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ニチアス(5393)25/3Q3メモ ポジティブ継続

25/3期半導体向け減でも1.4%増収12.2%営利増予想と最高益へ、26/3期も収益拡大期待

株価4697円(2/10) 時価総額3185億円    発行済株67811千株

PER(25/3DO予:10.4X)PBR(1.45X)配当(25/3予)108円  配当利回り:2.3%

 

要約

・25/3Q3は1.9%増収13.3%営利増と売上伸び率鈍化も営利率26.8%と収益性さらに向上

・25/3期1.4%増収12.2%営利増予想を据え置き、再増額修正期待

・26/3期は半導体関連拡大が見込まれ、工業製品、高機能製品増で最高益更新続く

 

25/3Q3は1.9%増収13.3%営利増と売上伸び率鈍化も営利率26.8%と収益性さらに向上

 

 25/3Q3決算が2/6に開示され、売上高662.73億円(1.9%増)、営利111.09億円(13.3%増)、経常利益126.40億円(29.9%増)に。売上伸び率鈍化も営利率26.8%と収益性がさらに向上、経常利益はQ2一時円高から円安回帰で為替差益拡大し大幅増益に。

 

 セグメント別ではプラント向け工事・販売が売上高200.80億円(9.4%増)、営利33.33億円(37.3%増)と安全対策関連工事量の増加が寄与、メンテナンス需要も堅調で収益性がアップした。

 

 工業製品は売上高132.43億円(4.1%減)、営利27.64億円(10.7%減)となった。中国向け環境製品需要が悪化、国内インフラ向けシール材、半導体向けフッ素樹脂ライニング製品が堅調も減収に。

 

 高機能製品は売上面118.76億円(9.5%増)、営利29.78億円(21.6%増)。AI半導体向けなどが引き続き需要を牽引した。

 

 自動車部品は売上高133.09億円(2.3%減)、営利13.20億円(3.0%減)。国内は減産影響が一巡も、海外需要が軟調に推移。利益は、円安効果が寄与し微減収、微減益に。

建材は売上高77.77億円(7.4%減)、営利7.15億円(51.5%増)。事業構造改革による効果、大型物件の工期遅延などで減収も、利益面では構造改革効果が本格寄与し朱駅製が大幅改善し、大幅増益に。

 

 全体を通じ、25/3Q3累計で11/7の2回目の25/3期増額修正予想に対する進捗率は売上高で76.3%、営業利益で78.4%、経常利益でも78.3%となっている。また累計収益は過去最高収益の更新となっている。

 

25/3期1.4%増収12.2%営利増予想を据え置き、再増額修正期待

 

 25/3期収益予想に変更はなく、売上高2530億円(1.4%増)営業利益395億円(12.2%増)、経常利益425億円(9.6%増)、税引利益293億円(8.7%増)、連続最高益更新予想となっている。逆算して25/3Q4は同期比で6.6%減収12.1%営利減、25/3Q3比で9.3%減収23.2%営利減となる。

 

 セグメント別でも変更しておらず、プラント工事・販売が売上高735億円(0%増)、営利108億円(2%増)予想。工業製品が売上高550億円(7%増)、営利122億円(14%増)、高機能製品は売上高455億円(10%増)、営利105億円(5%増)、自動車部品は売上高505億円(3%増)、営利45億円(33%増)、建材が売上高285億円(10%減)、営利15億円(2.0倍)予想としている。進捗率ではプラント工事で売上高80.8%、営利93.6%などと進展、他はほぼ計画線に。このため、25/3期はプラントなどの増額、またその他分野も高機能製品などは半導体向けの回復が期待され、全体として若干の売上での再増額修正、利益も円安継続で増額着地が期待される。

 

26/3期は半導体関連拡大が見込まれ、工業製品、高機能製品増で最高益更新続く

 

 同社は2022年4月の中計で、27/3期売上高2500億円、営業利益率15%(金額で375億円)、海外売上600億円を目指していたが、既に25/3期予想が売上高2530億円、営業利益395億円予想と前倒し達成予想となっている。会社側では25/3期発表時には新たな数字を開示する予定。

 

 現状、工業製品および高機能製品は26/3期~27/3期にかけて半導体、精密化学など向けで高成長が見込まれ、プラント工事も原子力再稼働に伴う売上拡大が下期以降高まる見通し。また脱炭素では水素関連なども事業拡大が見込まれ、26/3期以降も緩やかながら最高収益更新が続こう。

 

 株価は業績好調、自社株買い、増配などの発表などで継続的な上昇を続け、11/12には6160円の高値更新となった。その後、自社株買いなどの材料出尽くし感もあり下落、半導体の回復が鈍く類似企業の減額修正が相次いだこともあり、現状、8/5の市場暴落時の3800円以来の安値となっている。現在25/3期会社予想EPS445.9円に対しPER10.5倍はプライムガラス土石の平均PER16.8倍、類似企業のある機械の平均PER16.6倍に対し割安感があり、類似企業のピラー11.0倍、バルカー11.4倍と似通った水準、イーグル工業15.3倍に対し割安である。但し同社は25/3期若干増額修正含みが期待され、連続最高益更新、継続的な増配、今後も半導体や電池、さらには次世代プロジェクトに関連した事業も加わる見通しから、ポジティブ継続とする。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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