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JFE HD:23/3上期決算を受けて、ウエブで説明会を開催①

11月4日17時、JFEホールディングスは本日15時に発表した23/3期の上期決算を受けてウエブ会議を行った。説明に使用された資料はこちら

 

 

<ポイント>
〇上期決算

・鉄鋼事業におけるスプレッド改善による増益が中心。22年度上期事業利益は前回見通し対比+229億円の1,879億円(前上期比▲109億円)

 

〇22年度見通し

・事業利益2,550億円見込む(前年度比▲1,614億円、前回比+200億円)。

・経済、鋼材需要は持ち直し基調継続も、自動車生産や海外鋼材市況の回復は、前回見通しよりも遅れが見られる。

・合理化生産を継続、粗鋼生産量は前回見通しから減少(年間単独粗鋼量: 前回見通し2,600万トン弱⇒今回見通し2,500万トン程度)。

・一方で、国内販売価格改善等収益力向上に向けた諸施策を実施し、粗鋼生産量が減少する中でも、鉄鋼事業の業績は前回見通しから上振れを見込む。

・エンジニアリング事業・商社事業は安定収益を維持(エンジニアリング事業 対前回見通し±0億円、商社事業 対前回見通し+50億円)。

・為替 :下期の為替前提は145円/㌦を想定。鉄鋼事業では、原料市況の落ち着き等に伴い、外貨支払超過が縮小。

 

〇配当

・中間配当50円/株を取締役会で決議(前回公表40円/株)。

 

〇トピックス

・京浜地区土地利用検討の進捗状況

 

<2022年度 上期決算・業績見通し>

●今上期事業利益は1,879億円(対前回+229億円、対前年同期▲109億円)

●年間見通しは、事業利益2,550億円(対前回+200億円、対前年度▲1,614億円)を見込む。

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<鋼材需要・粗鋼生産量について>

●経済・鋼材需要は持ち直し基調継続も、前回公表時から回復に遅れがみられる

・国内:自動車分野において部品供給制約は継続。⇒前回見通しよりも減産が長期化。

・海外:諸物価の高騰・金融引き締めにより欧米の主要国経済は減速。中国:不動産市場の低調、東南アジア:建築需要低迷。⇒前回見通しよりも鋼材需要・市況の回復に遅れ。⇒世界鋼材需要は前回見通しより2%減少

●足元の鋼材需要減、海外鋼材市況の低迷をうけて合理化生産を継続志向し、JFEスチール単独粗鋼生産量は対前回見通し▲100万t減の2,500万トン程度を計画。⇒中国鋼材市況は回復の兆しが見られない。

 

<販売価格改善の取り組みについて>

●為替影響も含む主原料価格変動を遅滞なく転嫁することに加え、諸物価の転嫁を加速、上期は前回見通し時からさらなる価格改善を達成。下期も主原料・諸物価等の早期反映を強力に推進

●今後も中期計画目標の達成(鋼材トン当たり1万円の利益)に向けて、販売価格の改善を推進していく。

 今2Qの販売価格は前回見通しより3,000円/トン上昇(主原料分は取り戻せた)。2008年2Qの過去の高値よりも2万円/トンも上昇した。今後は、諸物価(金属・スクラップ・運賃・エネルギー等)の残りを取りに行く。→原料コスト早期販価反映、エキストラ見直し、価格水準の是正

 

<配当について>

●今期の中間配当については、1株当たり50円を支払うことを取締役会において決議。(前回公表40円)・・・上期の配当性向は24%。

●期末の配当については、今後の業績動向を見極めつつ検討することとしており、未定。

 

<JFEスチール 2022年度 業績見通し>

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

※今期のセグメント利益は上下で大きく段差が付くみとおし。棚卸資産評価影響を除くと逆に下期が膨らむ。

 

<2022年度上期 見通し⇒実績 セグメント利益 +282億円内訳>

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<足元の事業環境認識>

〇国内鋼材需要

●部品供給制約は改善に向かうも、前回見通し時より自動車分野の減産は長期化が主因。

●物価高騰や海外経済の減速等による先行き不透明感から買い控え・在庫調整といったリスク回避の動きあり。

●自動車生産の回復継続等により、下期後半にかけて鋼材需給は引き締まる想定(従来は下期から引き締まるとみていた)。

 

〇動向

●自動車

需要自体は引続き堅調、半導体等の部品供給制約の解消は前回見通し時より遅れているが、足元は徐々に緩和。

今後活動水準は上向くと想定。 

●造船

・中国内需減速等を受け、傭船料は一時期より落ち着き、新造商談も様子見状況ではあるが、2年分の契約残を維持

・資材高騰や人手不足の影響もあるが、今後2~3年は足元の活動水準が安定的に継続する見通し

●建築

・非居住用は、物流倉庫や半導体工場等の大規模案件が需要を下支えし堅調

・居住用は、政府の住宅取得支援策終了や資材費高騰に伴う減少を想定。鋼材需要は前年度に対して概ね横ばい。

●土木

公共分野では高水準の予算が確保されている状況は継続。

・官民ともに、想定を超える資材高騰を受け、設計見直しによる出件遅れが顕在化。鋼材需要としては前年度比微減を想定。

 

〇海外鋼材需要

自動車を中心とした製造業の活動水準は回復しつつある。

●中国では不動産市場不調による内需低迷が継続し、新興国では通貨安による建設需要の先送りもみられる等、鋼材需要は力強さを欠く状況

●今後、中国政府による景気下支えや秋需による回復を期待するが、回復時期は想定よりも遅れ、下期後半にずれ込む見込み

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<足元の原料市況動向>

●主原料

・鉄鉱石は、中国の鋼材需要低迷等により弱含みで推移。

・原料炭は、鋼材市況悪化により直近ピークからは下落するも高値圏で推移
・今後は豪州・ブラジルが雨季に入るため、天候要因による供給減には要警戒も、足元レベルでの推移を想定。

●金属・スクラップ

・ロシア・ウクライナ依存度が高い合金鉄等の需給ひっ迫に加え、燃料市況上昇に伴う電力価格高騰により金属類全般で高騰。一時の高騰からは落ち着きを取り戻しているが、依然高い水準での推移が継続する見通し。

 

<2022年度 セグメント利益 対前回見通し +150億円内訳>

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<2022年度上期⇒下期 セグメント利益 ▲1,314億円内訳>

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

関連記事:JFE HD:23/3上期決算を受けて、ウエブで説明会を開催②

 

 

(IRuniverse 井上 康)
 

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