欧州EV化を支えるかRio TintoセルビアJadar Valleyリチウム鉱山再開
セルビアの欧州最大規模の1億トンの埋蔵量が期待されるJadarValleyのリチウム鉱山開発プロジェクトが7月再開されたとBBCが8月12日電子版で伝えた。
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欧州は現在リチウムを中国などの輸入に依存しており、今後2020年のリチウム輸入量の60倍の規模の需要が予測されている。欧州ではリチウム鉱山開発が現在20ヵ所で検討されているが、未だそれらの開発は着手されていない。
欧州のEV化に必要なリチウムをセルビアのリチウム鉱山は2004年Rio Tint ExplorationがJadar VallerでJadariteを発見した事に遡る。Jadariteは白色の単斜晶系ケイ酸塩鉱物(monoclinic silicate mineral)で、ナトリウム・リチウム・ホウ素・ケイ酸塩・水酸化物(sodium lithium boron silicate hydroxide(LiNaSiB3O7(OH) 若しくは、酸化ナトリウム・酸化リチウム・ケイ酸塩・ホウ素酸化物(Na2OLi2O(SiO2)2(B2O3)3H2O)で主にリチウムとホウ素が含有されている点が特徴の鉱物である。
Jada Valley鉱山は、埋蔵量が1.18億トンで1.8%のJadariteが含有されており、2028年から鉱山が採掘を予定していたが、国内で反対運動が起り、セルビア政府は2022年Rio Tintoの開発許可を取り消していた。
Jada Valleyの場所はセルビアの最西端でボスニア・ヘルツエゴビナと国境を接する位置にある。
セルビアと言う国をご存じだろうか。テニスのジョゴビッチ選手の国である。
筆者が30代に行った時はユーゴスラビアと言う国であった。沢山の文化が異なる国を統合していた多民族国家で、首都はベオグラードであった。セルビアの首都も現在ベオグラードである。ユーゴスラビア時代にBOR銅製錬所へ銅製錬技術を売る仕事で訪問し、昼食時に契約交渉のキ-パースンの所長さんに小さなグラスで透明なお酒を何杯も勧められて、契約条件は相手の言うままにOKする結果になった事を想い出した。
その訪問の際にBOR銅製錬所の作成したチトー大統領の顔の金貨を1枚4万円で購入したら、同行した商社マンから金色が薄い金貨を購入する価値が有るのか訊ねられた。数年前に以前勤務していた会社へ世界に稀な今は存在しない国の金貨を売った所、何と2万5千円の価値と言われ、愕然とした事も思い出した。今は懐かしい思い出である。
(IRUNIVERSE Katagiri)
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