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ユミコア・NiB全固体電池の大規模試作開発拠点をベルギーで開設

 

 

 次世代EVバッテリー分野で全固体電池開発が加速している。日本でもトヨタが次世代全固体電池の開発を促進し2027年までにEVへ搭載すると発表しているが、ベルギー拠点のEVバッテリー正極材料メーカの地位を高めているユミコア社は6月20日にベルギー・オーレンに同社の独自バッテリー材料の開発を促進する目的で、全固体電池までの試作が可能な設備を完成したと発表した。

 

 

 完成した施設は、全固体電池材料は湿気に敏感な材料であり、全固体電池の試作の為に、超乾燥空気の環境下で試作が行われる。600平米の施設は、従来の工業材料拠点内に設置された。新施設の実験室には 1 時間あたり 200,000 m3 の乾燥空気が吹き付けられるため、湿度レベルは 0.1% 未満で、このような乾燥空気は、この新世代のカソード活物質の正確なテスト、分析、開発に不可欠とされている。

 

 最先端のプラントと機器を備えた 600 平方メートルの施設は、材料の配合、その特性評価と製造から、バッテリーセルの組み立てとその後のバッテリーレベルのテストに至るまで、全固体バッテリー開発の一連のプロセスをサポートする。この一連のアプローチにより、カソード活物質と固体電解質を組み合わせたカソード液などの新しい材料カテゴリーを開発することが可能になるとしている。

 

 「ユミコアのユニークな試作センターは、2017年以来、いくつかの重要な特許を取得して開発しており、全固体電池化学におけるイノベーションと技術的リーダーシップをさらにスケールアップし、前進させます。当社は正極材料業界のリーダーとしての地位に全力で取り組んでいます。新しい施設は、当社のリーダーシップをさらに強化し、試作能力を高め、それによって顧客をサポートする能力を10倍以上高める上で重要なステップです」とUmicoreのCEO、Mathias Miedreich氏はコメントしている。

 

 ユミコアの主要な電池材料技術ポートフォリオには、①中程度から高ニッケル含有量の現在の NMC 技術 (ニッケル、マンガン、コバルト)、②短期的なマンガン豊富な HLM (高リチウム、マンガン) 技術、および③将来の Na イオン (ナトリウムイオン) が含まれる。

 

 ナトリウムイオンバッテリー(NiB)全固体電池はリチウムをナトリウムに代替する事で、より高いエネルギー密度により、電気自動車の走行距離が延長され、より高速な充電が促進される。現在の液体電解質を固体電解質に置き換えることで、充電式バッテリーの安全性と寿命が向上し、サイズ、重量、そして最終的にはコスト削減も期待される。

 

 NiBバッテリーの開発は中国などでも積極的な開発が行われており、日本ではセントラル硝子がNaPF6電解質の開発に参画しており、負極ではハードカーボン(難黒鉛化炭素)の開発にクラレも参加しており、容量密度の向上には東京理科大や岡山大学なども研究開発に参加している。

 

 現在トヨタが目指している全固体電池は、バイポーラ型リン酸鉄リチウムとの情報もあり、いよいよ全固体電池の世界規模の開発がその姿を現し始めた様だ。

 

 

(IRUNIVERSE/Katagiri)

 

 

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