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レアアース市場近況2025#7 膠着、中国が中重希土類に輸出規制

 2025年3月下旬~4月上旬のレアアース市況は膠着感が強かった。ミャンマーからのレアアース鉱石の供給ひっ迫が意識されたものの需要も低迷し、積極的な取引が鈍かった。中国が4月4日に中重希土類を輸出規制の対象としたが、価格にはまだ反映されていない。

 

■ミャンマー地震、価格への影響は短期的か

 中国が4月4-6日の清明節の連休に入る前だったことも、様子見気分につながった。3月28日に起きたミャンマーでの大地震による国際レアアース市場への影響について、日本の中堅商社の幹部からは「一時的な鉱石供給ひっ迫懸念から価格上昇に結び付く可能性はあるが、実需が低迷しているため持続的ではないだろう」との見方が聞かれた。

 

関連記事:ミャンマー大地震、震源地に銅山 錫3位、アンチモン4位の生産国、価格影響の恐れ | MIRU

 

 中国のレアアース価格は高止まりしている。同国業界団体である中国稀土協会が4月2日に発表した3月のレアアース価格指数の平均値は182.6と、2月の178.1から上昇した。最高は3月14日の184.0で、過去1年間の最高値だった。最低は3月26日の180.8で、高値との差はわずか3.2しかなかった。

 

中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)

 

■ネオジムとテルビウムは小幅高も膠着感強く

 国際価格も多くが小幅な動きにとどまった。4月に入り値動きがあったのは金属ネオジムと金属テルビウム。金属ネオジムは4月3日に$76.75/kgに、金属テルビウムは同日に$1108/kgにそれぞれ上げた。金属ネオジムは2024年10月以来、金属テルビウムは同年5月末以来の高値水準が続く。

 ただ、上げ幅はいずれも小幅で、短期で見ても金属テルビウムは3月半ばに付けた$1110のラインには届かなかった。

 

金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

 一方、金属ジスプロジウムは3月下旬から、金属ランタンは3月半ばから横ばいが続く。金属ジスプロシウムは1月以来の安値水準。金属ランタンは過去20年間の最安値圏にある。

 

金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

 

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)

 

<Topic>

●4月3日

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の経済協力特使であり、政府系ファンド「ロシア直接投資基金」のキリル・ドミトリエフ総裁が4月3日、米首都ワシントンを訪れた。北極圏開発やレアアース資源などをめぐり、米国との協力の可能性について協議したと述べた。AFP通信が4月3日に伝えた。

 ロシアメディアのイズベスチヤ(電子英語版)はこれに先立つ3月31日、「ロシアと米国の政府がロシアのレアアース資源の共同開発で協議を開始した」とのドミトリエフ氏の話を伝えていた。

 

関連記事: 米ロ、ロシアのレアアース共同開発で協議か 露メディア報道、4月にサウジで会合か | MIRU

 

●4月2日

 

(出所:カザフスタン政府ホームページ)

 

 4月2日のロイター通信によると、カザフスタンの産業建設省は同日、「同国の地質学者が最大300メートルの深さで推定2000万トン以上の資源を持つ巨大なレアアース金属鉱床を発見した」と発表した。確認されれば、カザフスタンは中国とブラジルに次ぐ世界3位のレアアース埋蔵国になる。

 カザフスタン中部のカラガンダ州で、ネオジム、セリウム、ランタン、イットリウムが含まれた複数の鉱床が発見されたという。レアアース金属含有量は平均で1トンあたり700グラム。開発企業などは未定。

 

関連記事:カザフスタンのレアアースを巡る各国の思惑 | MIRU

 

●3月31日

 ロイター通信は3月31日、「米政府が深海での重要鉱物探査の振興に向けて大統領令を発することを検討している」との消息筋の話を伝えた。

 

関連記事:米国、深海での重要鉱物採掘に大統領令か 外電報道、国連機関の審査を迂回へ | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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