インド政府は2023年春に発見した新たなリチウム鉱山の鉱業ロイヤルティー(鉱業特別税)の税率について、ロンドン金属取引所(LME)でのリチウム取引価格の3%で固定することを検討しているもようだ。ロイター通信などの外電が6月15日までに消息筋の話として伝えた。
報道によれば、インド政府は2023年下期に新鉱山の一部を競売にかける予定で、ロイヤルティー税率の決定は入札具体化への第一歩となる。もし入札が実現した場合、アダニ・・エンタープライズなどのインド企業のほか、韓国LGグループ系のLXインターナショナルなどの海外企業が応札するとの観測が浮上しているという。
ロイヤルティーは鉱業会社が採掘に当たり当地政府に支払う特別税。リチウム鉱山を巡ってはオーストラリアがLME価格の4%、アルゼンチンなどは同5%とするなどLMEでの取引価格を基準とするケースが多いという。インドはかつて、ボーキサイトのロイヤルティー税率もLME取引価格を基準に設定した。
インド地質調査所(GSI)は2023年2月、カシミール地方のインド実効支配地域であるリーシー地区で推定590万トン規模のリチウム鉱床を発見したと発表した。この場所はインドとパキスタンの係争地に当たるが、リチウムは電気自動車(EV)向けバッテリー材料として需要拡大が見込まれるだけに、新たな鉱床の開発計画に世界の注目が集まっている。
(IR Universe Kure)