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ユミコアの第4の挑戦 HLM系バッテリー

 世界のEV用LiBバッテリーの流れに新たな挑戦が始まった様だ。これまで大きく発展してきたリチウムイオンバッテリーの世界はNMC系とNCA系及びLFP系の3種類のバッテリーが主流であった。

 

 

 2月13日発表されたユミコア社の新たな挑戦は、マンガンを豊富に含む HLM (高リチウム、マンガン) 技術のカソード材料の工業化の開始を発表した。

 

 HLM材料は、2026年から商業生産され、電気自動車で使用される予定。HLM は、高エネルギー密度を備えた費用対効果の高い持続可能なバッテリー技術として、自動車メーカーや電池メーカーにとってますます重要になっている。

 

 Umicore によると、HLM は LFP (リン酸鉄リチウム) よりも総コストが低く、距離が長く、同等の安全性があり、充電状態での SOC 監視の信頼性がはるかに高く、リサイクル性が優れているとしている。

 

 リサイクル企業としても、ユミコアはこれらのバッテリー材料を産業規模で、業界をリードする回収率で環境効率の高い方法で生産する。今後の HLM の生産は、韓国とポーランドにある Umicore の活物質工場、およびカナダに計画されている新工場でも計画されている。

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 欧州で新たに始まった第4のバッテリーは、明らかに従来のNMC系やNCA系など高容量で高コストのバッテリーの大きな課題である、ニッケルやコバルトを多量に使用するバッテリーの分野の競争ではないと思料される。

 

 すなわち中国が支配する中容量、低コストのバッテリー領域の新たな挑戦と思われる。欧州は米国との結びつきからも対中国との競争と自分の領域内でのサプライチェーンの構築である。仮にNMC系やNCA系のバッテリーで関連バッテリーメタルの不足が予想される2025年以降ではどうしてもLFP系以外の低コストでニッケルとコバルトへ大きく依存しないバッテリーが必要となると思われる。

 

 HLMバッテリーの動きは水面下で行われてきたと思わるが、BASFなど欧州勢同士の新たな対中国との競争で特に今後その動きが注目される。

 

 

(IRUNIVERSE Katagiri)

 

 

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