1月の銅の概況及び2月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル ↑
建値 109万-125万円 ↑
為替 110~115円 (1か月間TTM) 変らず
■国際概況
前半はオミクロン株の新規感染が拡大し、米国の1日あたりの感染者数が100万人を突破したこと、ドル高と欧米株式の軟調などのマイナス材料もあったが12月の米雇用統計で失業率の低下が示され、米労働市場の改善が続いていることとドル安に支援したことを好感しUP
1月15日時点で9900ドル(セツル)と月初価格より208ドルUPの締め。
後半は米公開市場委員会(FOMC)後のパウエル議長の会見により大幅利上げ観測が広がったことやドル高などのマイナス材料もあったが、ウクライナ情勢を巡る緊迫化による供給不安が台頭したこと、ニッケルの高騰が続き、他メタルも鉛を除いて軒並み上昇したことなどを好感しUP
1月末日 現在、後半スタート価格から3.5ドルUPの9678ドル。
2月スタート建値は116万円。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
116.02 → 116.44(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-6.8%の66万9521台
輸出は+0.5%
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-12.5%の20万7123台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比4.2%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,393 戸。
・前年同月比 4.2%増, 10か月連続の増加。
○新設住宅着工床面積は 5,702千㎡。
・前年同月比 5.9%増, 9か月連続の増加。
○季節調整済年率換算値では 838千戸。
・前月比 1.5%減, 2か月連続の減少。
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
輸出
財務省貿易統計によると輸出は前年比で電気銅が-0.5%の4万4908t、スクラップが-41.4%の2万9265t。
輸出推移
輸入
輸入は 電気銅が前年比-58.2%の646t、スクラップ +13%の1万406t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量は6万2,640トン、前月比7.0%減少したが、前年同月比7.2%増加した。また2019年の同月より4.7%増加したが、2018年より12.6%減少した。
出典 日本伸銅協会
日本電線工業会発の出荷速報(推定)
前年比-0.8%の5万3800t
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-6.8%の66万9521台
輸出は+0.5%
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-12.5%の20万7123台
内 乗用車 -12.7%
貨物 -11.3%
バス +10.6%
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比4.2%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,393 戸。
・前年同月比 4.2%増, 10か月連続の増加。
○新設住宅着工床面積は 5,702千㎡。
・前年同月比 5.9%増, 9か月連続の増加。
○季節調整済年率換算値では 838千戸。
・前月比 1.5%減, 2か月連続の減少。
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量は6万2,640トン、前月比7.0%減少したが、前年同月比7.2%増加した。また2019年の同月より4.7%増加したが、2018年より12.6%減少した。
前月と同様に自動車と半導体向けの生産が好調だった。住宅関連の設備機器向けの需要も好調だが、部材調達難から一部のルームエアコンで減産などの曇りの情報も聞こえてきている。
銅条
同比15ヶ月連続のプラス。ディスクリートを含めた車載向け半導体が好調を牽引している。巣ごもり需要の再来によりデジタル家電向けの需要も好調である。自動車挽回生産に向けた在庫積み上げを継続中。
黄銅棒
同比11ヶ月連続プラス。住宅設備機器関連がリフォームに支えられて回復基調が続く
【電線】
前年比-0.8%の5万5100t
うち 国内-0.7% 輸出が -2.5%
【輸出】
電気銅輸出が-0.5%の4万4908t。
銅スクラップが-41.4%の2万9265t。
【輸入】
電気銅が-58.2%の646t。
スクラップが+13%の1万406t。
【見通し】
【自動車】
12月の自動車生産が-6.8%。1月国内販売台数が前年比-12.5%
3カ月連続生産、販売共に減少! 半導体以外の中国からの部品供給の遅れからとの事
ただ12月の生産台数の減少幅が大幅減少しており今後の回復に期待
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量は6万2,640トン、前月比7.0%減少したが、前年同月比7.2%増加した。また2019年の同月より4.7%増加したが、2018年より12.6%減少した。
前月と同様に自動車と半導体向けの生産が好調だった。住宅関連の設備機器向けの需要も好調との事
部品調達遅れからの生産減に歯止めがかかるは注目
【電線】
前年比-0.8%の5万5100t
うち 国内-0.7% 輸出が -2.5%
国内輸出共に 減少
今後さらに減少するか注視
・銅輸出は 電気銅、スクラップ共に内需旺盛に伴い減少
・銅輸入は 電気銅は割高感から減少 スクラップは内需旺盛から増加
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】在庫は銅建値が118万から120万と結果的に高値安定であった。
ただコロナによる生産減からのスクラップ発生減により出物が無く在庫薄。
需要面に関していまの所 前月に続き中国の部品調達の遅れからの自動車生産、販売の大幅減少傾向があるが伸銅品に関しては挽回生産に向けた在庫積み上げからか需要は旺盛。
仮に急落してもその価格での販売に躊躇する問屋も多く定期で入らないメーカーが高値買いの傾向が今月も続く
【LME・為替予想】
今月は
① ロシア ウクライナ情勢
② 米中の金融政策の動向
① に関しては 一触即発とも思われる報道も一部ではあるが正面切っての戦争でロシアが勝つ可能性はなく さりとて引き下がるわけにもいかず 当面はお互いの 引かない演出!?が続くのでは?
② に関しては
中国に関しては 北京オリンピック終了後 経済再生のための生産再開金融緩和が行われるのでは
米国に関しては FOMCで3月に金融引き締めを行うことを示唆していること。
インフレが米市民の生活に影響し出してることから 引き締めは行われるのでは
これらを踏まえた2月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は110円~115円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては109万-125万円程度と予測している
関連記事
- 2025/05/12 米中貿易協議期待などでLME銅堅調、国内銅建値10円引き上げの1,430円に 亜鉛もUP
- 2025/05/12 LME Weekly 2025年5月5日-9日 米英合意や米中協議期待でCu Ni上昇、Al小反落
- 2025/05/11 非鉄:LMEのキャンセルワラント(5/9)
- 2025/05/11 上海プレミアム価格動向(5/9)
- 2025/05/11 主要非鉄の総在庫量とLME価格(5/9)
- 2025/05/11 LMEの現物と先物の鞘(5/9)
- 2025/05/10 JX金属 26年3月期連結予想 増収・減益 純利益15%減の580億円――米関税や円高響く
- 2025/05/09 住友金属鉱山:25/3期の利益面は会社計画未達で着地/電話会議を開催
- 2025/05/09 5月の世界経済 好材料乏しく下向きか、野村・高島氏 不調な4月経済指標の発表が重荷
- 2025/05/07 銅管輸入Report#15 2018年以来の多い輸入量 タイとベトナムからの輸入堅調