触媒資源化協会 日本明京の工場で電子製品の自動解体工程を見学
2023年7月5日に触媒資源化協会の会員企業約30名は、会員でもある日本明京株式会社の工場(茨城県つくば市)へ見学に赴いた。
もともと2020年3月に中国深圳明京環境科技有限公司(旧:深圳明京電子有限公司)を設立。主に解体ロボットの技術研究開発をおこない、AI画像アルゴリズム、機械製造分野で世界トップレベルの技術ノウハウを持つ。
その後2022年7月に日本明京を設立。電子廃棄品処理及び資源回収、リサイクルに特化したサービスを展開する。先進的な解体知能ロボットを採用し、電池など危険性の高い電子廃棄品を自動的に処理し、電子固体廃棄物処理業界の解体問題を規範化して解決している。
工場内では日本明京が開発した第一世代解体ロボット“先”が設置されていた。この第一世代で現在、iPhone5~6の8種類を分解して13種類のパーツへ分類をしている。構造はシンプルで4本のロボットアームと12本のCCDのみを採用しているという。
(工場に設置された第一世代解体ロボット“先”)
奥から3つのフェーズに分かれて解体が進む。
一番奥の1号機(フェーズ1)ではネジを外しディスプレイとバックを解体する。
真ん中の2号機(フェーズ2)では取り外したい部分のはんだをレーザーで溶かし、残ったビスを取り外す。
手前の3号機(フェーズ3)でSIMの取り外しや糊付けしてあるバッテリーを防爆仕様の環境で200℃で加温して剥離しパーツを分別していく。
第一世代の解体能力は1日8時間の稼働で1ヶ月1万台。現在、第二世代を開発中で来年の設置を予定しているが、12種類のiPhoneとAndroidを20種類のパーツに分解できるようになり、実際に導入がされれば1台を約12秒で解体し、解体能力は月間5~6万台にまで上がるという。
通常1台のiPhoneの製錬価格は200円程度だが、液晶やメイン基盤などパーツごと分けてリユース市場に販売することにより約10倍の価値になるという。
その後、東成科技社クラブハウスへ場所を移して質疑応答を行った。会場には中国やアメリカからの株主・投資家も参加した。
(触媒資源化協会 第254回月例会 東成科技社クラブハウスにて)
日本明京は防水機能などを持ち解体が複雑化する電子製品を、ロボットの解体技術を用いおこなえる技術の開発を進める。併せて、解体専用の管理システムを開発し、解体の追跡機能・情報の管理・部品の流通に関してもITを用い管理できるようにしていく。また、AIでネジなどの各パーツの材質なども識別できるようにしていくと語った。
(IR universe rk)
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