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大栄環境(9336)25/3H1WEB説明会 ややポジティブ継続

25/3期関西インフラ案件等寄与で7.5%増収4.4%営利増予想も増額期待で連続最高益へ

株価3010円(11/29) 時価総額3006億円    発行済株99892千株      

PER(25/3期DO予:21.2X)PBR(3.36X) 配当25/3予46円   配当利回り:1.5%

 

要約

・25/3H1は7.5%増収7.6%営利増と営利が若干上振れて着地

・25/3期予想に変更無く、廃棄物受入量拡大、M&A効果などで7.5%増収4.4%営利増予想

・100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」を実践

 

25/3H1は7.5%増収7.6%営利増と営利が若干上振れて着地

 

 1972年創業の一般・産業廃棄物の収集運搬、処理、リサイクル大手で最終処分場の保有で強味。25/3H1は売上高381.58億円(期初計画比1.58億円増額、7.5%増)、営業利益101.60億円(同3.6億円増額、7.5%増)と8~9月にかけて台風や豪雨で稼働率が一次悪化も、売上でほぼ計画通り、利益で若干上ぶれて着地した。

 

 事業別に環境関連事業が売上高368.36億円(同1.36億円増額、6.5%増)、営利103.40億円(同4.40億円増額、7.4%増)。主力事業の廃棄物資源循環が売上高326.70億円(同1.70億円増額、4.9%増)と、関西地区のインフラ開発案件が継続して増加、廃棄物受入が111.4万トン(0.1%増)と横ばいを確保した。一方、土壌汚染関連は売上高16.84億円(同4.16億円未達、23.9%減)となった。汚染土壌受入量は13.5万トン(33.1%減)と、前年同期に受注したインフラ開発に伴う汚染土壌処理案件の終了による反動減が影響した。利益面では継続的な内製化に伴うコスト削減効果が寄与し、増益を確保した。

 

 その他の環境関連は売上高13.22億円(同1.22億円増額、41.9%増)、営業損失1.19億円(同1.19億円拡大、0.73億円悪化)と、栄和リサイクルの解体工事受注、三木バイオマスファクトリー、伊賀メタン発酵施設などのエネルギー販売が寄与も、利益は解体作業の外注費増、有価資源リサイクルでのアルミ市況回復による原料仕入単価上昇影響が響く。 

 

 全体の営業利益の増減要因分析では、増収効果26.54億円に対しエネルギーコストの減少効果が3.28億円プラスに働き、一方で減価償却費、人件費増7.34億円、その他栄和リサイクルの外注費増など13.99億円コスト増があり、全体では内製化などのコスト削減が寄与し、営業利益の上振れとなった。

 

25/3期廃棄物受入量拡大、M&A効果などで7.5%増収4.4%営利増予想も増額期待

 

 25/3期会社予想に変更はなく、売上高785億円(7.5%増)、営利205億円(4.4%増)経常利益207億円(0.9%増)予想を据え置いた。セグメント別では環境関連事業が759億円(25/3H1進捗率48.5%、前期比6.9%増)、営利208億円(同49.6%、同3.7%増)予想。中心となる廃棄物処理・資源循環では売上高666億円(同49.0%、同5.5%増)予想となっているが、関西エリアでインフラ案件の大型開発工事の継続等で廃棄物受入増加が堅調に推移する見通しのほか、共同土木と栄和リサイクルのシナジー効果で関東エリアでも受入増加で受入量225万トン(2.3%増)と見込んでいる。25/3H1では8~9月の台風、豪雨の影響があった中で進捗率が悪かった要素もあると見られ、既に正常化に伴い、25/3H2で挽回稼働が行われるとみられ、多少ながら会社計画の上振れが見込まれる。また三重中央開発 三重リサイクルセンター第8期 管理型最終処分場について、当初2025年4月稼働予定であったが、1月稼働に前倒しできる見通しなども多少プラスに寄与しよう。一方、土壌浄化は売上高46億円(同36.2%、同2.1%減)と、高付加価値指向の中で最終処分場受入を抑制で寄与計画を下回るとみられる。その他環境事業は46億円(同52.8%、同45.6%増)と栄和リサイクルの取込みが寄与、売上では計画を上回るとみられる。

 

 営業利益の増減分析想定では、期初の想定では、増収効果で54億円プラス、人件費11億円、エネルギーコスト高5億円、加えて栄和リサイクルの外注費等の増加28億円などで微増益に止まるとしていた。しかし25/3H1ではエネルギーコストがエネルギーコストの軽減から3.28億円プラス寄与になっている。25/3H2についても同様な傾向と見られ、会社側でも少なくともプラスに寄与する見通しの感触で、会社計画に対し利益の増額が期待される。なお、7/1に関東地区の浦安清運(23/6期売上高5.83億円)、一般廃棄物再資源化事業を行うアイア(24/3期売上高0.12億円)のM&Aを実行、多少の寄与もある。このような状況から、25/3期収益も会社計画に対し多少の上振れが期待される。
 

100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」を推進


 同社は100年企業に向け、新たな価値を社会に届ける環境創造企業への進化実行を標榜、既存事業拡大とともに、特に自治体が抱える人口減少に伴う一般廃棄物焼却等熱処理施設稼働率低下、処理施設の建設コスト高騰等に伴い産業廃棄物と一体的に処理することで自治体の一般廃棄物処理のコストを軽減する公民連携(PPP)の拡大を加速する方針。また事業エリア拡大のため、M&A、カーボンニュートラルに向けた新事業取込みなどを積極的に実行する事で、中長期的にも収益拡大が続こう。

 

 

 株価は順調な収益拡大を受け、上昇を続けてきたが、25/3H1が利益上ぶれたものの25/3期予想を変更しなかった事などもあり、最近は3000円付近で小動きとなっている。25/3期会社予想EPS138.14円に対しPER21.8倍は、ダイセキの21.6倍とほぼ拮抗、TREの12.1倍より割高となっている。今回25/3期の収益を据え置いた事から、収益の上振れが見込まれ、26/3期以降も安定した収益の伸びが続くとみられることから、環境総合企業大手としてややポジティブ継続としたい。

 

*ダイセキ(9793)とTRF(9247)との比較

 

(H.Mirai)

 

 

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