経産省 六ケ所村風力発電所の風車倒壊事故で風車の点検を要請
経済産業省は、3月17日に青森県の六ヶ所村風力発電所において発生した風車の倒壊事故を踏まえ、倒壊した風車と同じ型式の風車の設置者に対し緊急点検の実施等を要請した。他の型式の風車の設置者にも、点検実施の必要性の検討を要請している。
2023年3月17日、青森県内の六ケ所村風力発電所※において発生した風車1基の倒壊事故を受け、同発電所の設置者は、所内の全ての風車の運転を停止し、一般の方の立ち入りを制限するとともに、事故調査委員会を立ち上げ、原因究明及び再発防止策の検討を進めている。
※ 設置者:日本風力開発ジョイントファンド(株)
定格出力:33,000kW(1,500kW×22基(ゼネラルエレクトリック社製GE1.5s))
事故が発生した風車は、2003年11月に運転開始
現時点の当該設置者からの報告によれば、倒壊した風車は、タワーの溶接部において破断が生じており、破断面を観察した結果、広範囲にわたり内外面を貫通する疲労亀裂(推定)や外面の発錆、内面の塗装割れが確認されているとのことであり、こうした亀裂や発錆、塗装割れは、タワー内外からの外観検査により発見できる可能性がある。これらを踏まえ、当該設置者は、自社が設置者となっている、倒壊した風車と同じ型式の風車について、点検方法を公開し、緊急点検を進めている。
経済産業省としては、今回の事故の発生を受け、倒壊した風車と同じ型式の風車の設置者に対して、同様の事故の発生の可能性を念頭に、緊急点検の実施を要請した。
また、他の型式の風車の設置者に対しても、現時点では事故の発生原因が明らかではないことから、点検の実施の必要性を検討するよう要請している。風車の定期自主検査の方法は、「電気事業法施行規則第94条の3第1号及び第2号に定める定期自主検査の方法の解釈」に例示されており、風車のタワーの溶接部については、目視により、塗装や溶接割れが発生していないか確認することが示されているが、同様の事故の発生を防止する観点からは、今般倒壊した風車の設置者による点検方法を参考に、更なる点検を実施することが有効と考えられる。
経済産業省は、今回の事故の発生を踏まえ厳正に対応していくとしている。また、今後、電力安全小委員会電気設備自然災害等対策WGにおいては、当該設置者による報告を踏まえた事故の原因究明等を行い、風車の検査方法の見直し等、必要な対応を進めていく。
(IR universe rr)
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