電池材料メーカーXTC 電池材料確保に向け浙江電力と3年契約へ
BYDやContemporary Amperex Technologyを顧客に持つXTC New Energy Materialsは、浙江電力新能源(Zhejiang)とバッテリー正極用原料の長期供給を確保する契約を締結した。
国営厦門タングステン の一部門の一部門であるXTCは、今後3年間で8万トン以下の前駆体原料を購入する契約を浙江電力と結んだ。
具体的には、厦門に本社を置く同社は3年間で少なくとも1万トンのナトリウムイオン電池用前駆体を購入し、残りは三元リチウム電池用材料となる。
浙江電力が生産能力を増強することができれば、両社は取引の拡大について話し合う余地が生まれてくる。
浙江電力は主に三元リチウム電池用の前駆材料を製造しているが、エネルギー密度は低いが安全性の高いナトリウム電池用の材料も製造している。
この提携により、XTCは原材料の安定供給を確保できるようになるという。
一方、浙江電力は、今回の提携はXTCの製品の品質向上と海外輸出ルートの獲得に貢献し、XTCのナトリウム電池事業にも大きな成長機会をもたらすと述べている。
XTCは、9月にフランスの原子力エンジニアリング会社オラノ社と提携し、フランス北部のダンケルクに年産4万トンの三元リチウム電池用正極材を生産する合弁工場を建設すると発表しており、正極材事業の海外展開を進めている。プロジェクトの第一段階は2025年第4四半期に完成する予定。
年次報告書によると、XTCの昨年の三元系リチウム電池材料の売上高は前年比71%増の4万6400トンに急増し、総売上高のほぼ半分を占めた。同社の顧客には、CALBグループ、パナソニック、ゴーションハイテック(Gotion)などがある。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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