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どの様なプラスチック材料や製品が本当に地球や人類に負荷が少ないのか?

 昨今環境にやさしいプラスチックという抽象的な謳い文句でいろいろな材料や製品が登場している。

 どの様な材料や製品の環境負荷が少ないのか考察する。

 

 多くの企業や異業種が参入して環境問題に取り組み、地球環境に負荷の製品を販売していく事は悪い事ではない。

 

 リサイクルやアップサイクルに目を向けなかった企業も購買層や投資家がそこに注目してきている現在、環境負荷の低い材料や製品に切り替えることは当然の流れであろう。

 

 従来であればわずかなコスト差があるだけで枯渇資源を使う商品を選んでいたものもメーカー側が多少のコストアップがあっても再生可能な資源を使う傾向になっている。

 

 消費者側も環境配慮のストーリー性を重視するように変化しており、ここ二年くらいでサステイナブルマテリアルへの注目が高まっている。

 

 以下はあくまで筆者の個人的な感想や尺度であって個々の商品を批判する意図はないが

 筆者の考える環境負荷の低いプラスチックの判断基準は

 

① リサイクル材料を多く使っているか?

 日本はリサイクルを進めるべきだと非常に細かな分別が行われているもののリサイクルプラスチックが日常に汎用されていない。これは引っ張り強度、シャルビーや曲げ弾性率などの物性が悪く、ミックスプラの場合匂いもする問題もある。リサイクルプラスチックの品質を高める責任は資源循環会社にもあると思っている 昨今環境にやさしいプラスチックという抽象的な謳い文句でいろいろな材料や製品が登場している。

 

② 食べられるものを使っていないか?

 非可食性だと言ってトウモロコシを使い、でんぷんやサトウキビを使ってバイオエタノールを作っている会社が増えているが、非可食性だというのは詭弁であって穀物系材料をプラスチックに使うのは賛成できない。

 筆者は昔バイオエタノール関連事業をやっており、ブラジルのサトウキビ畑、アメリカのトウモロコシ農園を視察したことがある、両方とも非可食性を謳った工業用材料農園であった。

 両方の農園でサトウキビとトウモロコシをかじった。とてもおいしくて食用としては何の問題もなかった。

 状況は二か国ともほとんど同じであるが非可食性というのは単なる人間に使わないというカテゴリー分けであって、逆に人間に使えない化学肥料や成長促進剤を使い、遺伝子操作をしていた。

 一旦非可食性材料に使った畑を人間が食べる食用の畑に戻すのは大変とのことであった。

 非可食といえいざとなれば普通に食べられる穀物である。

 世界的な飢えや貧困が続く中穀物やでんぷんをプラスチックに使うのは賛成できない。

 

③ わざわざ輸入し、地中から取ったものを使っていないか?

 サスティナブルかどうかの基本は地産地消だと思う。輸送時に発生する二酸化炭素発生量はもちろん遠隔地から持ってくるのは尚更である。

 また地下から枯渇資源をわざわざ採掘してプラスチックに使うのはどう考えても環境に優しいとは思えない。無機物は比重を重くして物性も下げるし、通常プラスチックに混入すると他のプラスチックのリサイクルの妨げになる。

 炭酸カルシウムを使いたければホタテ貝や牡蠣の殻はいくらでも捨てられている。弊社ではこれら廃棄物を使った製品開発をしている。

 

④ 製造工程や輸送工程で多くのエネルギーを使っていないか?

 ケミカルリサイクルもリサイクルするということに注目されるが、材料を集める輸送工程、洗浄工程やプロセスで逆に多くの二酸化炭素を発生していないか見極める必要がある。

 

⑤ ある一部だけ環境負荷の低いものを使って全体がエコのように見せかける方法

 石油由来の通常のバージンプラスチックに少量の生分解性樹脂を添加して環境に優しいと謳っている製品をみたが、果たしてこれは本当にエコであろうか?

 PLAとPEやPPは相溶しにくいので中途半端に入っているとリサイクルが非常に難しい。

 燃やすときに植物由来は二酸化炭素発生を抑制するということであろうがせめてどうせいれるならなるべく多く入れ、プラスチックもなるべくリサイクル品を使って欲しい。

 

⑥ 物理的にリサイクルが不可能な製品を作ること

 太陽光パネル、風力発電翼、電池、熱硬化性樹脂複合材、CFRP、GFRP、複合フィルム、発泡樹脂複合材、架橋樹脂製品、混紡不織布、リサイクルできない接着剤などは機能物性の強化を目的としてどんどん進化し、多様化しているが材料メーカーは製品がエンドオブライフを迎えた時のリサイクル問題を知っているのであろうか?

 従来は廃棄やリサイクルの仕方に気を留めるメーカーはほとんど皆無であった。

 時代は変わり、SDGsの12番目の目標で作る責任、使う責任が入った事で未来の製品づくりには使用後どうするのかという事前モジュラーデザインが考慮されリサイクルしやすい素材や燃やしても環境負荷の低い材料を使うことが求められると思う。

 

 今後は買う側も常に何が環境や地球にとって選んで購買することが重要になる。

 

 買い物は『未来や地球への投票』である。

 

★環境負荷の低い、なるべくリサイクル材料や捨てられているものを使って生まれたLand loop

https;//landloop.jp/

 

 

写真写真写真

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<プロフィール>

増田信次

 ・サステイナブルマテリアルクリエイター

 ・SDGsビジネスマスター

 ・先端材料協会常務理事

 ・全日本科学技術協会客員研究員

 ・リサイクル炭素繊維、バイオコンポジット専門家

●連絡先 masuda@econologybrain.com

●instagram https://instagram.com/econologybrain

 

 

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