日本のチタン産業の概況 盛り上がりつつある足元状況
日本チタン協会が先日21日に2年ぶりに賛助会員部会西日本支部の夏季総会、講演会を開催した件はすでに既報(→ チタン協会2年ぶりに西日本支部夏季総会開催 ロシアのチタン産業、燃料電池とチタン)しているが、このなかで、チタン協会のほうから国内チタン産業の概況について説明が成されたのでここに記しておきたい。
日本のチタン産業の状況は、スポンジチタンの出荷量は2019年には過去最高の60737トンを記録したが、2020年に入ってから新型コロナ感染拡大の影響により航空機大幅減産に伴い、特に米国向けの輸出が急減し、2020年の出荷量は34098トン(前年比60パーセント)に急減したが、2021年には航空機生産の一部回復による米国向け回復、中国向け増などによって43098トンとなり底を打った感がある。
更に、ロシアのウクライナ侵攻に対して、ボーイングがロシアのチタン製品を購入停止する経済制裁への煽りを受け、米国展伸材メーカーからのスポンジ引き合い増などにより日本スポンジメーカーの稼働率は上がってきているとのこと。
屈伸材出荷量は5年連続で増加を続け、2018年は18922トンとなったが、2019 年に16303トン(前年比86パーセント)と減少に転じ、2020年の出荷量は12544トン(前年度比77パーセント)、2021年には11834トンとまだ底を打っていない。(国内向け4703トン、輸出7131トン)。
しかし2022年では1〜6月までの半年でインゴット生産は8,764トン、展伸材の出荷量は6746トンと月ごとに伸びている現状で、このベースでいけば2019年並みの16,303トン(展伸材)に迫る、とみられている。
チタン協会では、チタン需要の裾野を広げるための用途開拓活動、チタンの規格化の推進、チタン需要開拓助成事業などの事業活動を継続し、「より多く、より広く、より便利に世界中でチタンを使ってもらえるようにする」ため、チタンの適用拡大、需要開拓に向けて真剣に取り組んでいくと述べられた。
(IRUNIVERSE A.Tanaka&Y.Tanamachi)
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