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アドテックプラズマテクノロジー(6668) 23/8Q3決算メモ ポジティブ継続

23/8Q3は13.0%増収も7.0%営利減、受注43.7%減と受注減、資材高影響が響く

株価(7/14)1436円     時価総額123億円   発行済株8,586千株

PER(23/8期DO予:9.2X) PBR(1.29X) 配当予16円 配当利回り1.1%

 

要約

・23/8Q3は13.0%増収も7.0%営利減、受注43.7%減と半導体需要減退とコスト高響く

・23/8期は4/14の大幅減額修正0.5%増収30.5%営利減予想を変更せず回復は来期に

・24/8期下期には半導体事業回復、光学薄膜向けも寄与し収益再拡大、25/8期は最高益も

 

23/8Q3は13.0%増収も7.0%営利減、受注43.7%減と半導体需要減退とコスト高響く

 

 半導体・光学デバイス製造装置向けプラズマ用高周波電源装置専業大手。23/8Q3は売上高35.18億円(13.0%増)、営業利益7.03億円(7.0%減)、経常利益7.62億円(15.3%減)、受注高24.49億円(43.7%減)、受注残高88.49億円(9.3%増)。半導体製造装置向け受注低迷が継続、売上では受注残高の消化がやや進み増収となるも、コスト高から大幅減益に。

 

 事業別に半導体・液晶関連事業が売上高31.20億円(10.0%増)、営業利益6.86億円(1.3%減)、受注高18.80億円(55.1%減)、受注残高79.14億円(7.3%増)。部材不足等で受注残高が膨れ上がった状況は部材不足の適正化が進み、売上はQ2に対し12.1%増となった。但し利益面では部材高影響、物流コストなども影響し大幅減益に。但し利益もQ2に対しては2.0倍と、想定以上の円安影響もあり持ち直す。受注については依然として半導体生産の回復遅れ、とりわけメモリ生産でエッチング装置などの回復が遅れており厳しい状況が続いている。IDX部門である研究機関その他は売上高3.98億円(40.6%増)、営利0.04億円(90.6%減)、受注5.70億円(3.6倍)、受注残9.27億円(29.8%増)に。シリコンウエハ引上用装置向け電源など民生売上が拡大も研究機関・大学関係の不振で利益は低迷。受注は一般産業向け等が加わり大幅増。

 

 四半期での地域別売上では日本が18.34億円(5.5%増)と、エッチャー向けが変調、半導体関連部門の電源は14.35億円(1.4%減)も研究機関向け等がシリコンウエハ引上用電源等の拡大もあり3.98億円(41.1%増)に。海外ではアジア向けが12.58億円(30.1%増)とALD装置向けが伸びたとみられる。米国向けが3.34億円(6.4%減)等となっている。

 

23/8期は4/14の大幅減額修正0.5%増収30.5%営利減予想を変更せず回復は来期に

 

 23/8期予想は4/14の減額修正予想に変更無く、半導体生産の低迷、とりわけメモリの生産調整の影響が継続しており、売上高124億円(0.5%増)、営利19億円(30.5%減)、経常利益17億円(44.3%減)、税引利益12億円(44.8%減)予想。逆算し、23/8Q4は売上高30.15億円(前年同期比11.7%減、Q3比14.3%減)、営利2.58億円(同65.3%減、同63.3%減)、経常利益1.28億円(同85.0%減、同83.2%減)予想となる。

 

 現状、Q3受注は月次平均で8.16億円となっているが、2022年11月が5億円を下回るまで減少していた事を考えると11月をボトムに回復傾向が出てきた様子。但し水準は依然として低水準で、本格的な受注回復は24/8Q3程度からと見られる。このため23/8期は為替の円安効果でQ4の収益が上ぶれるとみられるが、大きな増額とはならない見通し。

 

24/8期は半導体事業回復、光学薄膜向けも寄与し収益再拡大、25/8期最高益更新期待

 

 半導体事業はメモリが23年中は低迷が続き2024年上期にボトム、ロジックは2023年下期をボトムに2024年は回復が見込まれる。加えて光学薄膜向けはアップルの2024年モデル向けにオプトランの新機種向け受注が期待出来る。なお先端半導体製造向けは依然として旺盛で、ASMのALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)装置向けもロジック回復とともに伸び加速が期待される。

 

 24/8期は期初受注残高が減少、但し23/8期に持ち越し40億円分の納入も有り、下期から半導体向けの受注回復本格化、光学薄膜向けの増加も期待され、増収増益に転ずるとみられる。24/8期はベトナム第2工場が23年9月に稼働を始める予定で、24/8期下期は受注拡大とともに生産拡大も可能となろう。

 

 またIDXは政府の研究開発投資に対する支援策の拡大から研究所向けの回復、重粒子線治療施設なども民生用では直流バイポーラ電源がベトナム工場で量産できる見通しで、IDXも収益拡大が期待される。全体として25/8期は改めて最高益更新を目指す動きとなろう。

 

 株価は23/8期会社予想EPS139.86円に対しPER10.3倍は東証スタンダード電機平均PER13.1倍に対し若干割安状況にあるが、RF電源国内最大手のダイヘンPER8.9倍、3位の京三製作所11.3倍と比較し大きな差は無い。23/8期は低迷も円安で多少利益上振れが期待され、24/8期以降、再度成長回帰が見込まれ、半導体産業向けに高周波電源を供給できる企業は世界でも少なく評価が高まるとみられポジティブ継続と考える。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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