第20回ABC inシェムリアップ現地からの報告その1 開幕とDaramicスピーチ

今回で20回目となるアジア電池会議&展示会(20th Asian Battery Conference and Exhibition (20ABC) がISLCとは異なる会場で開催された。こちらは電池メーカーおよび電池部品メー カー、設備メーカーなどが中心となり750名の参加者とISLCの3倍ほどの規模。
ABCでもチェアマンを努めるマークスティーブンソン氏は4年ぶりに対面で開催すること ができて大変喜ばしい、と挨拶。
今回は技術とビジネスのバランスに重点を置き、今回のプログラムを組んだという。45人 以上のスピーカーが発表するにあたって、足元のマーケット状況については、世界のすべ ての地域をカバーするようにした。 今回のエキシビジョンでは130社が展示ブースを設けた。
その後に鉛業界に長年貢献したということで豪州CSIROのDavidRand氏を表彰した。インドの鉛亜 鉛協会の会長であるパグ―氏は彼のことを「歩く大学、歩く百科事典である」と賞賛した 。
その後
ABCのエグゼグティブプラチナスポンサーであるDaramic社のシニアバイスプレジデントの Gonzalo氏が第20回ABC開幕を祝すとともに、同社の歴史を動画で紹介。
いまや鉛バッテリーセパレータ―では世界一の実績(シェアは70%以上)をもつDaramic社は元はPolypore USA という社名でセパレータを生産していた。同社は車載用の鉛バッテリー のセパレータに強みをもち、世界的な販売網をもっていったが、旭化成は自社のリチウムイオン電池向けのハイポア というセパレータをPolyporeの販売網にのせて販売していった。
さらにこのセパレータ市場でも、特に鉛バッテリー向けで圧倒的なシェアをもっていた Polypore社の製品(Daramic )販売網を獲得するべく、2015年に旭化成はPolypore社を 買収。社名もDaramicとなり現在に至っている。
ABCのトップスポンサーとして輝くDaramic社ではあるが 旭化成としてはこの巨大な買収が必ずしもプラスではなかった、といった話も聞く。
その2に続く。
関連記事: 蓄電池・鉛電池の国際会議 ABC、ISLCがようやく対面開催へ! 2023年9月カンボジアにて
(iruniverse tanamachi)
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