フルヤ金属と旭化成 食塩電解用セル・電極の金属リサイクルに関する実証開始
クロールアルカリ業界における金属リサイクルのエコシステム構築へ
株式会社フルヤ金属(本社:東京都豊島区、社長:古屋堯民)と旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤幸四郎)は、4月23日、Nobian Industrial Chemicals B.V.(本社:オランダ・アメルフォースト、CEO:Michael Koenig)、Mastermelt Ltd(本社:イギリス・ロンドン、CEO:Rick Reidinge)と連携して食塩電解用のセルおよびその内部に組み込まれる電極に使用される金属リサイクルに関する実証を開始すると発表した。フルヤ金属は本取り組みを通じて、希少金属のリサイクルによりクロールアルカリ※1業界におけるエコシステム構築に取り組む。
4社が連携するセル・電極の金属リサイクルプロセスの概念図
食塩電解セルに使用される電極にはイリジウム・ルテニウムなどの希少金属が使用されている。イリジウム・ルテニウムは耐熱性、耐薬品性、電導性能などに優れており工業用素材としてエレクトロニクスや半導体、さらにはグリーン水素・エネルギーなどの様々な産業で用途が広がっている金属。フルヤ金属ではこれらの金属を40年にわたり取り扱い原料の調達から超高純度精製技術に加え、高度な加工技術とリサイクル技術、リサイクル能力をそなえ多くのお客様へ供給し高いグローバルシェアを得ている。年々需要が高まっているイリジウム・ルテニウムだが希少性が高いためにフルヤ金属ではこれらの金属を安定的に供給するために長年リサイクルによる効率的な利用に取り組んできた。
クロールアルカリ業界においては希少金属の安定確保と効率的な循環利用が課題として重要性を増しており、フルヤ金属は本取り組みによりクロールアルカリ業界の貴金属リサイクルプロセスの確立に貢献していく。
また、同取り組みでは、まず旭化成がNobianから耐用年数を迎えた電極を回収し、次にMastermeltとフルヤ金属において、電極からの触媒剥離と次工程に向けた剥離物の加工を行い、加工後の剥離物から貴金属を抽出・高純度化、そして旭化成がその貴金属を原材料とした触媒を塗布した電極を製造する。このリサイクル触媒電極を使用してNobianが食塩電解を行うことで、苛性ソーダと塩素の製造における資源循環が可能となる。このように、4社が連携し、使用済みのセル・電極から貴金属を含む金属を回収・再利用するリサイクルプロセスの確立を推進していく。
※1 クロールアルカリ:食塩水を電気分解して塩素と苛性ソーダを製造するプロセスで、有機物、無機物、医薬品、石鹸・洗剤などの多くの最終用途に使用されている。
(IR universe rr)
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