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ダイセキ環境ソリューション(1712) 25/2H1決算説明会メモ ややポジティブ継続

25/2期は大型案件の反動減で26.4%減収19.6%営利減も大型受注獲得で上振れ期待

株価1155円(10/4) 時価総額194億円  発行済株16,827千株

PER(25/2期DO14.2X)PBR(1.14X)配当(25/2予)14円  配当利回り:1.2%

 

要約

・25/2H1は前期大規模土壌処理案件の反動減で34.6%減収38.7%営利減もほぼ計画線

・25/2期予想に変更はなく26.4%減収19.6%営利減予想もQ2末に大型案件受注し増額期待

・中期経営計画で27/2期に売上高228.06億円、営利23.96億円目指す

 

25/2H1は前期大規模土壌処理案件の反動減で34.6%減収38.7%営利減もほぼ計画線

 

 汚染土壌調査から浄化処理まで一貫事業展開するダイセキグループの一員。10/1に25/2H1決算が開示され、10/2に決算説明会が実施された。25/2H1は売上高69.07億円(期初計画比2.32億円増額、34.6%減)、営業利益10.67億円(同0.14億円増額、38.7%減)と前期大規模土壌処理案件の反動減を織り込みほぼ計画通りで着地した。

 

 事業別では主力の土壌汚染調査・処理事業が売上高61.50億円(期初計画比2.50億円増額、46.7%減)、営利8.93億円(51.1%減)となった。中京エリアでは工場再開発案件の一巡、コンサル営業に重点を置きすぎた問題もあって12.64億円(同1.95億円未達、75.6%減)とQ2から方針修正も大幅未達に。関東は大規模工場地中埋設廃棄物・汚染土壌撤去工事の収束で29.48億円(同3.06億円増額、22.3%減)、関西では大規模工場廃棄物撤去コンサル案件などが期ずれし15.66億円(同2.70億円増額、13.0%減)、岐阜3.54億円(1.32億円未達、55.1%減)と工事が進まず停滞など、全地域で低迷した。なお土壌処理量は33.8万トン(45.0%減)、浄化処理トンは8.0万トン(42.4%減)と、処理量でも大幅減に。地域別で中京が減額、その他は増額、全体では計画並みで、利益も計画線で推移した。

 

 資源リサイクル事業は売上高27.73億円(同0.19億円未達、26.7%増)、営利570億円(26.1%増)と、杉本商事が前Q2より連結されているため、これを除くと売上高は17.09億円(0.9%増)となっている。このうち廃石膏ボード事業は売上高12.30億円(同0.39億円増額、9.1%増)。グリーンアローズ中部が8.53億円(同0.53億円増額、20.3%増)、とボードの入荷量が2.79万t(2.9%減)と減少も高単価品2.1%増と上昇、利益も横ばいを確保した。九州は3.76億円(同0.13億円未達、9.8%減)と入荷量は3.1%増加も単価下落、広域集荷でコスト高などもあり減収減益に。その他事業のPCB事業は売上高3.13億円(同0.47億円増額、27.8%増)、BDF1.30億円(同0.64億円未達、0.3%減)など。取扱量が増加し、利益の持ち直しが進んでいる。杉本商事は10.64億円(同1.52億円増額)と猛暑からPET回収処理の好調が寄与した。

 

25/2期予想に変更はなく26.4%減収19.6%営利減予想もQ2末に大型案件受注し増額期待

 

 25/2期会社予想に変更はなく、売上高177.54億円(26.4%減)、営業利益22.44億円(19.6%減)、経常利益22.51億円(20.1%減)、税引利益12.72億円(28.6%減)予想を据え置いた。事業別売上で主力の土壌汚染調査・処理事業が売上高124.34億円(36.2%減)、営業利益20.78億円(23.9%減)と予想。名古屋地区で大型案件がなく35.70億円(51.4%減)、東京は高水準も東京以外は低調で51.62億円(30.9%減)、関西は26.89億円(13.3%減)と下期に他地域より落ち込みを低く見積もっている。処理量前提も94.5万t(8.7%減)を見込む。利益面では減収影響に加え大型案件が乏しくMIX悪化もあり大幅減益予想。但し足元で、Q2に関東で41億円の大型受注を獲得、案件は工場跡地の再開発でマンションへの展開物件とのこと。このため下期に多少の増額期待がある。

 

 廃石膏ボードは売上高25.93億円(7.1%増)、営利ほぼ横ばい(0.01億円増)予想。中部は17.88億円(8.2%増)とフル生産状況で、新たな工場用地取得を計画している。利益面で昨年Q2から連結対象となった杉本商事は通期連結で売上高18.24億円(21.3%増)、利益も増益を見込むが、25/2H1でPET好調から増額となっており、通期でも増額が期待される。

 

 全体として土壌汚染調査・処理事業で大型案件が乏しい前提でスタートも、Q2に41億円の大型受注を獲得、会社計画に対し多少の上振れが期待される。

 

中計目標として27/2期に売上高228億円、営利23.96億円目指す

 

 中期計画として27/2期に売上高228億円、営利23.96億円を目指す。売上見通しで27/2期まで伸びを大きく見込まないのは、主事業である土壌汚染調査・処理事業で大きな案件がないとの判断のため。但し、従来問題となっていたリニア新幹線遅延も静岡県鈴木知事誕生で迅速な対応が進んでいること、石破新政権下で復興、地域事業などへの予算重視も見込まれ、26/2期以降は前倒しでの収益拡大があり得る。

 

 廃石膏ボード事業は九州の能力増強に加え、中部も新工場設置で2026年以降に能力増強効果が期待、増収増益が続く見通し。加えて石膏ボードはリサイクル及び適正処理を推進していくことが強く求められ、解体系廃石膏ボードをリサイクルする仕組みの確立、建設リサイクル法において「特定建設資材」に指定する動きがある。この実現ともなれば、同事業も拡大加速が期待される。さらに杉本商事グループの取込みで新たな事業ソリューションが加わり、ソリューションの幅が広がる。但し、現状で具体的にM&Aなどによる増収効果が不確実なため、26/2期の同部門の売上達成は不安がある。

 

 株価は25/2期予想が大幅減益予想となったことで急落、4/30には856円の安値更新となったが、その後は5/27には静岡県知事交代などもあり株価は上昇、その後も8/5の暴落時も安値を割らずに推移した。10/1の25/2H1発表でQ2に大口受注獲得があったこと、今後、万博での関西事業の拡大期待、さらに石破新政権下での復興、防災予算の拡大期待から10/3に1205円の年初来高値更新となっている。現在、25/2期会社予想EPS75.71円に対しPER15.3倍は同社安値平均PER14.5倍を若干上回り、東証スタンダード建設平均PER

 

 11.4倍と比較しやや割高になっている。今回25/2期がQ2の大型受注で多少増額が見込まれること、加えて新政権やリニア前進などのプラス要素もあり、中計見通し実現に不確実要素が多いものの潜在的に加算される要素も多く加えてダイセキとの連携売上が急拡大する可能性もあり、新値更新で割安感は薄れているものの、ややポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

 

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