EV電池は世代交代? 中国CATL、M3Pバッテリーを年内量産か
2023/03/30 12:44
中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)の「M3P」バッテリーの開発計画が進展しているもようだ。CATL創業者の曾毓群会長が3月24日のオンライン業績説明会で、「2023年中にM3Pバッテリーを量産・供給できるだろう」と述べたと伝わった。実現すれば、EV向けバッテリーの世代交代が進む契機になる可能性がある。
中国ネットサービスの新浪網などの外電が発言内容を伝えた。M3Pは正極材にリン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)を用いたバッテリーで、CATLは別の金属元素も混ぜて作成するもようだ。従来型のリン酸リチウムイオン(LFP)バッテリーよりもエネルギー密度が向上するため長距離運行が可能になる一方、生産コストは低下するとされる。
CATLは、2022年夏に四川省で開催された世界動力電池会議で経営陣がM3P電池について説明していたほか、同年春の投資家向け説明会でも開発計画に言及していた。
CATLは生産したM3Pバッテリーを航続距離700キロメートル以上のEVに供給するとしており、大口顧客でLFPバッテリーの使用に前向きな米EV大手のテスラが供給先になるのではないかとの観測が出ている。市場では、将来的にM3PがLFPに取って代わるとみられており、もしテスラ車にM3Pが搭載されればEV向けバッテリーの世代交代が一段と促進することになりそうだ。
関連記事:中国企業研究 CATL、22年は93%の増益 EVバッテリーは6年連続シェアトップ | MIRU (iru-miru.com)
(IR universe Kure)
関連記事
- 2024/04/19 阪和興業(香港)藤田董事長「安定した鉄鋼事業の構築に自信」 食品ビジネスにも期待
- 2024/04/18 二次電池PSI-Report#158リチウムイオン二次電池 安価な車載向け販売数大幅減少
- 2024/04/17 コバルト市場近況2024#4 落ち着き目立つ、LME価格は英米の対ロ制裁が影響
- 2024/04/16 国内電気銅PSI Report #15 電気銅の販売量増加基調へ 販売平均単価上昇も続く
- 2024/04/16 国内伸銅品PSI実績Report #48 銅製品の需要回復待ち 黄銅に続き青銅・洋白も回復へ
- 2024/04/15 民生用電子機器輸出入Report#35薄型テレビ輸入 輸入減少底に 2024年増加の兆しか
- 2024/04/15 産業用電子機器輸出入レポート#58パソコン輸入 2024年パソコン需要回復の兆しか
- 2024/04/15 ジルコニウム輸出入Report#22二酸化ジルコニウム輸入 中国依存急速に高まる
- 2024/04/15 ジルコニウム輸出入Report#21鉱石輸入 オーストラリアからの輸入減2024年も続く
- 2024/04/15 ゲルマニウム輸入Report#59塊粉くずと製品 申請通過 半年ぶり中国からゲルマニウム製品大量輸入