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【貿易統計/日本】 2026年1月のモリブデン輸入推移統計
特殊鋼需給統計/時系列:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)
為替相場推移 TTS 3か月
(三酸化モリブデン詳細分析)
■数量面では、1月単月は2,690トンと前月(2,118トン)から増加し、前月比127%と続伸した。前年同月比でも104%と前年水準を上回り、年初は持ち直しの動きがみられる。
12月はチリ品の回復を主因に反発したが、1月はその流れを引き継ぎつつ、チリ品が1,900トン(前月比146%、前年同月比101%)と再び増加し、全体数量を押し上げた。
主だったところでは、
米国品は450トンと前月比132%、前年同月比119%と回復し、前月までの低調な動きから持ち直した。
メキシコ品は100トンと前月比63%、前年同月比56%と減少し、弱含みが継続。
チリ品は引き続き主力として数量を牽引し、全体の増加に最も寄与した。
**その他は240トンで前月比75%ながら前年同月比150%**と、前年低水準の反動もあり増勢となった。
全体としては、12月に続く回復基調が1月も継続し、特にチリ品と米国品の増加が全体数量を押し上げた。一方でメキシコ品の弱さは依然として残っており、地域別のばらつきを伴いながらの回復局面と整理できる。
「その他」240トン、内ベトナム80トン、韓国60トン、台湾60トンなど。
(表―1、グラフ―1)。


■数量構成では、12月→1月で再び構成の変化がみられた。
米国は16%→17%と小幅上昇、
メキシコは8%→4%へ縮小。
一方、チリは61%→71%へ大きく上昇し、7割超を占める圧倒的主力供給国としての比重を一段と強めた。
「その他」は15%→9%と低下。
その結果、主要3国(米国・メキシコ・チリ)の合計シェアは85%→92%へ上昇。1月はチリへの集中がさらに進み、供給構造が一段と偏重した月と整理できる。
(グラフ―2)。

■金額面では、1月単月は129億32百万円となり、前月(106億39百万円)から増加し、前月比122%と続伸。前年同月比でも112%と前年水準を上回り、年明けは堅調な立ち上がりとなった。
国別では、
チリが91億61百万円と前月比140%の大幅増となり、引き続き全体の押し上げ要因となった。
米国も22億20百万円と前月比130%で増加。
一方、メキシコは4億68百万円と前月比60%に減少し、
「その他」も10億84百万円と同68%で縮小した。
総じて1月は、チリと米国の増加が全体を牽引する一方、メキシコおよびその他が減少し、供給構成のチリ集中が一段と強まった月と整理できる。
(表―2、グラフ―3)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で前月キロ5,023円から4,808円へ低下し、2カ月連続の下落となった。
国別では、
米国品は5,011円から4,933円へ低下し、
メキシコ品も4,875円から4,676円へ下落と、北米2国はいずれも軟調。
チリ品も5,047円から4,821円へ低下し、前月の上昇から反転した。
結果として、**主要3国すべてが下落する全面安の展開となり、全体平均も押し下げられた。**為替は円安圏を維持しているものの、円ベースでの下落はドル建て価格の調整圧力が強まった可能性を示唆する。
(グラフ―4)。

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
足元の動きを踏まえると、三酸化モリブデン市場は数量面では回復基調、価格面では調整局面という二面性を帯びている。
まず数量面では、チリ品の増勢が鮮明であり、供給の中心は引き続きチリに集中する構図が続く可能性が高い。米国も持ち直しの兆しを見せており、全体数量は当面、高水準を維持しやすい地合いにある。ただし、メキシコの減少が示すように供給の偏重は強まっており、特定ソース依存による変動リスクはむしろ高まっている。
一方、単価面では主要国すべてが下落に転じており、これまでの上昇トレンドは一服。数量回復と並行した価格下落は、需給が緩和方向に傾きつつあることを示唆する。特にチリ品の増加は、供給圧力として価格を抑制する要因となりやすい。
このため短期的には、「数量は強いが価格は弱い」軟調安定局面が続く公算が大きい。もっとも、チリへの依存度が高まる中で、物流・鉱山トラブル・政策要因などによる供給ショックが生じた場合には、価格が再び急反発するリスクも内在している。
総じて、当面は需給緩和による価格調整を基本シナリオとしつつも、供給集中に伴うボラティリティ上昇に注意が必要な局面といえる。
(フェロモリブデン詳細分析)
■数量面では、1月単月は105トンと前月90トンから増加し、前月比117%、前年同月比172%と続伸した。12月の回復基調を引き継ぎ、年明けも持ち直しの動きが継続している。
内訳では、チリ品が80トンで前月比100%と高水準を維持し、引き続き主力を担った。一方、「その他」は25トンと前月比250%と大幅増となり、規模は小さいながらも増勢が全体を押し上げる形となった。
総じて、足元はチリを軸とした供給構造を維持しつつ、「その他」の増加が加わることで回復基調がより明確化している局面と整理できる。


■金額面では、1月単月は6億13百万円と前月5億45百万円から増加し、前月比112%、前年同月比179%と続伸した。12月の急反発後も増勢が維持され、年明けは堅調な滑り出しとなっている。
内訳では、チリが4億88百万円と前月比98%で高水準を維持しつつ横ばい圏。一方、「その他」は1億25百万円と前月比266%と大幅増となり、全体増加の主因となった。
総じて1月は、チリ中心の構造を維持しつつ、「その他」の急増が金額を押し上げる形で回復基調が一段と明確化した月と整理できる。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で前月キロ6,060円から5,839円へ低下し、2カ月ぶりに反落した。12月にかけての急伸局面から一転し、年明けは調整色が強まっている。
チリ品CIFも前月6,232円から6,102円へ低下し、高値圏を維持しつつも上昇一服となった。
為替は引き続き円安基調にあるものの、円ベースでの下落からみて、**ドル建て価格も調整局面に入った可能性が高い。**12月までの急騰を受けた反動に加え、需給の過熱感が一部緩和した動きと整理できる。
(グラフ―3)。

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
(モリブデン酸塩詳細分析)
1月は前月に引き継いで0トン。

(モリブデン酸化物・水酸化物詳細分析)
■数量面では、1月は244トンとなり、前月255トンから小幅減少(前月比96%)と反落した。前年同月比でも88%と前年水準を下回る。9月以降続いていた乱高下の中で、年明けはやや落ち着きを見せた格好。
主だったところでは、
・中国品は57トンと前月76トンから減少(前月比75%)、前年同月比でも51%と低調。
・米国品は1月も実績ゼロで、スポット的な不安定な供給が継続。
・チリ品は120トンと前月比120%で増加し、引き続き最大の供給源として全体を下支え。
・台湾品は19トンと、前月ゼロから回復。
・オランダ品は18トンで横ばい。
・インド品は30トンと前月60トンから減少(前月比50%)。
・「その他」は実績ゼロ。
総じて1月は、チリ品の増加が下支えする一方、中国・インドの減少が全体を押し下げ、小幅調整となった月と整理できる。依然として国別の出入りが大きく、供給構造の不安定さは継続している。
(表―1、グラフ―1)。

■金額面では、1月は13億69百万円となり、前月15億34百万円から減少(前月比89%)、前年同月比でも**88%**と前年水準を下回った。
9月17億29百万円 → 10月3億04百万円 → 11月8億65百万円 → 12月15億34百万円と持ち直してきた流れは、1月に入ってやや一服した格好である。
内訳を見ると、
・中国向けは12月446百万円 → 1月331百万円へ減少(前月比74%)、前年同月比51%と低調。
・米国向けは1月ゼロで、スポット的な動きが継続。
・チリ向けは12月586百万円 → 1月673百万円へ増加(前月比115%)、前年同月比118%と引き続き堅調で、当月最大の金額寄与国となった。
・台湾向けは12月ゼロから1月90百万円と実績が再開。
・オランダ向けは116百万円 → 80百万円へ減少(前月比69%)、前年同月比79%。
・インド向けは384百万円 → 195百万円へ減少(前月比51%)したが、前年同月比では172%と高い。
・**「その他」**は当月も実績ゼロ。
総じて、1月はチリ向けの増加が全体を下支えした一方、中国・インドの減少が重しとなり、全体金額はやや調整した月と整理できる。引き続き国別の振れが大きく、金額面でもボラティリティの高い構造が続いている。
(表―2、グラフ―2)。


■輸入CIF(JPY/kg)単価推移は、全体平均で前月の6,016円から5,611円へ低下し、反落した。年央以降の切り上げ基調は続いてきたが、1月はその流れがいったん調整に入った格好である。為替はなお円安圏にあるものの、円建てでこれだけ下がったことから、ドル建てベースでも価格調整が進んだ可能性が高い。
国別にみると、
中国品は前月5,865円から5,805円へ小幅低下し、高値圏を維持しつつやや軟化。
チリ品は5,856円から5,608円へ低下し、年末の戻りから再び弱含み。
台湾品は前月実績なしから4,735円で再開。
オランダ品は6,449円から4,440円へ大幅低下し、主要な押し下げ要因となった。
インド品は6,392円から6,509円へ上昇し、主要国の中ではなお高値圏を維持している。
全体としては、インド品の上昇を、中国・チリ・とくにオランダ品の下落が上回り、平均単価は調整局面入りしたと整理できる。秋以降の高値圏はなお維持しているものの、足元ではやや過熱感が後退している。
(グラフ―3)。

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 ( )内は前月実績
■今後の展望
供給面ではチリ依存が続く一方、国別の出入りが大きく、短期的な変動は引き続き高い。価格面は高値圏を維持しつつも調整局面入りの兆しがあり、当面は数量回復と単価調整が交錯する不安定な推移となる可能性が高い。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)