6月のアルミ概況および7月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2400-2600ドル ↓
スクラップ ―5~ ―10円(前月最終価格より) ↓
為替 160-165円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
インフレ指標(米消費者物価指数、CPI)が予想以上に減速し、米連邦準備理事会(FRB)が年内に複数回利下げするとの期待が高まったこと、6月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は65.6と、前月の69.1(確報値)から低下した。市場予想の72.0を下回った。昨年11月以来の最低水準で、3カ月連続の低下となったことによる利下げ機運
などのプラス材料もあったが5月の中国・鉱工業生産高が事前予想より弱気の数字となったことも弱材料視されたこと
PCEデフレータ(5月)結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.3%(PCEデフレータ・前月比)
を嫌気しDOWN
月末日 スタート価格192ドルDOWNの2485ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
157.74 → 162.07(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+4.4%の61万6678台
輸出は前年同月比-0.3%の27万9655台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-7%の24万1561台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家、分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比5.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比7.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 65,882 戸。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○新設住宅着工床面積は 5,198千㎡。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○季節調整済年率換算値では 813千戸。
・前月比 7.6%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 -6.6%の225t
二次合金 +73.7%の761t
スクラップ -14%の2万8768t
アルミ缶 -5.7% 5296t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 +5.8% 10万1579t
二次合金 -7.7%の7万8961t
スクラップ +6.9%の1033t
合金スクラップ -30%の6658t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +1.2% 14万329t 3カ月ぶりプラス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 5万8633t 3カ月ぶりプラス
出荷 +8.2% 6万235t 5か月ぶりプラス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+4.4%の61万6678台
輸出は前年同月比-0.3%の27万9655台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-7%の24万1561台
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家、分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比5.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比7.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 65,882 戸。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○新設住宅着工床面積は 5,198千㎡。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○季節調整済年率換算値では 813千戸。
・前月比 7.6%減, 先月の増加から再びの減少
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +1.2% 14万329t 3カ月ぶりプラス
板 類 9万380t +2.1% 2カ月連続プラス
押出類 4万9949t -0.4% 29か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 5万8633t 3カ月ぶりプラス
出荷 +8.2% 6万235t 5か月ぶりプラス
【輸出】
新地金 -6.6%の225t
二次合金 +73.7%の761t
スクラップ -14%の2万8768t
アルミ缶 -5.7% 5296t
【輸入】
新地金 +5.8% 10万1579t
二次合金 -7.68%の7万8961t
スクラップ +6.9%の1033t
合金スクラップ -30%の6658t
【見通し】
【自動車】
5月の自動車生産が+4.4%。6月国内販売台数が前年比-7%
販売が5か月連続減少 ダイハツ トヨタ問題による販売低迷ではあるが生産が5カ月ぶりに回復した。
来月以降さらに回復との予想
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 +1.2% 14万329t 3カ月ぶりプラス
住宅着工の増加により来月に更に期待
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 5万8633t 3カ月ぶりプラス
出荷 +8.2% 6万235t 5か月ぶりプラス
ダイハツ トヨタ問題による低迷から数カ月ぶりに回復
来月以降さらに回復との予想
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月から一転LME価格が2677から2465.5ドル台と下落傾向だった。中国への輸出低迷から在庫増
需要面に関して
前月から更にダイハツトヨタ問題や 需給がでてるものの中後への輸出低迷で
需要は飽和状態。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1.米FRBの金融政策
米6月の非製造業(サービス業)景況感指数が48.8と5月(53.8)から低下し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(52.8)を下回った。2カ月ぶりに好不況の境目である50も割り込んだ。
また6月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比で15万人増と、市場予想(16万人増)を下回ったことから
潮目が変わるかも(利下げ方向へ)
2.日銀の金融政策
財務省の神田真人財務官は行き過ぎた動きには必要な対応を取っていく」と投機的な動きをけん制したものの現在162円付近と防衛ラインとされる160円をあっさり割り込んだ。
次の防衛ライン165円までは一旦落ちる可能性あり
160―165円でのレンジ内に動きになるのではないか
これらを踏まえた今月のアルミ価格は 2400―2600ドル(セツル)との予想。
ドル円値は160円~165円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては -5からー10円程度と予想している。
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