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ファナック(6954) 24/3Q1決算電話会議メモ ややネガティブ継続

24/3期予想を11.0%減収36.3%営利減に微増額調整も回復鈍く、25/3期回復も緩やか

株価3806円(11/1) 時価総額38177億円 発行済株1003,073千株

PER24/3期DO予(31.9X)PBR(2.16X)配当還元率60%   配当利回りDO予1.9%

 

要約

・24/3Q2同期比3.7%減収24.4%営利減、受注22.1%減と在庫調整長引き受注減で低迷続く

・24/3期予想を在庫調整の長期化から11.9%減収38.2%営利減に減額修正

・25/3期はロボット中心に売上拡大、FAの回復期待も収益性ではMIX悪化で利益伸び悩み

 

24/3Q2同期比3.7%減収24.4%営利減、受注22.1%減と在庫調整長引き受注減で低迷続く

 

 10/31に24/3Q2決算発表、同日電話会議が開催された。24/3Q2は売上高1969億円(同期比3.7%減、Q1比2.4%減)、営業利益339億円(同24.4%減、同4.1%増)、経常利益445億円(同20.6%減、同6.7%増)、税引利益336億円(同20.1%減、同10.8%増)、受注高1691億円(同22.1%減、同4.1%減)と収益低迷が続いた。但しQ1比では利益改善が見られ、ほぼQ1がボトムに。

 

 地域別売上を同期比で見ると中国、国内が減少。中国は418億円(27.1%減)で、FAが56.5%減、ロボマシン35.3%減と工作機械、スマホ向け等が低迷、ロボットも0.2%減と一服。なおQ1比でも全体で21.9%減と厳しさが継続している。一方、米国は544億円(16.4%増)、特にロボットが371億円(23.8%増))、サービス138億円(18.7%増)と自動化ニーズが旺盛、Q1比でも7.7%増と堅調。欧州も418億円(17.5%増)で、ロボット216億円(27.1%増)、サービス92億円(22.4%増)が牽引、Q1比でも1.8%増と増収を確保している。


 製品別では同期比較でロボット、サービスが増収となり、サービスは過去最大の売上となる。製品別最大売上部門のロボット(収益性では劣ると見られる)は960億円(18.2%増)で21/3Q3以降14四半期連続で前年同期比プラスを継続している。最大売上は米州で371億円(23.8%増)、欧州216億円(27.1%増)とEV関連需要が堅調、中国は216億円(0.2%減)とEV関連と再生エネルギー向けが高止まりに。収益性が高いとみられるFAは431億円(同期比32.5%減、Q1比13.2%減)に。中国が80億円(同期比56.5%減、Q1比20.3%減)と工作機械など設備投資低迷が継続、国内も工作機械受注減で108億円(同期比32.1%減、Q1比20.1%減)と低迷続く。


 受注は1691億円(同期比22.1%減、Q1比4.1%減)と2四半期連続で2000億円割れに。地域別では全地域同期比減、Q1比では国内を除き減少している。製品別ではサービスを除き減少、Q1比ではサービスが拡大継続、FAが4半期ぶり400億円乗せに。

 

 BBレシオは4四半期連続で1を割り込み、0.86まで低下、依然として下げ止まっていない。事業別ではロボットが0.74と、中国などの不信、米国も一服などで2期連続1割れ。FAは5四半期連続1割れもQ2で0.99と底打ちの可能性も。

 

 利益面では全体の減収影響に加え、収益性の高いと見られるFAの大幅減収影響でMIX悪化が大きく、売上総利益率が34.1%(同期比4.6ポイント悪化)も、Q2は材料不足、部材高などの影響が緩和、Q1比では1.5ポイント改善しており、収益性ではQ1がボトムとなっている模様。

 

 

24/3期予想を11.0%減収36.3%営利減に微増額修正も本格回復には時間要す

 

 会社側では24/3Q2の収益性改善を受け、24/3期予想を微調整、売上高7580億円(期初計画比615億円減額、7/28修正予想比77億円増額、11.0%減)、営業利益1219億円(同344億円減額、同36億円増額、36.3%減)予想とした。7/28の予想に対し、下期はほぼ計画通り、上期の増額分のみ反映した形に。

 

 部門別、市場別予想の開示はないが、Q3、Q4受注がQ2と同レベルに止まると判断している。中国ではPV関連が好調、EV関連は高水準を保っているとのことも、回復はまだ先で春節明けを見ないとわからないとのこと。FA受注については在庫調整が進んだものも緩やかな改善で、中国の比率が高く受注も大きな改善は期待できないとのこと。ロボットは在庫削減を実行中で受注は一服、中国では不振継続、欧米も景気スローダウンを受けて伸びが期待できない状況。従来、ロボット工業会よりも受注の落ち込みが小さかったがQ2には工業会並みの受注減となっている。但し人出不足、自動化ニーズがあり、同社はQ2ボトムで緩やかな回復を見込む。

 

 当面、受注状況が改善しない見通しから、会社修正予想並みの収益が見込まれる。なお利益面では為替前提を下期1$=125円から145円に変更しているが、円建て輸出が大半とみられ、円安による価格競争優位が市場の悪化で相殺されていると見られる。

 

25/3期はロボット中心に売上拡大、FAの回復期待も収益性ではMIX悪化で利益伸び悩み

 

 25/3期は世界なEV、自動化運転等の技術革新の進展で自動車向け自動化や高度化設備投資の拡大でロボット中心に拡大が見込まれるが、中国などEV向けで大きく伸びた反動も有り、大きな伸びとはならない見通し。FAについては国内外での工作機械受注の減少が24/3期での回復が見込めず、25/3期からの回復となる見通しで回復は下期にずれ込もう。但し今回、工作機械の加工に特化した制御装置からスマートファクトリーに向けて一新した最新CNCシステム「FANUC Series 500i-A」を発表、IoT・AI・デジタル技術を採用、別途開発したαi-D series Servoと組み合わせ加工性能とエネルギー最適化を両立、機械の複合化・自動化、機械設計の自由度向上等で工場全体のスマート化を担う。このため、新たなニーズの取込みがあれば下期には受注急回復はあり得る。ロボマシンについてはスマホの不調が続いており、とりわけロボショットの不振が大きく、同社シェアは保っているも低迷が長引こう。またロボドリルもスマホの向けの低迷、工作機械工業会受注と同じ傾向で、受注回復は25/3期上期にずれ、売上では上期まで不振が懸念される。なおサービスについては累積納入台数の増加から収益拡大が続こう。

 

 

 全体として25/3期の成長の中心はロボット事業とみられ、MIX悪化が継続、総利益率の改善が進まず利益の伸びは過去のような変化率とはならないと見られる。

 

 株価は受注低迷継続見通しを受け、10/30には年初来安値3603円を付けた。現在24/3期再修正予想EPS119.23円に対しPER31.9倍はプライム電機平均PER19.3倍に対し割高も、競合の安川25.4倍に対しても若干割高感があり、海外の制御機器メーカーのシーメンス11.0倍、ロボットのABB16倍に対しても割高感がある。来期も収益の伸びが半導体製造装置メーカーと比較し劣るとみられ、当面、ややネガティブ継続とする。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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