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中国CATL、日本勢に攻勢 日産やダイハツに電池供給、インドネシア工場も計画

2025/06/06 11:44

 車載電池世界最大手の中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が海外展開を加速している。日本の自動車メーカーが同社の電池を採用するとの報道が相次いだ。中国ではインネシアド工場の計画も伝わる。5月下旬に香港証券取引所に新規上場し、一段と海外志向を強めている。

 

■日産やダイハツ工業に電池供給

 6月4日の日本経済新聞朝刊は「CATLが5月30日に、日産自動車の中国合弁である東風日産乗用車に車載電池を供給することを決めた」と伝えた。2026年までに複数の東風日産の車種にCATLの電池を搭載する予定という。両社は車載電池技術の開発や市場開拓などで協力する契約も結んだと伝わった。

 一方、同じく6月4日の日刊自動車新聞は、「ダイハツ工業がCATLと軽乗用の電気自動車(EV)を開発し、早ければ2026年にも日本で販売する」と伝えた。コストの安いリン酸鉄リチウム(LPF)電池を採用し、200万円を切る低価格での販売が見込まれているという。

 

■インドネシア工場は2026年にもオープン、ハンガリーにも工場

 さらに、中国ネットニュースの捜狐網は6月5日、「CATLが2026年3月までにインドネシアで電池工場を始動する」と伝えた。工場の投資総額は約12億米ドル(約1700億円)で、生産能力はおよそ15ギガワット時(Gwh)という。現時点では半分の7.5Gwh分についてインドネシア当局から認可が下りているとされる。ただ、捜狐網はCATLによる投資は、単純な資源国から製造立国への転換を目指すインドネシアの政策に沿ったものだとも伝えた。

 

 CATLは5月に香港市場に上場したばかり。同社は既に深圳株式市場に上場しているが、海外投資家による中国本土の株式投資は投資額に上限がある相互取引(ストックコネクト)経由など手段が限られることから、香港上場は海外とのパイプ作り拡大の意味を持つ。実際、同社は株式上場で調達した資金の大部分を、建設中のハンガリー工場向けに充てるとした。

 

関連記事:中国CATLが香港上場 初値13%高、海外志向強めるも米投資家を一部拒否 | MIRU

 

(IR Universe Kure)

 

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