小型EVの性能は十分、乗車定員の拡大に期待―Lean Mobility特別試乗会

Lean Mobility(リーンモビリティ、愛知県豊田市、谷中壯弘社長)は1日、事業パートナー候補者やメディア関係者を対象に、都市型小型EV「Lean3」(リーンスリー)の試乗会を実施した。性能は十分だと感じたが、現状の国内の制度では2人乗りが不可である点が惜しいと感じた。制度変更や技術革新により、乗員定員が拡大することを期待したい。
「Lean3」は全長2470×全幅970×前高1570 mm。一般的な乗用車の約3分の1のサイズでありながら、エアコン付きの2人乗りを実現した車両。最先端のセンシング技術と制御技術により、安全で快適なドライブ体験を提供する。リン酸鉄リチウムイオン電池を使用しており、容量は8.1kwh。AC100V約7時間のフル充電で約100㎞の走行が可能だという。価格は100万円弱での販売を想定している。
筆者が実際に試乗し感じたことは、「想像以上に運転しやすく快適」であることだ。おそらく、普通自動車第一種運転免許を取得しているドライバーであれば、誰でもその日のうちにスムーズができることだろう。操作方法も普通自動車と同様で、D(ドライブ)ボタンを押し、フットブレーキを解除し、アクセルを踏めばスムーズに発進する。
「Lean3」の社内
運転面で異なる点があるとすれば、前輪2輪、後輪1輪の3輪構造(後輪モータ駆動)のため、カーブ時にはバイクのように車体が斜めに傾くことだろう。しかし、サスペンションとステアリングの制御技術のおかげか、とても心強い安定感を感じたため短所とはいえない。筆者はおっかなびっくりで慎重に運転したが、初体験ながら、ほぼベタ踏みで攻めたハンドリングをみせた参加者も少なくなかった。最高速度は時速60キロ(国内仕様)とのことだ。
100万円弱でこの性能であれば、ぜひ購入したいと感じたが、日本では現状、「原付ミニカー」としての登録なので乗車定員が1人となる点が残念で仕方ない。まずは台湾で2人乗り車両として展開予定とのことなので、現地で好評であれば、日本政府も小型EVの法整備の革新に向け動き出すかもしれない。
ただ、1人乗りのままだったとしても、運転席後方の座席は荷物置きとして使えば良いだけの話だ。車庫証明不要というメリットもあるため、国内市場での早期リリースが待望される。
なお、Lean Mobilityは同日、台湾を代表する自動車メーカーである中華汽車工業股份有限公司(CMC)とLean3の委託に関する覚書(MOU)を10月に締結したと発表した。「Lean3」の量産プロセスが大きく前進したほか、2025年の台湾市場投入やグローバル展開に向けた体制が強化されたといえる。
トヨタ自動車出身の谷中壯弘社長は、「Drive Lean, Live Life。この理念の下、私たちは効率的でムダのないモビリティの実現を目指しました。ここから2025年の市場に向けての両社の展開をさらにご期待ください」とコメントしている。
(IRuniverse K.Kuribara)
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