オールドエコノミー型自動車産業は終焉するか?
自動車メーカーの減産がささやかれて久しい。2月初旬には、トヨタ自動車の減産方針を受け系列の中堅部品メーカー6社が当期利益予想を下方修正したと伝わった。コロナ禍による半導体などの部品不足が直接的な減産の背景にあるが、長期的には自動車産業全体が従来のガソリン車から電動自動車(EV)への転換を加速するだろうことも影響する。ガソリン車向けに形成してきたオールドエコノミー型産業は果たして終焉するのか?
・トヨタが1月半ばに発表した2023年のトヨタ・レクサスブランドの世界生産台数目標は、上限1060万台。1割程度下振れするリスクがある数値として設定。→前述の下請け企業の下方修正の背景に。戦争、コロナなど不確定要素多いため。
自動車業界の長期目線
世界の政府がカーボンニュートラル達成目標を設定。日本は菅政権が2050年のカーボンニュートラル社会の実現を宣言。トヨタはじめ日本の自動車メーカーもこれに呼応し、2050年を達成期としてEVに注力。
2022年のEV販売台数は約726万台。シェアは首位テスラ、2位BYD、3位上海汽車。日本勢は日産三菱ルノー連合が7位。
もっとも、EVは現時点では玉石混淆。
1日夜発表の中国EVのNIOの2022年12月期は大幅な赤字拡大。研究など先行投資に売り上げが追い付かない企業も多い。
また、カーボンニュートラルを進められるのは主に先進国。途上国ではガソリン車需要は根強い。
EVも車種が細分化していく。BYDは高級EVも手掛けており、それも合わせれば販売台数はテスラを上回る。さらに、将来的には異業種参入も考えられる。BYDはもともと電池メーカー。日本でも銀行業に小売業が参入しているように、今後はすべての業種で異業種との線引きが曖昧になりそう。例えば、電力企業やIT企業の自動車産業への参入もあり得る?
・中小企業としてはどこにコミットしていくか。
①従来型ガソリン車②低価格EV③高価格EV④異業種—など
(iruniverse kure)
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