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ヴァ―レ幹部「ニッケル市場は28年まで構造的な赤字」 投資増観測が浮上も相反

 ブラジル資源大手ヴァ―レが、中長期のニッケル価格の低迷を予想した。ロイター通信は3月19日、同社幹部が「ニッケル市場が現在の供給過剰から2028年までに世界的な赤字に転落する」と予想したと伝えた。ヴァ―レを巡ってはインドネシア当局が同国での投資増を計画していると述べるなど、同社を巡る報道には相反する部分がみられる。

 

 

■24年は23万トンの供給過剰予測

 報道によると、予測はヒューストンで開催されたCERAWeekエネルギー会議でヴァ―レの幹部の一人が述べたもの。この幹部は、ヴァ―レ自身については「短期的な痛みはあるものの、長期的には利益が見込める」とも述べたという。

 

過去1年間のLMEニッケル価格の推移($/ton)

 

 ニッケルは、インドネシアでの増産が続く一方、中国の建設需要の減少などを受けて需給バランスが崩れ、2023年にLMEニッケルでおよそ4割下落した。3月20日現物価格は$1万7180/tonで、2月に付けた$1万5000台からは上げているものの、上値は重い。

 一方、供給過剰状態は当面、続く見通しだ。2023年秋にポルトガルで開催された国際ニッケル研究会(INSG)での報告によれば、2023年は22万トン、2024年も23万トンの供給過剰が見込まれている。

 

関連記事: 【年末企画・ニッケル】下落の一途と供給過剰の継続 | MIRU (iru-miru.com)

 

■インドネシアでMHP向け巨額投資?

 一方で、ヴァ―レを巡っては生産増の期待もある。ロイター通信は3月18日には、インドネシアの投資当局が、「ヴァ―レのインドネシア子会社が、インドネシアで30兆インドネシアルピア(約2900億円)相当の追加投資を計画している」と明かしたと伝えていた。

 投資対象となるのはヴァ―レが運営するインドネシア・スラウェシ島の高圧酸浸出プラント。ニッケル鉱石を、電気自動車(EV)のバッテリー製造に使用される混合水酸化物沈殿物(MHP)に変える設備を整備する計画という。完成すれば、MHPの形状で年間6万トンのニッケルを生産できる。インドネシア側は、ヴァ―レは既に自動車メーカーとの提携も模索していると話したという。ただ、ヴァ―レ側は報道に対しコメントしていないとも伝わった。

 

 ヴァーレを巡っては、2015年に起きたブラジルのフンダンダムの崩壊に伴う訴訟が継続しているとも伝わる。3月に入り、「オランダの裁判所で30億ポンドの支払い申し立てがなされた」との報道があった。ニッケル価格の低迷戸崎裕不透明感が続く中、ヴァ―レを巡る報道も強弱が交錯している。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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