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ヨットの操縦のように時流を読む環境ソリューション企業 株式会社浜田

 来年、創立50周年を迎える産業廃棄物はじめ太陽光パネルのリユース、リサイクルも手掛けている株式会社浜田(本社:大阪府高槻市 濵田 篤介社長)はオフィスを移転。

 

 なんとマンション1棟を買取り、改装して本社として使用している。そのマンションは元大手企業の社員寮として使っていたということだが、それを見事にリノベーション活用。

 

 外観は普通のマンションだが会社の看板があり、一歩建物の中に入るとそこは何も違和感のないお洒落なオフィスにリノベーションされていた。

 

 

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 私たちMIRU取材陣は4Fにある会議室に案内された。

 

 取材のために通された部屋は以前は1K賃貸の一室だったという。

 

 そこはキッチンもお風呂も取り外され、全く以前の面影がないきちんとした会議室だった。

 

 そこで対応いただいたのは営業部長の山本隆之さんと新規事業課の上田俊秀さん。

 

 

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(写真左:山本さん、右:上田さん)

 

 

・日本最年少ヨット世界一周チャレンジ

 まずはじめに、社員の木村啓嗣さんが今年の11月に開始する予定である「日本人最年少ヨット世界1周チャレンジ」について伺った。

 

 木村さんは現在23歳であるため、このプロジェクトが成功すると日本人史上5人目、かつ現在の海洋冒険家白石康次郎氏の26歳10ヶ月20日の記録を塗り替えることになる。

 

 このプロジェクトは高校生の頃からヨットを愛していた木村さんにとってはかねてからの大きな夢である。濵田社長の趣味がヨットであったということもあり、この企画が実現した。

 

 単独無寄港無補給で世界一周を目指すので、風の力だけで帆走し、必要な電気は太陽光、水力で発電するなど、自然エネルギーとともに成し遂げる挑戦である。

 

 これからの時代を創っていく若者の夢の実現と自然エネルギーのみで世界一周を成し遂げるという世界中に勇気とワクワクを与える素敵な挑戦が始まる。

 

 濵田社長は「風を読む」という意味でヨットと経営は似ている、と話している。その言葉通り、株式会社浜田は時流を読んで数々の事業に挑戦し続けている。もちろん、なかには短期で撤退した事業もあるが、なによりもまずトライすることを重視しているところが浜田の最大のセールスポイントといえよう。

 

 

・真の自然エネルギー社会を実現するには

 次に、多岐にわたる同社のリサイクル事業のなかで、太陽光のリサイクルの取り組みについて教えていただいた。

 

 現在太陽光パネルの確実なリサイクルシステムができていないため、一部では銀や銅などの金属、といった有用資源が回収されないまま、産業廃棄物として埋立処理されるケースがいまだに多い。

 

 2012年に固定価値買取制度(FIT)が導入されてから需要が拡大された太陽光発電。

 

 太陽光パネルの寿命は20年から30年であるため、普及が拡大し始めてから10年が経った今、太陽光パネルのリサイクルは非常に注目されている。

 

 このままいくと環境省の調べでは2020年に約3千t、2030年からは約20万tの排出量がコンスタントに見込まれている。

 

 老朽化に加え、昨今増えた自然災害、特に台風や積雪で破損する事例が多いという。

 

 積雪で架台がダメになることが多く、また昔に製造された架台が丈夫にできていないものがあることが原因に挙げられる。このような災害関係で発生するもの中には、まだ使用できるパネルも多いためリユースとしての提案も行っている。

 

 

グラフ

(出典:環境省資料)

 

 

 リサイクルの仕組みは、まず老朽化、あるいは不要となった太陽光パネルを回収し、検査してリサイクル品とリユース品に選別している。

 

 そこで廃棄となった太陽光パネルを「ホットナイフ式ガラス/EVA分離装置」によりガラスとセルシートに分離し、ガラスや金属などの素材を回収しリサイクルしている。

 

 アルミフレーム分離機によりメーカーや年式を問わず一律に処理が可能である。

 

 投石や災害等で割れてしまったパネルに対応することも可能であると言う。

 

 約300度に熱したホットナイフで、ガラスを割らずにセルとそのほかの部材と綺麗に分離することで、ガラスと金属の完全リサイクルを可能にしている。

 

 素材ごとのリサイクルが可能であるとともに、工程を自動化していることで低コストを実現している。現状はリユースが8割、リサイクルが2割である。

 

 

・リサイクル費用は誰が出すのか?

 こちらもまだ結論が出ていないが、リサイクルするにあたっての費用は誰が払うのかという問題だ。現状は太陽光発電で発生した電気で得られた利益を積立てという形で発電事業者が今年から10年間積立てという形をとって自動的にリサイクル費用を徴収する方法をとっている。まだ実例はないが太陽光パネルが廃棄ではなく中古で売れた場合リサイクル料金の還付ということもあり得るのではないだろうか。

 

 最初からリサイクル料として請求する方法は自動車と同じだが、自動車のリサイクルと違うのは、太陽光の発電で得られた利益に応じてリサイクル料が発生するという点だ。

 

 こちらはある一定の基準を満たした場合に実施しているため、一般家庭での実施はされていないそうだ。

 

 

・一般家庭に普及した太陽光パネルの行方は?

 現在は一般家庭でも太陽光パネルはたくさん設置されている。

 

 東京都では新築の場合は設置を義務付けしていることもあり、今後も市場は拡大されることが見込まれている。

 

 年々増え続ける一般家庭に設置された太陽光パネルはリサイクルできるのだろうか。

 

 一般家庭に設置している太陽光パネルを個人が取り外したものは一般廃棄物扱いになり、解体工事された家から出たものに関しては産業廃棄物扱いになる。

 

 産業廃棄物であればリサイクル可能であるが、一般廃棄物では行政の管轄になり現在はリサイクルのガイドラインが定まっていないため、行政と業者が構築段階である。

 

 自治体で処理施設を所有することは難しいことが予想されるため、まだまだ議論の余地がありそうだ。

 

 取り付ける事だけでなく、取り外す際にも環境に配慮する事こそが真の自然エネルギー社会の実現と言えるが、設置の際にそこまで考えられていないことが現状だ。

 

 

・海外展開

 新規事業に取り組む同社の上田課長によると、今年からベトナムにて太陽光パネルのリサイクル時魚が可能かどうかの実証調査を行っている(我が国循環産業の海外展開事業化促進業務)。

 

 ベトナムでも日本と同じように固定価値買取制度が導入されたため、日本には及ばないが太陽光の普及が進んでおり、ギガ数で言うと16GWくらい普及しているとのこと。またベトナムは比較的災害が多い国であるため太陽光リサイクルの需要は見込めそうだが、現在はインフォーマルセクターでのリサイクル(しかしほとんどがリユース)が主流であると現地に出向いた上田氏は語る。

 

 フィリピンやインドネシアなどアジアの新興国は日本ほどリサイクル文化が育っていないため、太陽光のフォーマルなリサイクル事業展開は先々のことになる、と上田氏はいう。ただ、ベトナムは平均年齢が26歳と若いこと、英語力があり、勤勉な国民性のため新興国のなかでは最も成長ポテンシャルが高いため、プロダクトにおいてもリサイクルの市場としても魅力的な国のひとつに数えられる。

 

 

・Iot開発事業について

 農作物のビニールハウスの温度監視を環境ソリューション研究所というチームで実施している。

 

 ビニールハウスの温度監視を遠隔で行い、水やりや種まきを遠隔で行なっている。

 

 Iotと農業は相性がいいとのこと、衣食住に関わる事業は景気に変動されにくいためこちらも今後の展開が楽しみな事業である。


 

 以上、様々なことを教えていただいたが、産業廃棄物リサイクル事業を軸に非常に多岐にわたる事業展開をしているチャレンジ精神に満ち溢れた会社のカラーが伺えた。

 

 まさに風を読んでヨットを操縦するように、時流を読み真摯に環境社会に向き合っている会社の方針が素人の筆者にも感じられ、非常にフレッシュな社風に感じられた。

 

 今後も株式会社浜田の動向に目が離せない。

 

 

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写真田中鮎子(Ayuko Tanaka)

 元学習塾勤務の旅行好き。

 学生頃にモデルを始める。現在は月1〜2回ほど旅行を行い、

 北海道、沖縄、九州など各観光地によく足を運ぶ。

 新しい知識を学ぶことやたくさんの人と触れ合うことが好き。

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