7月のアルミ概況および8月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2200-2500ドル →
スクラップ 0~ -5円(前月最終価格より) →
為替 135-139円 (一か月間TTM) 円高
■国際概況
前半は売られすぎ警戒での買い戻しや英政局安定期待などのプラス材料もあったが、6月の米CPIの総合指数が前年比で9.1%上昇を見せたことを受けた米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げ観測や中国のゼロコロナ継続や景気後退懸念を嫌気しDOWN
7月15日時点で2329ドル(セツル)と月初価格から68ドルDOWNの前半締めとなった。
後半はイタリアのドラギ首相の辞任が正式に発表されてイタリアの政局混迷に対する警戒感が高まったことと、欧州中央銀行(ECB)が0.5%の利上げを発表したことなどのマイナス材料あったが中国の不動産セクター支援を打ち出したことで景気期待が強まったことと、ドル安に支援されてリスク選好の動きが顕著となったを好感しUP。
7月末日 現在、後半スタート価格から131.5ドルUPの2452ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
136.99 → 135.61(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると6月の自動車生産台数は前年比-9.8%の62万6372台
輸出は前年同月比-15.8%の28万55761台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると7月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-13.4%の21万4134台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
6月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比2.2%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比2.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 74,596 戸。
・前年同月比 2.2%減, 2か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 6,027千㎡。
・前年同月比 4.2%減, 2か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 845千戸。
・前月比 2.1%増, 3か月ぶりの増加。
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 -22.5%の93t
2次合金 -23.7%の1681t
スクラップ +37.2%の3万9388t
アルミ缶 -43.1% 5122t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -15.1% 13万712t
二次合金 +4.6%の9万2040t
スクラップ +9.8%の685t
合金スクラップ +65%の7480t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -5.1% 15万9531t 3カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -18.7% 5万8788t 10カ月連続マイナス
出荷は -17.3% 6万414t 10か月連続マイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると6月の自動車生産台数は前年比-9.8%の62万6372台
輸出は前年同月比-15.8%の28万55761台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると7月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-13.4%の21万4134台
内 乗用車 -12.3%
貨物 -20.1%
バス -37.2%
【住宅着工戸数】
6月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比2.2%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比2.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 74,596 戸。
・前年同月比 2.2%減, 2か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 6,027千㎡。
・前年同月比 4.2%減, 2か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 845千戸。
・前月比 2.1%増, 3か月ぶりの増加。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -5.1% 15万9531t 3カ月連続マイナス
板 類 9万9383t --4.8% 2か月連続マイナス
押出類 6万148t -5.7 % 6か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -18.7% 5万8788t 10カ月連続マイナス
出荷は -17.3% 6万414t 10か月連続マイナス
いまだ回復の道筋の見えない自動車生産につれてアルミ合金需要も足踏みが続いている
【輸出】
新地金 -22.5%の93t
2次合金 -23.7%の1681t
スクラップ +37.2%の3万9388t
アルミ缶 -43.1% 5122t
【輸入】
新地金 -15.1% 13万712t
二次合金 +4.6%の9万2040t
スクラップ +9.8%の685t
合金スクラップ +65%の7480t
【見通し】
【自動車】
6月の自動車生産が-9.8%。7月国内販売台数が前年比-15.8%
7カ月連続生産、販売共に大幅減少! 前月に続き上海のロックダウンによる半導体以外も中国からの部品供給の遅れとのこと さらに米の台湾訪問による米中関係悪化による更なる遅れを危惧。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -5.1% 15万9531t 3カ月連続マイナス
コロナによる巣篭り需要減少で今後マイナスが続くかの動向に注視
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -18.7% 5万8788t 10カ月連続マイナス
出荷は -17.3% 6万414t 10か月連続マイナス
いまだ回復の道筋の見えない自動車生産につれてアルミ合金需要も足踏みが続いている
・アルミ輸出は自動車生産の減少や円安を受けてスクラップが増加
・アルミ輸入は円安での割高感から新地金以外は増加
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続き欧米の金融引き締め策からLME価格が2400-2500ドルと下落したが自動車生産減から売りにくく さりとて入荷も少なそう。
需要面に関しては上海のロックダウン解除後もサプライチェーンが不安定である事から
自動車生産 住宅着工も振るわず 需給は緩んだままではないか?
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
① 米欧の金融政策
② 米中関係の悪化
① に関しては
引き締め一辺倒であったFRBがここ最近の経済指標からやや中立にシフトしてとの見解もあるが次回はまだ0.75%を維持するのではないか
② に関しては
ペロシ米下院議長 米大統領の継承順位2位の下院議長による台湾訪問は25年ぶりに訪問
米国の長年の政策である「一つの中国政策」を損なうものではないと表明。「この訪問が危機や紛争に拍車をかける理由にはならない」とし、米国が中国の脅威や好戦的なレトリックに脅かされることはないと述べた。
ただ中国は訪問事態に反発 台湾向け砂輸出停止するなどを行っている
ただこれ以上の悪化はないのでないか
これらを踏まえた3月のアルミ価格は 2200―2500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は135円~139円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては 据置からー5円程度と予想している。
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