豪石油1位と2位が合併交渉 巨大企業誕生か、脱酸素化の中で生き残りかける
オーストラリアの石油首位のウッドサイド・エナジーと同国同業2位のサントスは12月7日、それぞれのホームページ上で、「両社が統合交渉を行っているとするメディアの報道を認める」との声明を発表した。世界が脱炭素化を進める中、従来型のエネルギー企業は生き残りを迫られている。
両社は声明で、「株主に新たな価値と機会を与えたい」としたものの、「交渉は初期段階にあり、当事者間の合意はなく、交渉が成立する保証はない」とした。
ロイター通信によると、両社の時価総額はウッドサイドが薬569億豪ドル、サントスが221億豪ドル。合計すれば790億豪ドル(約518米ドル、約7兆6000億円)程度になる。 Reinforz insightが5月に発表した2022年の世界の石油企業の時価総額ランキングでは、中国ペトロチャイナの約30兆円が首位。株式公開先の関係でランキングには載らないがサウジアラビアのサウジアラムコの時価総額は2兆ドル(約290兆円)規模とされている。両社が統合してもこれらに比べれば見劣りするものの、8位の米オキシデンタル・ぺトロニウム(7兆円)などは上回ることになりそうだ。現時点の世界ランキングでは、ウッドサイトが11位、サントスは23位。
世界の石油・ガス会社の時価総額ランキング
(社名は通称・Reinforz insightのデータを参考にIR Universeが作成)
2022年からのインフレに伴う原油相場の上昇を受け、石油大手の足元の業績は悪くはない。ただ、中長期的には脱炭素化の流れの中で先細り感を抱く企業が多く、従来型の石油企業の間では再編や統合の流れが加速している。ウッドサイドは2022年に豪英資源BHPの石油・ガス部門を買収。サントスも2021年にパプアニューギニア同業のオイルサーチを買収していた。
(IR Universe Kure)
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