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アルミ合金&スクラップ市場近況2026#5 国産ADC、最高値の500円台到達、メーカーの原料買値は上物60円上げ――中東紛争が国内市況に直撃

2026/03/16 22:58
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アルミ合金&スクラップ市場近況2026#5 国産ADC、最高値の500円台到達、メーカーの原料買値は上物60円上げ――中東紛争が国内市況に直撃

 国内アルミ合金・スクラップ市況は、超異例の急騰相場の展開を見せている。製品の国産ADCは16日現在、2日比、40‐45円高の1キロ500‐510円で推移しており次元を変えた相場水準となっている。中東紛争がその主要因で、LME相場・対日向けの新地金プレミアム高を生み出し、問屋・メーカーのスクラップ買値に大きな水準訂正を迫っている状況だ。また同紛争により、中東産ADCの輸入停滞や、国際物流混乱などでの中国産ADCの輸入調達難問題も発生している。国内ダイカストメーカーは当然、その調整弁を国産ADCに求める公算が大きく、原料・製品ともに先高感のある相場となっており、一服感が漂っていたマーケットは、わずか2週間で大きく変貌した。

 

関連記事:アルミ合金&スクラップ市場近況2026#4 国産ADC、値上げラッシュ停滞――一服感漂うも上げ余地残す相場

 

 

 主要スクラップ市況は16日現在、上物の2S新切が2日比5円高の1キロ435円、ビス無しは同比持ち合いの同440円で推移している。裾物のビス付きは、同比5円高の同385円を付けている。一方、集荷競争が激しいUBCが、同比持ち合いの同345‐350円。各種スクラップまちまちの動きを見せており、LME相場や新地金プレミアムの急騰を完全に反映していない状況だが、「急騰相場のため足元は、様子見をしている状況。また、前月平均で原料集荷をしている問屋も多く、4月から現在の騰勢相場を映した市中買値になるのではと見ている」(関東問屋筋)という。一方、合金メーカーからは「新塊相場の先高観を意識し、一部の問屋は、(塩漬けとは言わないまでも)売り急がない姿勢を示している」との指摘もある。

 

2S新切り相場

アルミサッシ63(ビス無)相場

ビス付きサッシ(プレス品)相場

UBC相場

 

 そんな新塊相場だが、LMEは13日現在、直近の安値である5日比221.5ドル高の1トン3,520ドル(現物)で推移、スポットプレミアムは、同比100‐115ドル高の同250‐300ドルの水準となっている。また4‐6月の四半期ベースでもオファーは、「中東紛争前でも250ドルだったが、その後は100ドル高の350ドル」(市場関係者)との声があり、歴史的な高値決着となりそう。

 

LME現物相場と対日向けスポットプレミアム相場

 

関連記事:リオ・ティント 4-6月四半期の日本向けアルミニウムプレミアム価格引き上げか 350ドルでオファーとの報道

     中東紛争の影響で、26年4-6月対日アルミ新地金プレミアム交渉ストップ――紛争前に250ドルの提示

 

 スクラップの代替品として合金材料に使われる国内ベースメタルは16日現在、2日比50円‐45円高の1キロ450‐460円の水準にあり、「新塊相場の上げもそうだが、中東問題の影響で、海外のベースメタルを手当てできないことや今後の国産ADCの需要増を映した上げだ」(合金メーカー)という。海外原料のゾルバ(Metal97~98% CIF China)は同日現在、同比115‐140ドル高の1トン2,585‐2,660ドルと値を上げている。「LME相場に加え、世界的な集荷競争が背景。大口需要国であるインドは、中東のスクラップを積極的に集荷していたが、今回の紛争でそれが難しくなり、調整弁としてゾルバの集荷を強める可能性も否定できない」(商社筋)との向きもある。

 

国内ベースメタル相場

ゾルバ(Metal97~98% CIF China)相場

 

 内外含めスクラップ相場に先高観がある中、大手合金メーカーの16日発表の原料買取アナウンスは関東・関西ともに上物が60円上げ、裾物が40‐50円上げとなっており、歴史的な急騰だ。

 

 原料が大幅な急騰を見せる中、製品の国産ADC12は16日現在、2日比40‐45円高の1キロ500‐510円で推移しており、また一段違う次元の相場展開となっている。「中東紛争の影響で、国内ダイカストメーカーは同地域のADCを輸入できない。また紛争により海運の混乱が発生し、中国産ADCも調達しづらい状況で、国産品の需要増が発生している」(大手合金メーカーA)という。

 

 「紛争の影響を映し、5月の先物では550円の価格帯もある。しかし4月以降、原料のナイモノ高を加味すると合金メーカーとして供給責任を果たせる保証はない」(合金メーカーB)との深刻な声も挙がっている

 

国産ADC相場

 

 競合品の中国産ADCも16日現在、2日比520‐460ドル高の幅で水準を上げ、1トン3,400‐3,460ドルで推移している。1ドル=159円で換算すると、1キロおよそ556‐565円(諸掛り込み)になる。LME相場の急騰に加え「他国の輸入塊の連れ高やそれに伴った中国国内での消費の加速、そして日本向けの高値売りが背景だ。中国の関係者は、日本市市場の需給実態をチェックしており、売りの攻勢をかけている」(業界筋)という。

 

 他の輸入塊についても同日現在、マレーシア産が同比360ドル高の1トン3,380ドル、インド産は同比440ドル高の同3,360ドルと異例の急騰相場となっている。中東産は、取引が停止している状況。

 

中国産ADC相場

 

 当面の焦点は、当然、中東紛争の行方だ。日本のアルミ合金業界におけるADC12の需要は、国産品・輸入塊ともに約5割の比率でバランスが保たれている。そのような中で「ADC以外の合金も含めれば、日本は1月、UAEから約2万トン強を輸入しており、その量は中国、マレーシア以上。一方、ADC12の依存度はそこまで高くなかったが、紛争の影響でほかの輸入塊が調達しづらい状況で、全てを国産品でまかなうことは不可能」(合金メーカーB)との声も挙がっている。それを前提に「今後、自動車メーカーは生産調整を迫られる可能性も十分にある」(同)との悲観シナリオも叫ばれており、歴史的な急騰相場の中、状況は想像以上に深刻なようだ。

 

 

(IRuniverse G・Mochizuki)

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