中国・華友コバルト、ジンバブエのリチウム工場が精製品輸出開始 3万トン規模
中国のコバルト大手である中国華友コバルトがアフリカ・ジンバブエで建設していたリチウム工場が、4月から精製品の輸出を始めた。ロイター通信などの外電が華友ジンバブエ支社のジョージ・ファン支社長の話として7月5日に伝えたところによると、既に3万トンのリチウム精製品を輸出したという。
鉱山があるのはジンバブエの首都であるハラレの郊外に位置するアルカディアで、華友は2022年に4億2200万ドルを投じ、オーストラリアのプロスペクト・リソーシズが権益の9割を保有する同地の採掘会社から買い取った。その後さらに3億ドルを投資して年産能力45万メートルトン規模の製錬工場を建設、2023年3月には試運転にこぎつけていた。ファンは「4月までの輸出品は4000万ドルの収入創出に当たる」と述べたという。
独立行政法人のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のデータによると、このアルカディア鉱山の資源量(JORC2012基準)は72.70百万トン、品位:Li2O 1.06%、Ta2O5 121ppm、金属量はLi2O 770千トン(1.9百万t/LCE換算)、Ta2O5 88千トン。
JOGMECによると、ジンバブエは世界で 2 番目の白金及びダイヤモンド埋蔵量を持ち、リチウムを含む約40種の鉱物の算出が報告されている。近年はリチウム鉱床の潜在力に注目し、中国勢は華友のほかに中鉱資源集団なども進出している。リチウムに関しては原石の輸出は禁止しており、精錬品のみの輸出を認可している。
ジンバブエの金属埋蔵量
(出典: JOGMECデータベース)
関連記事 : 華友コバルト ジンバブエリチウム鉱山プロジェクトの試験生産に成功 | MIRU (iru-miru.com)
(IR Universe Kure)
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