーシア訪問に際しての石破総理による国営ベルナマ通信社への寄稿文 | 総理の指示・談話など | 首相官邸ホームページ

 

●1月9日

 1月9日付のロイター通信は「米国とデンマークの当局者が2024年、グリーンランド最大のレアアース鉱床の採掘を手掛けるタンブリーズ・マイニングに対し、グリーンランドに保有する鉱床の権利を中国関連企業に売却しないよう働きかけていた」と伝えた。

 グリーンランドを巡っては1月7日、トランプ次期米大統領が買収を主張し、武力による所有を排除しないとも述べた。同日にはトランプ氏の長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏が「観光客として」グリーンランドを訪問したとも伝わった。

 

関連記事:トランプ劇場に踊らされる銅相場 | MIRU

 

1月8日

 MIRUニューコラムスタート!レアアース、レアメタルを深く知るチャンス。

 

関連記事: 2025年NEWコラムスタート!! 「レアメタル千夜一夜」 | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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