三菱 UFJ 社員食堂の廃食用油を航空燃料(SAF)へ〜金融業界初
廃食用油の供給及び利用に関する基本合意書を締結
株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(代表執行役社長 亀澤 宏規 以下MUFG)の連結子会社である株式会社三菱 UFJ 銀行(取締役頭取執行役員 半沢 淳一 以下 三菱 UFJ 銀行)、日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長 CEO 佐藤 雅之 以下 日揮 HD)、株式会社レボインターナショナル(代表取締役 越川 哲也 以下 レボインターナショナル)、ならびに合同会社 SAFFAIRE SKY ENERGY(代表 秋鹿 正敬 以下 サファイア スカイ エナジー)の 4 社は、2 月 27 日付で廃食用油の継続的な供給及び利用に関する基本合意書を締結した。基本合意書を締結し、廃食用油を SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)製造に供給する取り組みは、金融業界で初めてとなる。
今後は、三菱 UFJ 銀行の拠点(支店、本部ビル等)に設置されているすべての社員食堂(全国 239 ヶ所)から排出される廃食用油(年間引取見込量約 22,000 リットル)をレボインターナショナルが収集し、サファイア スカイ エナジーが計画する SAF 製造装置向けに引き渡す。サファイア スカイ エナジーは、2024 年度下期~2025 年度初頭の生産開始を目指し、大阪府堺市で建設中の日本初となる国産SAF の大規模生産プラントにおいて、レボインターナショナルから引き取った廃食用油を原料としてSAF の製造を行う。日揮 HD は、廃食用油を原料とする SAF 製造事業に関するサプライチェーンの全体構築を行う。
MUFG は 2021 年 5 月に公表したカーボンニュートラル宣言において掲げた、「2050 年までの投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量ネットゼロ」という目標の達成に向けて、顧客とのパートナーシップを通じた環境負荷低減に取り組んでいる。その一環として進めてきたのが、航空業界の脱炭素化に必須とされる SAF のサプライチェーン構築に向けた支援です。2023 年 5 月には国内初となる SAF 製造プラント(愛知県田原市)向けのグリーンローンを組成したほか、取引先の紹介をはじめとした原料収集ネットワークの構築支援にも取り組んでいる。今般の三菱 UFJ 銀行社員食堂の廃食用油引取開始は、こうした SAF 原料収集ネットワーク強化の一端を担うものだ。
この廃食用油引取開始は、SAF 製造という先進的な取り組みを進める顧客の原料調達を下支えすることで、航空業界の脱炭素化に貢献すると同時に、MUFG 自身のサーキュラーエコノミーへの移行を一歩進める、多面的な意義を有するもの。日揮 HD、レボインターナショナルは、コスモ石油株式会社と共同で国内での廃食用油の収集から SAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向け事業化の検討を進め、2022 年 11 月 1 日付で新会社サファイア スカイ エナジーを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約 3万キロリットルの SAF の供給を目指している。なお、同事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より採択を受けた助成事業になる。
(IR universe rr)
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