Loading...

タングステン市場近況2026#1 未知の領域、APT高値1325ドル スクラップは上昇の末に停滞

2026/01/30 14:45
文字サイズ
タングステン市場近況2026#1 未知の領域、APT高値1325ドル スクラップは上昇の末に停滞

 2026年1月のタングステン市場は2025年に引き続き急騰している。ベンチマークであるタングステンAPTの国際価格は1月28日に高値$1325/MTUと、$1000の節目を大きく超える水準で推移している。2025年年初($340)からの上昇率は4倍近い。原材料や他の加工品も含め、すべての形状で過去最高値圏にある。

 

関連記事:タングステンAPT価格が1000ドル乗せ 高値1050ドル、春節前に供給不安加速

 

過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)

 

 タングステンAPTは1月29日に仲値では$1202を付けた。足元は「春節(旧正月、2026年は2月17日)の連休前は安全管理や検査のため減産や閉山が相次ぐ一方、調達側は在庫の補充需要が高まるため、需給のミスマッチが起きやすい」(上海有色網、SMM)状況だ。

 中期的な背景としては、2025年2月の中国当局による輸出規制開始から1年近くが経ち、国際市場での流通量はいよいよ細っている。中国税関総署が1月20日に発表した2025年12月の貿易統計月報によると、同国の12月のタングステンの輸出量は1057トンと前年同月比41%減少した。2025年通年の輸出量は前年比24%減の1万2623トンだった。

 

関連記事: 中国タングステン輸出量、12月は41.1%減 APT上昇続く、今月1000ドル乗せか

 

■ 続々と節目越えもまだ上がる

過去3か月間の中国内外のタングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) ($/MTU)  (RMB/mt)  

 

 原材料の鉱石価格も中国内外で値上がりしている。国際鉱石価格は1月28日に$897.5/MTUを付け、$1000の大台が目前に迫る。中国の鉱石価格はRMB57万500/mtと、1月半ばにRMB50万を超えた後も上昇が続いている。

 

過去3か月間の酸化タングステン価格の推移(Wo3 99.99%min FOB China)($/MTU)

過去3か月間のタングステンバー価格の推移(w-4 99.9% China)($/kg)

過去3ヵ月間の炭化タングステン価格の推移(99.7%min 2.5-7.0um Fob China)($/kg)

 

 ほかも多くがAPTと歩調を合わせ上昇している。酸化タングステン、タングステンバー、タングステンカーバイトは1月28日に値を上げた。酸化タングステンは$1000の、タングステンバーは$200の節目をそれぞれ超えた。

 

■スクラップ、インドで爆上がりで欧州手が出せず

過去3か月間のフェロタングステン価格の推移($/kg)

過去3か月間の純タングステンスクラップ価格の推移(99% of Japan)($/kg)

 

 フェロタングステンと日本の純タングステンスクラップはやや足踏みしている。ともに1月23日から横ばい。水準としてはもちろん過去最高値圏にある。SMMは1月20日付のレポートで、「スクラップの欧州価格は停滞している」と指摘。「バージン製品が枯渇したため市場関係者はスクラップに殺到しているが、インドなどの供給源でスクラップ価格が急騰し、欧州の取引先には受け入れがたい価格になっている」(同)という

 

 

1月28日

 中国タングステン最大手の厦門タングステンが1月28日に発表した2025年12月期決算は、売上高が前の期比31%増の464億6925万元、純利益が35%増の23億1100万元だった。

 

厦門タングステンの2025年12月期業績(部分)

(出所:上海証券取引所でのアモイタングステンの開示資料)

 

1月28日

 ベトナムの食品・小売大手マサングループは1月28日、自社ホームページ上で、2025年12月期連結決算を発表した。売上高が前の期比9%減の81兆ドン、純利益が約2倍の4兆1083億ドン(約240億円)と減収増益だった。

 傘下のタングステン素材メーカーの独エイチ・シー・スタルク・ホールディング(HCS)を、2024年に三菱マテリアルに売却し、減収となった。

 

プレスリリース:df35bd59b23029bbce06710dfff653fd.pdf

関連記事: 三菱マテリアル タングステンリサイクル事業強化でマサン社へ95億円出資

 

1月13日まで

 タングステン価格の高騰は日本でも大きな話題だ。日本機械工具工業会が1月13日、東京会館本館で開催した2026年新年賀詞交歓会では、タングステン価格が話題の中心だった。タングステンスクラップを扱う小笠原金属社長も「価格高騰は異次元」と話した。

 

関連記事:日本機械工具工業会新年賀詞交歓会 タングステンの国内資源循環がかつてなく重要に

関連記事: タングステンの歴史的高騰でさらに重要性増すリサイクル 小笠原金属 津々木社長に聞く

 

(IR Universe Kure)

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング