5月の銅の概況及び6月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル →
建値 151万-171万円 →
為替 155~159円 (1か月間TTM) レンジ内
■国際概況
FOMCで市場の予想通り、6会合連続で政策金利を据え置き。パウエル議長は「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低い」とハト派的な姿勢も示したなどのマイナス材料もあったが4月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったものの、3月分は下方修正され、物価の上振れへの過度な警戒が薄れたこと、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)結果 67.4 予想 76.3 前回 77.2 などを好感しUP
月末日 スタート価格から46ドルUPの10016ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
158.97 → 157.74(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると4月の自動車生産台数は前年比-10.3%の61万227台
輸出は前年同月比-0.6%の34万5411台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると5月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2.4%の20万1643台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
4月の新設住宅着工は,持家が減少したが,貸家、分譲住宅が増加したため、全体で前年同月比13.9%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比15.8%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 76,583 戸。
・前年同月比 13.9%増, 11か月ぶりの増加
○新設住宅着工床面積は 5,766千㎡。
・前年同月比 9.1%増, 15か月ぶりの増加
○季節調整済年率換算値では 880千戸。
・前月比 15.8%増, 4か月ぶりの増加
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 +22.5%の5万4350t
スクラップ +16.3%の3万5128t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +7.7%の252t
スクラップ +1.9%の1万94t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
4月伸銅品生産量速報値は5万4,840トン、前年同月比0.1%増加だった。28か月ぶりにプラスに転じた。2年以上の長いトンネルを抜けた。ただ、まだコロナ前の水準に戻っていない。
品目別に見ても、14品目中9品目が前年同月実績を上回った。上回った数としては2021年以来の多い数だった。ただ、2021年は前年の新型コロンウイルス感染拡大の影響を受けた反動の年だった。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比+2.5%の51500t
うち 国内+1.8% 輸出が +61%
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると4月の自動車生産台数は前年比-10.3%の61万227台
輸出は前年同月比-0.6%の34万5411台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると5月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2.4%の20万1643台
【住宅着工戸数】
4月の新設住宅着工は,持家が減少したが,貸家、分譲住宅が増加したため、全体で前年同月比13.9%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比15.8%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 76,583 戸。
・前年同月比 13.9%増, 11か月ぶりの増加
○新設住宅着工床面積は 5,766千㎡。
・前年同月比 9.1%増, 15か月ぶりの増加
○季節調整済年率換算値では 880千戸。
・前月比 15.8%増, 4か月ぶりの増加
【伸銅品生産】
4月伸銅品生産量速報値は5万4,840トン、前年同月比0.1%増加だった。28か月ぶりにプラスに転じた。2年以上の長いトンネルを抜けた。ただ、まだコロナ前の水準に戻っていない。
品目別に見ても、14品目中9品目が前年同月実績を上回った。上回った数としては2021年以来の多い数だった。ただ、2021年は前年の新型コロンウイルス感染拡大の影響を受けた反動の年だった。
伸銅品の各用途別の需要概況は、伸銅品の回復をけん引している自動車向けが、年初来話題となってきたデータ不正問題に端を発した国内自動車の減産による伸銅品の生産への影響が、4月になって見えなくなってきた。ただ、まだ一部で影響が残っている。一方、建設関係は、大型物件があるが、個人住宅などの需要がまだ低調である。
銅条
同比20ヶ月ぶりにプラスに転じる。半導体向けの需要は、車載頼みとなっている。スマートフォン向けは、米国と中国、韓国メーカの新型モデルに支えられている。
黄銅棒
同比28ヶ月連続マイナス。住宅着工件数が伸びない
【電線】
前年比+2.5%の51500t
うち 国内+1.8% 輸出が +61%
【輸出】
電気銅 +22.5%の5万4350t
スクラップ +16.3%の3万5128t
【輸入】
電気銅 +7.7%の252t
スクラップ +1.9%の1万94t
【見通し】
【自動車】
4月の自動車生産が-10.3%。5月国内販売台数が前年比-0.6%
4か月連続減少 ダイハツ トヨタ問題による生産販売低迷ではあるが減少幅が縮小
来月以降回復との予想
【伸銅品生産】
4月伸銅品生産量速報値は5万4,840トン、前年同月比0.1%増加だった。28か月ぶりにプラスに転じた。2年以上の長いトンネルを抜けた。ただ、まだコロナ前の水準に戻っていない。
品目別に見ても、14品目中9品目が前年同月実績を上回った。上回った数としては2021年以来の多い数だった。ただ、2021年は前年の新型コロンウイルス感染拡大の影響を受けた反動の年だった。
伸銅品の各用途別の需要概況は、伸銅品の回復をけん引している自動車向けが、年初来話題となってきたデータ不正問題に端を発した国内自動車の減産による伸銅品の生産への影響が、4月になって見えなくなってきた。ただ、まだ一部で影響が残っている。一方、建設関係は、大型物件があるが、個人住宅などの需要がまだ低調である。
【電線】
前年比+2.5%の51500t
うち 国内+1.8% 輸出が +61%
4カ月連続プラス 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】
銅建値が156万から一時175万へ急騰その後169万に
前月在庫は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
需要面に関しては引き締まり。
自動車生産量は28カ月連続減少だが来月以降の回復期待から
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1.米FRBの金融政策
5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数(48.7)が前月から悪化、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(49.6)以下だった。好不況の境目とされる50を2カ月連続で下回り4月の米建設支出も前月から減少したことから米利下げ観測再燃した今後も景気減速を示す指数がでる可能性もあり潮目が変わるかも(利下げ方向へ)。
2.日銀の金融政策
植田和男総裁が参院財政金融委員会に出席し、金融政策について発言。
今月の金融政策決定会合でなんらかのアクションを起こすことを意識した発言だが、これまでよりも踏み込んでいる感じはない」との受け止めがあり、日銀総裁の発言は今のところ円相場への影響は限られている。
ことから155―159円でのレンジ内に動きになるのではないか。
これらを踏まえた今月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は155円~159円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては151万-171万円程度と予測している。
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