10月のアルミ概況および11月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2200-2400ドル ↑
スクラップ +5~10円(前月最終価格より) ↑
為替 145-150円 (一か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半 パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘で中東情勢を巡る懸念や米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長の発言を受けて米利上げ長期化への過度な警戒感が後退。9月の米CPIが期待したほど低下せず、米高金利政策の長期化観測からドル高・米国株の反落でリスク回避ムードが強まった。
・9月の米ADP雇用者数 結果 8.9万人予想 15.2万人 前回 18.0万人(17.7万人から修正)(前月比)などを嫌気しDOWN
10月15日時点で2176ドル(セツル)と月初価格か110.5ドルDOWNの前半締めとなった。
後半は10月の購買担当者景気指数(PMI)は総合が51.0と前月から上昇し、3カ月ぶりの高水準。製造業とサービス業も上昇し、ともに市場予想を上回ったなどのマイナス材料もあったが中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会はが1兆元(約20兆5千億円)の国債の追加発行を承認したを好感しUP
月末日 後半スタート価格90.5ドルUPの2252ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
150.58 → 150.51(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+13%の80万6639台
輸出は前年同月比+12.9%の38万9194台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+14.9%の24万3144台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.8%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,941 戸。
・前年同月比 6.8%減, 4か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,348千㎡。
・前年同月比 8.6%減, 8か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 +200%の282t
二次合金 -63.5%の652t
スクラップ -3.4%の3万5112t
アルミ缶 -16.1% 5998t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -26.7% 7万6878t
二次合金 +1%の8万6655t
スクラップ -12.3%の612t
合金スクラップ +5.8%の5306t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6% 14万903t 18カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -4.4% 6万3555t 5カ月ぶりマイナス
出荷 -4.4% 6万4703t 4か月ぶりマイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+13%の80万6639台
輸出は前年同月比+12.9%の38万9194台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+14.9%の24万3144台
内 乗用車 +12.4%
貨物 +12.3%
バス +51.6%
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.8%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 68,941 戸。
・前年同月比 6.8%減, 4か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,348千㎡。
・前年同月比 8.6%減, 8か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6% 14万903t 18カ月連続マイナス
板 類 8万5529t -8.6% 17か月連続マイナス
押出類 5万5374t -1.8% 21か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -4.4% 6万3555t 5カ月ぶりマイナス
出荷 -4.4% 6万4703t 4か月ぶりマイナス
●アルミ
【輸出】
新地金 +200%の282t
二次合金 -63.5%の652t
スクラップ -3.4%の3万5112t
アルミ缶 -16.1% 5998t
【輸入】
新地金 -26.7% 7万6878t
二次合金 +1%の8万6655t
スクラップ -12.3%の612t
合金スクラップ +5.8%の5306t
【見通し】
【自動車】
9月の自動車生産が+13%。10月国内販売台数が前年比+14.9%
9か月連続 生産,販売 共に回復の兆しあり今後に期待
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6% 14万903t 18カ月連続マイナス
前月に続き中国景気後退によるスマホ需要の低迷からから来月も期待薄
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -4.4% 6万3555t 5カ月ぶりマイナス
出荷 -4.4% 6万4703t 4か月ぶりマイナス
日本の自動車生産販売は堅調な中 5カ月ぶりに現況 今後に注視
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続きLME価格が2286-2252ドルとレンジ内傾向だった。中国筋の高買いにより在庫薄
需要面に関して
日本の自動車生産販売が堅調なこと、円安から輸入物が高くなってることから需要が引き締まっている。 LME価格の上昇による中国筋の高買も
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
流通【一次問屋】今月銅建値が128万から一時122万 最終125万下落傾向だった
在庫は今月も伸銅品生産減 発生減から在庫薄
需要面に関しては自動車生産販売の回復から一定の需要は出るが民生用途も中国を中心に需要の回復が遅れている一方中国への輸出は増えており国内需給は引き締まっている。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米FRBの金融政策
2、 中国の景気対策
1に関しては
10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったこと、失業率は3.9%と前月と同じ3.8%を見込んでいた市場予想を上回り、平均時給は前月比0.2%増で、市場予想(0.3%増)ほど伸びなかったことなどから12月に利上げはないのでは?
2に関して
消費は増加幅拡大も一部に弱さ、物価は前年比横ばい
10月24日、全国人民代表大会常務委員会第6回会議で1兆元の国債増発が承認された。
ことなどから一方的景気後退はないのでは?
これらを踏まえた今月のアルミ価格は 2200―2400ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては +5~10円程度と予想している。
関連記事
- 2025/05/16 アルミ合金&スクラップ市場近況2025#9 関税騒動一段落で原料と製品に明暗―スクラップ下げ止まり
- 2025/05/16 日軽金HD:25/3期決算説明会を開催。26/3期は増収増益予想。新セグメントに移行
- 2025/05/16 サンディエゴからの風 アーカイブ
- 2025/05/16 サンディエゴからの風4 アルミニウムの循環利用に焦点
- 2025/05/16 サンディエゴからの風3 ReMAのロビンウィナー会長に聞く
- 2025/05/15 2025年3月アルミ再生塊輸入統計分析 数量は3カ月連続で減少もQ1累計では前年横ばい
- 2025/05/15 アルコニクス: 26/3期は2期連続の増収増益へ/「長期経営計画 2030」を策定
- 2025/05/14 UACJ:決算説明会を開催。25/3期は増収大幅増益も26/3期は増収ながら減益予想
- 2025/05/14 住友電工:決算説明会を開催。26/3期は減収減益予想も中計目標は達成へ
- 2025/05/14 不二サッシ: 25/3期決算を発表、26/3期は増収増益へ