米中、コンゴで火花 米当局がジェカミンと定期協議、JOGMEC覚書の布石
コバルトの世界的生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)を巡り、米中が火花を散らしている。ロイター通信は3月29日、「米当局が、コンゴの国営鉱山会社ジェカミンと定期的に協議している」との米高官の話を伝えた。コンゴには金属生産から物流まで中国が囲い込みをはかる。資源を巡る大国の思惑が交錯している。
■定期協議、2月のJOGMEC覚書の布石に
関連記事:中国、コンゴを囲い込み 国有2社が70億ドルのインフラ投資、コバルト生産は世界首位 | MIRU (iru-miru.com)
米国とコンゴとの協議については、ホセ・フェルナンデス米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)がロイター通信に対するインタビューで語ったという。報道によれば、両国の協議は平均して4週間から6週間ごとに行われ、供給契約や、ジェカミンが開拓を検討しているコンゴの新規鉱山やその他のプロジェクトについて話し合われていると伝わった。
フェルナンデス米国務次官によれば、この定期協議が2月のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とジェカミンとの覚書締結につながったという。この覚書は12カ国以上と欧州連合(EU)がグローバルサプライチェーンに投資する多国間協力組織「鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)」の活動の一環として発表され、日欧米によるコンゴへの投資が活発化するきっかけになるとされた。
■「米国の目的は中国の影響力相殺ではない」
米国はコンゴを中心とした資源国の取り扱いに細心の注意を払う。フェルナンデス米国務次官はインタビューで、「(コンゴやザンビアといった資源国は)かつて行われたような外資による環境破壊を警戒している」と指摘した。
一方で、今後を侵食する中国については「サプライチェーン(供給網)の偏りは良くない」とした。その上で、米国の目的は「アフリカの重要鉱物産業における中国の影響力を相殺することではなく、米国のサプライチェーンを多様化し、資源国に鉱業基準の引き上げを奨励することだ」と話したと伝わった。
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/06/17 日本国内ケーブルPSIレポート#30光ファイバ 光ファイバ生産量回復続く
- 2025/06/17 国内伸銅品PSI実績Report #62 2025年1-4月 4年ぶりに前年の販売量を上回る
- 2025/06/17 国内電気銅PSI Report #29 伸銅品向け販売量増加 電線・ケーブル向け減少
- 2025/06/17 ハフニウム輸入Report#5 2025年輸入量増加 中国以外からの輸入が占める
- 2025/06/17 二次電池輸出入Report #183鉛蓄電池輸入 韓国中国からの輸入堅調 台湾増加に転じるか
- 2025/06/17 産業用ロボット輸出Report#78 米中向け輸出増加続く 欧州と中国以外のアジア向け輸出回復待ち
- 2025/06/16 中国の研究者、塩湖からのルビジウム抽出に成功 鉱石の対外依存の低下に貢献か
- 2025/06/16 動き出す「金属盗対策法」――指定金属切断工具の隠匿携帯には罰則
- 2025/06/16 レアメタル千夜一夜 第46夜 レアアースよりも足元で深刻な元素Sb
- 2025/06/16 レアメタル千夜一夜 第45夜 値上がり率N0.1のアンチモン