2026年4月3日現在のレアメタル系スクラップ市場は、中国の輸出規制や中東情勢に伴う地政学リスクの影響を一定程度受けている。国内市場においては、在庫逼迫による需給バランスの乱れが価格上昇を後押しし、全体的に強含みの展開となった。ただし、タングステン、タンタル系を除いてニッケル、コバルト系では大幅な高騰は見られず、今月は為替の変動が価格形成に大きく寄与しているものと考えられる。
【チタン】
純チタン板スクラップ(新断)「⤴」:330円~380円/kg(*専業ディーラー買値ベース、以下同)前月比10円高
合金6-4チタンダライ粉「⤴」:180円/kg 前月比10円高
合金6-4チタンスクラップ「⤴」:230円/kg前後 前月比10円高
フェロチタン「→」:実勢 4.8ドル/kg前後 前月から横ばい
海外市場では4月も同様、依然としてロシア産フェロチタンの流入とスクラップの荷余りで世界的な在庫過多が解消されていないため基本的に横ばいか数円の上昇を記録。国内においても変わらず、価格上昇につながる大きな要因はないものの、前月から10円上げ。
【工具類】
ダイス鋼(SKD61)「→」:60円/kg
ハイス(ミックス)「⤴」:450円/kg 前月比20円上げ
ハイス(一品もの)「⤴」:550円/kg 前月比20円上げ
超硬スクラップ「⤴」:15,000~16,000円/kg 前月比1000円
ダイス鋼は変わらず横ばいを記録。一方、ハイスは前月から20円の続伸となった。超硬スクラップについては、リサイクル製品の需要増による流通量の減少に加え、為替の影響も大きい。先月の150円台から、中東情勢を受けた「有事のドル買い」により160円台まで円安が進んだことが、価格を押し上げる要因と考えられる。
【モリブデン系】
酸化モリブデン 30~33$/lb 前月から横ばい
- モリブデン新切れスクラップ 7500~8000円/kg
酸化モリブデン市場は、米国のフェロモリブデン工場での火災事故や、大手銅鉱山でのストライキといった供給不安材料が一服し、国際価格は前月比で横ばい圏内を記録した。しかしながら、トランプ政権による鉄鋼関連製品への関税引き上げが発表されたことで、米国内での鉄鋼生産活発化に伴うモリブデン需要の拡大が予想される。これにより、国際的な需給バランスが再び崩れ、需要過多になる可能性がある。日本国内においては、輸入コストを押し上げる円安(160円台)と、対米輸出製品への関税負担増という二重の影響が懸念されている。
【タンタル】
- タンタライト「⤴」:275ドル/lb 前月から約80ドルの急騰!
- タンタルスクラップ(PIN)「↑」:50,000円/kg
指標のタンタライトが驚異的な上昇をみせポンド当たり275ドルを超え上昇が続いている 。前月比約80ドルの値上げを記録した。タンタルピンは一部では10万円をベースにしたいとの声も上がっており、国内メーカーの需要の高まりと、在庫不足により供給過多を見せている。
【ステンレス・耐熱系】
・SUS304「ー」:185~195円/kg 前月から横ばい
・SUS310「ー」:400~420円/kg。前月から横ばい
・SUS316「ー」:350~370円/kg 前月から横ばい
・SUS330「↑」:620~650円/kg。前月から上昇
・SUS430「ー」:65~70円/kg。前月から横ばい
330系スクラップのみ20円上昇したものの、2月の上昇から現在まで価格は落ち着いている。
【ハイニッケル合金系】
・42アロイスクラップ「↑」:780~830円/kg。前月から上昇
・インコネル718「↑」:1020~1120円/kg。前月から上昇
・インコネル625「↑」:1100~1200円/kg。前月から上昇
・インコロイ800「↑」:600~650円/kg。前月から上昇
・ハステロイX「↑」: 700~780円/kg。前月から上昇
・ハステロイC「↑」: 830~930円/kg。前月から上昇
・カーペンター「↑」:610円/kg。前月から上昇
・ステライト「⤴」:750円/kg。前月から上昇
・コバール「⤴」:600円/kg。前月から上昇
・キュプロニッケル(9/1)「→」:1000~1100円/kg。前月から横ばい
・キュプロニッケル(7・3)「→」:835~935円/kg。前月から横ばい
ニッケル合金系では、大きな上げはないものの、徐々に上がり続けると予想。
(IRUUNIVERSE Oshiro)