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GREEN MATERIAL2023:期待できる非石化樹脂「改質リグニン」について

 GREEN MATERIAL2023(2023年2月1日-3開催@東京ビックサイト)で改質リグニンについてリグニンネットワーク代表で、研究コンソーシアム高機能リグニンの山田様のお話を伺うと共に、リグニンの実用研究について、リグニンネットワークブース内で確認した。この改質リグニンは「耐熱性」と「柔軟性」の特性に加え、従来のリグニンの特徴である臭気問題も解決してくれた期待できるバイオマスプラスチックである。

 

 GREEN MATERIAL2023(2023年2月1日-3開催@東京ビックサイト)で改質リグニンについてリグニンネットワーク代表で、研究コンソーシアム高機能リグニンの山田様のお話を伺った。

 

植物由来プラスチックスとは

 バイオマスプラスチックスとは植物などの再生可能な有機資源を原料とする「バイオマスプラスチック」と微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解する「生分解性プラスチック」の2つである。この「バイオマスプラスチックス」のことを植物由来プラスチックという。

 バイオマスプラスチックスの原料は糖、糖骨格由来物質である。

 バイオマスプラスチックスの高機能領域には「ベンゼン環」が必要である。この「ベンゼン環」は木材の中にたくさんある。木の中にある「ベンゼン環」を保有するものを「リグニン」と呼ぶ。

 

リグニンとは

 リグニンは植物細胞壁の主成分であり、セルロース繊維をマトリクスで固めている木材に20~35%含まれる物質で、呼び名は総称である。

 リグニンの誕生は、約4億5千万円前の植物が陸上に進出した際に、陸上の過酷な環境に対応する為、ベンゼン環を採用し、誕生したと言われる。従って、リグニンは強固で耐熱性があるのが特徴である。

 リグニンの分子構造は直鎖状であり、リグニンは進化系によって「針葉樹(G型)」、「広葉樹(G+S型)」、「雑草(G+S+H型)」の3型ある。

 このリグニンは、植物の種類や生育環境、部位、取り出す方法によりバラバラで、品質管理が難しく、安定品質の求められる高性能素材としての工業材料化は困難と言われていた。

 近年、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所が「改質リグニン」を開発し、状況が変わりつつある。

 改質リグニン:ポリエチレングリコール(PEG)改質リグニンの略称

  

改質リグニンとは(添付資料参照)

・改質リグニンは日本固有の樹木スギから作るバイオ由来の新素材である。

・フェノール樹脂に添加・混合して使用する(添加系)だけでなく、改質リグニンから改質リグニンノボラック樹脂(リグニン含有量25%)を合成し、使用する事例を「GREEN MATERIAL2023」のリグニンネットワークブース内で紹介されていた。

・特徴は「耐熱性」と「機械特性(柔軟性)」両方を併せ持つことである。

通常耐熱特性を向上させる為に、樹脂の架橋密度を上げ、剛直性を向上させることで柔軟性が劣るものであるが、耐熱性と柔軟性を両方併せ持つことは特徴的である。

・石油由来のフェノール樹脂としての代替適用が期待されている。

 

改質リグニンの附帯効果…臭わない

・これまでリグニンは臭気がある為、熱加工時や製品適用時に嫌われていたが、今回の改質リグニンは耐熱性や機械特性以上に、臭わなくなったことが、大変嬉しい附帯効果である。

 

応用展開として

  • ポリプラスチックス社

 改質リグニン/ポリオキシメチレン(POM)複合材

②天童木工社/豊田合成社

 自動車のステアリングを開発

 

 カーボンニュートラル/サーキュラーエコノミーの流れの中で、今後注目される非石油化学樹脂の1つである。

 

 

 

IRuniverse T.K.A.

 

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