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週刊バッテリートピックス「パナエナジー米工場開業」「米中輸出制限の応酬」など

2025/07/21 18:40
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 2025年7月14日~7月21日のバッテリー業界では、パナソニックエナジーの米工場の開業が明るいニュースだった。太陽電池や水素電池などを含め新技術の開発は多いが、世界情勢は複雑さを増す。米国がグラファイトに、中国が正極材技術にそれぞれ輸出制限をかけた。一方でオーストラリアと中国は接近し、国家間の思惑は交錯している。

 

IR Universeは9月25日、第12回Battery Summit を開催する。今回は、中国の金属情報プロバイダーSMM(上海有色網)との共催となる。 

 

 

9月25日(木) 第12回 Battery Summit in TOKYO | MIRU

日程

2025年9月25日(木)13:00~18:30

2025年9月26日(金)バッテリー関連工場訪問予定

 

会場

東京国際フォーラム Hall D7

〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5-1

 

<国内>

●日産、神奈川県の太陽電池実験に参画 PXP製

 

 日産自動車は7月18日、自社ホームページ上で、「神奈川県が実施する次世代型太陽電池の早期普及に向けた実証事業の助成先に選出された」と発表した。PXP(本社:相模原市)が開発中の次世代型太陽電池を日産販売店に設置し、環境配慮型店舗への導入や発電電力の活用方法を検討する。10月から日産神奈川販売のR1東戸塚店で実験を開始する。

 

プレスリリース:日産自動車、神奈川県が実施する「次世代型太陽電池普及促進事業」に参画

 

 

 PXPは7月18日までに、豊田通商や東京ガス、相模原市、東プレなどとの共同事業を相次ぎ発表している。

 

PXPホームページ:ニュース - 株式会社PXP

 

●独立系電力のループが経営戦略発表会

 

 独立系新電力のLOOOP(本社:東京・台東、ループ)は7月17日、自社内で経営戦略発表会を開催した。同社は「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げ、再生可能エネルギーのニーズ喚起と普及を目指す。

 

プレスリリース:メディア向け「経営戦略発表会」を開催 | Looop (ループ)

 

●FDK、水素貯蔵タンク用の新材料を開発

 FDKは7月17日、水素貯蔵タンク用の新材料として、高容量AB2型水素吸蔵合金を新たに開発したと発表した。

 

関連記事:FDK 水素貯蔵タンク用高容量AB2型水素吸蔵合金を開発 | MIRU

 

●パワーエックス、九州の太陽光発電所にシステム提供

 蓄電池スタートアップのパワーエックスは7月15日、九州の太陽光発電所4拠点に向けた蓄電システムの採用が決定したと発表した。

 

関連記事:ブルースカイソーラーの九州4拠点 パワーエックスの発電所併設蓄電システムを採用 | MIRU

 

●パナエナジー、米電池工場が開業

 パナソニック エナジーは7月14日、「米カンザス州デソトの電気自動車(EV)向け円筒形リチウムイオン電池の新工場が開業した」と発表した。

 

関連記事:パナソニックエナジー、米カンザス州にてリチウムイオン電池新工場を開所 | MIRU

 

<海外>

●欧ステランティス、水素燃料電池の技術開発を中止 中期は赤字

 

 

 欧州自動車大手ステランティスが7月21日に自社ホームページ上で発表した2025年1-6月期の業績速報によると、同期間は23億ユーロ(約4000億円)の最終赤字だった。同社は7月16日には、水素燃料電池技術の開発プログラムを中止すると発表したばかり。水素充填インフラの整備が限定的であること、多額の設備投資が必要であること、さらに消費者向けの強力な購入インセンティブが不足していることから、2020年代末までに水素を動力源とする小型商用車が普及する見込みはないと判断したとしている。

 

プレスリリース: Stellantis Publishes Preliminary and Unaudited Key Figures for First Half 2025 | Stellantis

プレスリリース:Stellantis Discontinues Hydrogen Fuel Cell Technology Development Program | Stellantis

 

 ステランティスは7月に入り、中国の合弁会社が経営破綻していた。

 

関連記事: 欧自動車ステランティス、中国合弁が破産 国産車人気にあらがえず | MIRU

 

●米、中国産グラファイトに93.5%の反ダンピング税へ

 米商務省は7月17日、中国産黒鉛(グラファイト)に93.5%の反ダンピング(不当廉売)税を暫定的に課すとの予備的文書を発表した。ロイター通信が7月18日に伝えた。

 

関連記事:米商務省、中国産グラファイトに93.5%課税へ  反ダンピングで | MIRU

 

●米GM、レッドウッドと提携へ LFPで韓国LGとも協業

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は7月16日、自社ホームページ上で、「使用済みのEVバッテリーのエネルギー貯蔵システムへの応用について、米バッテリーリサイクル企業のレッドウッド・マテリアルズと協力することで覚書を交わした」と発表した。GMは韓国LGともリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池向けセルの生産を準備している。

 

関連記事:米GM、レッドウッドとEV電力応用で協業 韓国LGともLFPセルを生産へ | MIRU

 

●中国、電池正極材技術を輸出制限

 中国商務省と科学技術省は7月15日、「中国における輸出禁止及び制限技術目録」を一部改正し、電池の正極材の製造技術のうち、リン酸鉄リチウム、リン酸フェロマンガン、リン酸塩正極材の製造技術を新たに「輸出制限技術」に追加した。

 

関連記事:中国、リン酸鉄リチウムなどの電池正極材製造技術 輸出制限技術に――15日から追加 | MIRU

 

●台湾でリチウム電池工場火災

 台湾南部高雄市のリチウム電池工場で7月14日早朝に火災が発生した。中国時報(電子版)などの現地メディアが同日伝えた。

 

関連記事:台湾・高雄で電池工場火災 米テスラなどに部品提供、15人負傷も死者はなし | MIRU

 

●豪BHP、電池で中国勢と提携 首相は訪中

 豪資源大手BHPは7月14日、自社ホームページ上で、中国EVのBYDと車載電池の寧徳時代新能源科技(CATL)との間で、それぞれ電池事業で提携すると発表した。

 

プレスリリース:BHP explores opportunities with BYD in battery electrification

プレスリリースBHP explores opportunities with CATL in battery technology and electrification

 

 オーストラリアは、アルバジーニー首相が7月12-18日に中国を訪問し、習近平国家主席と会談していた。

 

アルバジーニー豪首相と中国の習近平国家主席

(出所:中国外務省)

(IR Universe Kure)

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