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SUSscrap MarketWatch 2025#4 Ni相場上昇も下げ含み?

 国内ステンレススクラップ市況は下げ含み。ニッケル相場上昇も、ステンレスメーカーの原料需要は不振。

 ニッケル相場高も空回りで、メーカーサイドはむしろスクラップの「下げ」を模索している状況。

 市中の304系スクラップ相場は180~185円で停滞。下値は175円も散見。



 下図はLMEニッケル相場と為替相場の推移だが、ドル安円高でLMEニッケル相場は再びの16,000ドル台と上昇しているが、為替は円高指向。

 1ドル=148~149円で推移している。またこの円高も一因として304系スクラップ相場も下押し。

 ステンレスメーカーでは買値を180円ベースまで下げたいところ。輸出大手の親和スチールはすでに180円が標準買値となっている。


(LMEニッケル相場と為替円ドルTTS相場の推移)


(LMEニッケルと304系スクラップ相場(市中実勢)の推移)

 

 国内の大手ステンレスメーカー担当氏も

 「発生が少ない、ニッケルが上がっている、けれどもメーカーは減産しており、スクラップ需要は低下している。ゆえにスクラップ需給でいえば弱い。もう一段下げたいところが本音ですな」という。

 スクラップ需給でいえば「下げ」というところに現状のステンレス製品市場の「悩み」が見え隠れする。

 アジアのSABOT市況はトン当たり1,250~1,280ドル。しかし輸出も韓国を筆頭に弱い。韓国は現代製鉄が泥沼の労使紛争を展開しており、会社として機能していない、とも聞く。

 POSCOは減産中。元気なのは中国とインドネシアのみ。あるいはインド。

 

 400系(クロム系)スクラップは輸出向けでキロ当たり70~73円(Cr分15%以上のもの)、特殊鋼メーカーで75円前後だが円高圧力がかかっている。

 

 ただ、韓国(浦項)POSCOはよくあることだが、日本はじめ輸入スクラップを減らし、韓国国内の調達を増やす、としている。韓国筋の話では「POSCOの調達は申し込みの130%増で受け入れている」という。しかし韓国国内にそれにこたえられるほどのステンレススクラップもないので、いずれ日本にスクラップを求めてくるのではなかろうか?との見方もある。

また中国勢も最近は買値を引き上げており、FOB価格でキロ当たり190円まで上昇。しかしこの間の運搬費用、通関費用などを勘案するとまだ相場を押し上げる力はない。しかしじわりじわり中国勢の買いが上がっていることは事実。

 さらに、今の日米金利差からすると、為替が再びの円安に転じるとの見方もある。4月半ばからはステンレススクラップは「上げ」に転じる、と予想するスペキュラティブな御仁もおられる。こればかりは相場は水物、先行きは神のみぞ知る。



(IRUNIVERSE YT)



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