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漁網リサイクルのamu、初のオリジナルコレクションの発売へ―BtoBビジネスの足掛かりに

2025/07/15 17:20
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漁網リサイクルのamu、初のオリジナルコレクションの発売へ―BtoBビジネスの足掛かりに

「DEFUNEOKURI(出船おくり)」のデザインを説明する加藤代表

 

 

 amu(アム、宮城県気仙沼市、加藤広大CEO)は15日、漁師から回収した廃漁網を再資源化して生まれた素材「amuca®」(アムカ)を使用した初のオリジナルコレクション「Buddy Collection」(バディコレクション)の販売をクラウドファンディングサイト「Makuake」上で開始した。今回の販売を足掛かりに、将来的には廃漁網を含む漁具由来のぺレッドや生地をBtoBで販売する事業の確立を目指す考えだ。

 

 Buddy Collectionの商品に使用する生地の原料となるのは、宮城県気仙沼市で回収した廃漁網。機能性にこだわっており、潮風や水に強い撥水加工の生地のほか、錆びにくいプラスチック製のファスナー、ゴムでフィットするキャップなど、漁師の声から得たヒントを反映している。一般消費者層においてもアウトドア向けのアイテムとしての活用が期待される。

 

 

 

 

 14日に都内で開催された記者会見に出席した加藤CEOは、「Buddy Collection」というブランド名について触れ、「両氏の相棒(Buddy)だった漁網や漁具が、現代社会の荒波を乗り越え生きる別の誰かの“新たな相棒”になってくれれば」と思いを語った。

 

 デザインにも妥協はなく、気仙沼の文化を表現する2種類のテキスタイルデザイン「DEFUNEOKURI」「MURONEOROSHI」がTシャツやトートバック、お守りなどに採用されている。「DEFUNEOKURI(出船おくり)」とは長期の漁に出る船を乗組員の家族や友人が、航海の安全と大漁を願って岸壁から見送る行事のこと。今回のデザインは出航の際に船と岸壁の間に掛けるカラーテープがベースとなっている。加藤CEOは「これを着ることで何かの挑戦に対する後押しとなれば嬉しい」とコメントしていた。

 

 

 

 

 なお、そのほかのアイテムとしては、サコッシュやキャップ、サングラスなどを展開しており、サングラスは、マグロ漁で使用される釣り糸のテグスをリサイクルしたペレットを原料にしている。サングラス製作を担ったウチダプラスチック(福井県)の内田栄時氏は記者会見にオンライン参加し、「amu社の方々が何度も工場に足を運んでくれたおかげで、工場の生産体制や品番選びや色合いの選定など、細かな内容について、顔を突き合わせながら意見を交わし、商品化に取り組むことができた。世の中に胸を張れる良いものができたと思う」と自信をのぞかせた。同社は以前から福井の海岸に流れ着いたプラスチックごみを活用したサングラス制作を行っており、その活動と理念に共感したamuが声をかけて今回の共同制作が実現したという。

 

 

三栄コーポレーション服飾雑貨部の露木氏

 

 

 また、同じく今回の事業パートナーであり、商品のサンプル製作に携わった三栄コーポレーション服飾雑貨部の露木千春氏は、「(Buddy Collectionの)一番の魅力はストーリー性」と強調したうえで、「漁師さんのこだわりを入れつつも一般消費者の方々も欲しいと思えるようなデザインに仕上がっている」と述べた。

 

 手元に届くまでのストーリーを伝える「amuca®タグ」も「Buddy Collection」の特徴の一つであり、タグに記載されたQRコードを読み取ると、素材に使用された廃漁具の集積地域、提供者、回収量など詳しい情報を見ることができる。漁具調達から商品化まで一気通貫しているamuならではの取り組みといえる。

 

 

amu説明会資料より引用

 

【プロジェクト概要】

タイトル:「大海原を旅した漁網があなたの相棒に。廃漁網を再生したコレクションを、気仙沼から。」

リンク: https://www.makuake.com/project/amuca_buddycollection

開催期間:2025年7月15日(火)10:00 〜 9月29日(月) 22:00

目標金額:1000万円

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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