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世界の粗鋼生産量:9月は14か月ぶりに前年同月比3.7 %増の1億5,170万トン 

 WSA(世界鉄鋼協会)加盟世界64か国合計の22年9月の粗鋼生産は、中国の鉄鋼減産が進んだ前年同月比では3.7 %増の1億5,170万トンと14か月ぶりに前年同月実績を上回る結果となった。前月(1億5,060万トン)比でも、0.7 %増。1~9月の累計では、14 億520万トン、前年同累計比で4.3 %減。中国の9月の粗鋼生産は8,695万トンと前年同月比17.6 %増となった。

 

 世界経済が供給網混乱の継続、欧州を中心とするインフレ、更にはエネルギ関連の高止まり等のリスクを抱え、減速感を強めている中、9月の中国の粗鋼生産は増産に転じた。秋の需要期と政府の景気対策による鉄鋼需要の回復を見込み、鉄鋼メーカーが増産に転じたためと見られている。ただし、深刻化する不動産不況や長期化するゼロコロナ政策が足かせとなり、9月減純から10月に入って、再び中国は減産の動きが広がりつつある。

 

 中国の9月の粗鋼生産は8,695万トンと前年同月比17.6 %増、前月(8,387万トン)比でも3.67 %増と共に2か月連続の増加となった。

 

 

<2022年9月地域別粗鋼生産量>

 

 アフリカは140万トン、前年同月比1.0 %増。

 アジア及びオセアニアは1億1,300万トン、前年同月比10.6 %増となった。その他、EU(27か国):1,070万トン(前年同月比16.7 %減)、北米:910万トン(前年同月比7.6 %減)。

 ロシア+CIS(ロシアを除く)及びウクライナ総計では670万トンで、21.9 %減と大きく減少した。

 

 2022年1月~9 月の累計では、世界の粗鋼生産量は14億520万トン。前年同月累計比で4.3 %減となった。

 

 

<2022年9月 上位10か国の粗鋼生産量>

<生産好調:インド及びイラン>

 生産が好調であった世界第2位の粗鋼生産国であるインド(前年同月比1.8 %増の990万トン)は、10か月ぶりに1,000万トンを下回ったが、前年同月比増を継続。

 第10位のイラン(同26.7 %増の270万トン)も好調で、21年9月より200万トン超えを維持している。

 

<中国の状況>

 世界の約6割の粗鋼生産量を占める中国(前年同月比17.6 %増の8,695万トン:2か月連続の増加。)であるが、前月(8,387万トン)比でも3.67%増と、2か月連続で増加した。

 第2四半期は、鉄鉱石価格の高騰、不動産部門の問題が伴う鉄鋼需要低迷を背景に一部の高炉が封鎖されたが、鉄鉱石及び原料炭価格の下落、鋼材市況の底打ち・反転基調から、メーカーの増産意欲が高まったことと、例年建設活動が盛んとなる9-10月期を控えて多くの製鉄所が操業を開始した模様。ただし、不動産不況、ゼロコロナ政策の影響で需要の回復はなお鈍く、再び減産に転じると見られている。

 9月の1日当たりの粗鋼生産は290万トンと前月(271万トン)から19万トンの増加となった。

 1-9月の粗鋼生産量は、7憶9,080万トンとなった(1-8月の粗鋼生産量は、6憶9,320万トンであった。中国・国家統計局が発表した1~8 月の鉄鋼業など「黒色金属業」の累計利益は、前年同期比87.7 %減の410億5千万元(約8,200億円であった)。8月単月では189億元の赤字だったとみられ、7月から損失は縮小したものの赤字が続く業状にある。

※黒色金属業は、鉄鋼雄の他、マンガン及びクロムの精練、圧延、加工業を含む。

 

<その他主要国>

 その他の主要国は減少し、日本は、同12.3 %減の733.9万トン、ロシアは同5.5 %減の500万トン、韓国は同0.4 %減の610万トンとなった。トルコは21.0 %減の280万トンとなった。ドイツは290万トンと同2.3 %減であった。

 

 

 図1には、粗鋼生産量推移を示す。1991年~2021年の暦年データは、月換算で示している。上位10か国の9月の粗鋼生産量が前月比増となったのは、中国及sとイランだけであった。

 

図1 国別粗鋼生産量推移(暦年の生産量は月換算としている。)

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

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