UACJ 山一金属とUBC加工処理の合弁会社を設立、溶解リサイクルシステムを構築
—アルミ缶水平リサイクルを促進し、循環型社会実現に向けて貢献—
株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:石原美幸)は、山一金属株式会社(本社:静岡県駿東郡、代表取締役:大賀俊和)とUBC∗1の加工処理に関する合弁契約書を3月6日に締結した。UACJは、山一金属および本合弁会社と連携してUBCから溶解までの工程を一貫で行う「溶解リサイクルシステム」を構築することで、よりリサイクル率を高めた製品を供給し、循環型社会実現に向けて貢献していく。
同社は、長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」にて、製品ライフサイクル全体でのCO2削減により、環境負荷の軽減に貢献することを目標の一つとしており、山一金属の方針と一致したことから、2021年11月4日にUBC加工処理の協業へ向けた基本合意書を締結し、協議を進めてきた。今回、アルミ缶水平リサイクルのさらなる促進と、飲料容器サプライチェーン全体のCO2排出量の削減を目指した具体的な検討結果として、本合弁契約書を締結する運びとなった。
同合弁会社設立と溶解リサイクルシステムの構築は、UBCの加工から溶解までのサプライチェーンの流れを強固にするもの。両社の役割は、山一金属がUBCなどの原料調達、ノウハウや技術提供を行い、UACJが設備を設置することになる。同合弁会社は、この設備を用いてUBC加工事業を行う。具体的にはUBCの破砕・選別・焙焼などを行い、塗料を飛ばした「DCC∗2」と呼ばれるチップを作る。DCCは、UACJで溶解・鋳造・圧延され再びアルミ缶材となる。
この協業により、UBC加工とアルミ板製造が効率的に連動することで、UBC使用量を増やすことができ、Scope3(原材料)におけるCO2排出量∗4が年間約12万t削減する見込みです。今後、缶材での成果を確認しながら、他の製品分野への横展開も検討していく。
∗1 UBC:使用済み飲料缶(Used Beverage Can)
∗2 DCC:Delacquered Can Chip
∗3 日本アルミニウム協会「アルミニウムVISION 2050」掲載数値より算出
∗4 日本アルミニウム協会公表のCO2排出量原単位に基づき算出
参考
「山一金属株式会社とUBC加工処理の協業に向けた基本合意書を締結」(2021年11月4日)
(IR universe rr)
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