週刊バッテリートピックス 「トランプ関税開始」「韓国航空機炎上、原因は電池か」など
2025年1月27日~2月2日のバッテリー業界では、米国のトランプ大統領がカナダとメキシコ、中国への関税発令に署名し影を落とした。韓国の航空機炎上事故の原因がモバイル電池だった可能性も浮上している。一方で、三菱ふそうトラック・バスの車載電池再利用の取り組みや、大阪万博向け水素燃料電池船の公開など明るいニュースもあった。
●MIRU.comは2月18日にべルサール御成門タワー(東京・港)で、「第11回バッテリーサミット」を開催します。
関連記事:2025年2月18日(火) 第11回BatterySummit in TOKYO | MIRU
<国内>
●「Smart Energy Week 春2025」開催へ 2月19-21日
RX Japanは2月19-21日に東京ビッグサイトで、「Smart Energy Week 春2025」を開催する。水素電池燃料展、二次電池燃料展など10の展示会で構成する。
ホームページ: 【春展】SMART ENERGY WEEK -スマートエネルギーWeek | World Meets Energy
●ホンダ、4月1日から組織運営体制を刷新 電動事業を強化
ホンダは1月30日、自社ホームページ上で、4月1日付の組織運営体制を発表した。電動事業の一段の加速を目指す。また、1月28日にはインドを中心とした二輪事業についての説明会概要も発表した。2028年にインドでの電動二輪専用工場の設置を計画する。
プレスリリース:組織運営体制の変更について(2025年4月1日付) | Honda 企業情報サイト
プレスリリース:Honda 二輪事業説明会 説明概要 | Honda 企業情報サイト
ホンダを巡っては、日刊自動車新聞電子版が1月31日、「同社単独では初となる車載電池工場を狭山工場(埼玉県狭山市)の敷地に新設する方針を固めた」とも伝えた。
●万博向け水素燃料電池船「まほろば」公開
岩谷産業は1月29日、大阪・関西万博の期間中に運航する水素燃料電池船「まほろば」を報道公開した。日本経済新聞などが同日伝えた。
岩谷産業特設ホームページ: 水素燃料電池船特設サイト トップ|岩谷産業株式会社
関連記事: 週刊バッテリートピックス 「大阪万博向け水素燃料電池船が完成」「車載電池が不調」など | MIRU
●中国のアンカー、日本で家庭用蓄電池に参入
中国モバイルバッテリーのアンカーの日本法人は1月29日、自社ホームページ上で、「家庭用蓄電池に参入する」と発表した。家庭用蓄電池とは、蓄電池とソーラーパネルを自宅に設置することで、ソーラーパネルで生み出した電力を蓄電池に蓄え、その蓄電池から家の電力システム自体に給電できる製品のこと。据え置きの蓄電池と電力制御のパワーコンディショナーを組み合わせて販売する。
アンカー(安克創新、Anker Inovations)は中国・深圳に本拠を置くが、売上高の大部分を北米などが占めるグローバル企業。
プレスリリース:アンカー・ジャパン、新たに家庭用蓄電池事業に参入 Anker Solix XJシリーズを展開開始 | アンカー・ジャパン
●「第19回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム」を開催
一般財団法人省エネルギーセンターなどは1月29-31日、東京ビックサイトで「第19回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム」を開催した。脱炭素に不可欠となる再生可能エネルギーの最新技術を展示した。
ホームページ: ENEX2025 & DER/Microgrid Japan2025 & 第19回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム & Offshore Tech Japan2025
●三菱ふそうトラック・バス、使用済みEV電池を蓄電向けに再利用へ
三菱ふそうトラック・バスは1月28日、自社ホームページ上で、「EVトラックの使用済み電池を蓄電システムとして再利用する実証実験を、京都府内で2月から始める」と発表した。使用済みバッテリーをトラックの車両から取り外し、EV 用充電器 一体型の蓄電システム「の電源として再利する。
プレスリリース:ふそう0128‗EVトラック「eCanter」の使用済みバッテリーをEV用充電器一体型の蓄電システムに再利用する実証実験を実施.pdf
●GSIクレオス、ブラジル有機薄膜太陽電池大手と提携
中堅商社のGSIクレオス(本社:東京・港)は1月27日、自社ホームページ上で、「ブラジルの有機薄膜太陽電池(OPV)製造大手パワー・ハーベスティング・ダイナミクス・セミコンダクターズ・インプレッソス(PHD)との間で、戦略的な事業提携契約を締結した」と発表した。OPV フィルムを安定的に確保し、日本 国内での後工程、敷設などを大規模に展開することを目指す。
プレスリリース:pdfFile.pdf
<海外>
●米国、カナダ、メキシコに25% 中国に10%の追加関税 4日から
トランプ米大統領は2月1日、カナダ・メキシコからの輸入品全体に25%の追加関税をかけるための大統領令に署名した。中国にも10%の追加関税を課す。2月4日に発動する。これに対し、カナダは米国製品に対し25%の関税をかけると表明。メキシコも報復措置を示唆している。
トランプ氏は2月18日前後に原油と天然ガスに関連する関税措置を導入する可能性があるとしている。対象国は明示していない。カナダ産原油については10%にとどめるとの意向も示した。
●中国、ブラックマスの国家規格制定へ
中国は7月1日に「リチウムイオン電池用リサイクル用のブラックマスの国家規格」を制定する。2024年12月31日に「GB/T 45203-2024」として計画を公開した。
関連記事:中国、ブラックマスの国家規格制定へ――7月1日実施予定 | MIRU
●韓国の航空機炎上事故、モバイルバッテリーが原因か
韓国南部・釜山の金海空港で1月28日、離陸準備をしていた「エアプサン」の航空機が炎上した事故で、原因は旅客が手荷物に入れていたモバイルバッテリーだった可能性が浮上している。読売新聞などが1月30日までに伝えた。
事故では乗客169人、乗員7人が全員脱出した。
●独ボルボ、スウェーデンのノースボルトとの合弁を買収
ドイツ自動車大手ボルボ・カーは1月29日、自社ホームページ上で、「経営破綻したスウェーデン電池ノースボルトとの合弁会社を完全買収する」と発表した。
関連記事:欧州からの風:January 2025「Volvo、Novo Energyを完全子会社化へ」 | MIRU
プレスリリース:Volvo Cars takes full ownership of Novo Energy - Volvo Cars Global Media Newsroom
●24年のコバルト生産量、25万トン
国際業界団体のコバルト協会(Cobalt Institute)が1月27日に発表した2024年10-12月期のレポートによると、2024年のコバルト供給量は25万6000トンと前年比22.5%増えた。
関連記事:世界のコバルト生産量、24年は25万6000トン Cobalt Instituteレポート、価格一段安 | MIRU
(IR Universe Kure)
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